<日本人の忘れられない中国>「この時期に中国行くの?」私が決断した理由
Record China / 2025年1月19日 14時0分
2020年新型コロナが世界で猛威を振っている中、私は一つの大きな決断をしました。それは、中国へ行って働くということでした。
「え? 本当? この時期に中国行くの?」「今じゃないとダメなの? コロナが落ち着いてからで良いんじゃない?」「私でも中国には帰るのは難しいよ!」と周りの人、そして中国の友人にも言われましたが、2020年新型コロナが世界で猛威を振っている中、私は一つの大きな決断をしました。それは、中国へ行って働くということでした。確かに、コロナによって海外へ行くどころか、仕事や学校にも行けない、今まで経験しなかったことばかりで、私たちの生活を大きく変え、不安がなかったわけではありません。しかし、そのような状況であったとしても中国へ行きたいと思う理由があったのです。
世界を旅行や人と交流をするのが好きだった私は、様々な人と友達になりました。そして、日本だけでなく各国各地、様々な分野で頑張っている中国人や中華系の人々に会いました。そして彼らの優しさを身近に感じることがたくさんありました。そこから私は、もっと中国のことを知りたい!もっと中国の友達を知りたい!そして中国のことをもっと好きになりたい!と思うようになったことがきっかけでした。
2020年の春、内定をもらい、中国への渡航へ向けて準備をしていました。しかし、いつもとは違う状況のため、ビザ取得に時間がかかってしまい、やっぱり今、中国へ行くという決断は正しくなかったのではないかと悩むときもありました。しかし、それでも「大丈夫だよ、心配しないで」といつも支えてくれる中国の友人がいました。
その後、中国に着いてから色々なことが私の前に立ちふさがっていました。隔離生活や手続きでの問題など文化の違い、言葉の壁など本当に心身疲労しきっていました。そんなときに、中国の友人は私に、「大丈夫?元気?」などメッセージを送ってくれたり、時には電話をかけてくれたり、またデリバリーでタピオカやご飯を注文して届けてくれました。他の人からすると「なんだ、そんなこと。小さいことじゃん!」と思うかもしれませんが、私にとってはとても心温まることでした。そして中国の友達がもっと好きになりました。他にも、レストランで注文をするとき、荷物を受け取るときなど、困っていると手を差し伸べ、私が日本人だと分かると興味を持って、「私は日本のアニメが好きだよ」「日本の製品は良いよね」と話しかけてくれる人もたくさんいました。こういった小さな日々の交流も私にとって忘れられない思い出になりました。
また中国にいる間に色々な町を旅行したいと思っていましたが、残念ながら、旅行することができませんでした。しかし、これはきっとまた中国に行く機会を私に作ってくれたのだと思っています。そしてコロナという大変な時期であったからこそ、私は人の優しさや人と人とのつながりをより一層感じることができました。そしてこれらの経験は、私の人生を支えてくれるものであり、今後もつづいていくものになったと思います。そして旅行以上に大切なものになったと思います。このような経験ができた私は本当にラッキーだと思います。
また困ったときや知りたいときに、メッセージや朋友圈に投稿すると、いつも助けてくれる中国人が私の周りにはたくさんいました。そういった優しさに触れていたので、本当はもっと長く中国にいたいと思っていた私ですが、いろいろな理由から中国を離れ、今、私はマレーシアにいます。ここは中華系の人も多く、中華街や中華料理、中国の食材や商品が売っている店も数多くあります。そしてお店を見つけるたび、入って見たりして、中国での思い出を懐かしんでいます。やはり私は中国と縁があると感じずにはいられません。そして今も中国の友人と他愛もないことで、メッセージのやり取りをしています。また投稿してみんなにシェアしています。小さな繋がりかもしれませんが、このような繋がりは私にとって本当に大切なものです。
また私は今も中国語の勉強を続けています。どうしてと思われるかもしれませんが、それは、三つの理由があります。一つ目はもう一度中国に行って、以前は行けなかった町を旅行したいからです。そして、そこに住んでいる人たちと交流をしたいと思っています。もう一つは、中国に行ってから好きになった卓球が関係しています。以前は卓球について詳しくありませんでしたが、卓球王国である中国に行ってから卓球が大好きになりました。こんな機会が訪れるか分かりませんが、いつか中国の卓球選手と友達になって「日本の食事はどうですか。何が好きですか。どこか旅行しましたか。じゃあ今度は私が案内しますよ」などとおしゃべりしてみたいと思っているからです。
そして中国の各地にいる中国の友人に再会して、感謝の気持ち、今までのこと、そしてこれからのことをたくさん話し合いたいと思っています。「いつもありがとう。これからもよろしくね!」と伝えて、これからもずっとずっと交流を続けていきたいです。
■原題:いつもありがとう、これからもよろしくね!
■執筆者プロフィール:細井 駿吾 (ほそい しゅんご)日本語教師
愛知県出身。中山大学、広東外語外貿大学での勤務経験を経て、現在は、マレーシアの学校にて勤務。中国語の学習を継続し、SNSを通して中国の学生や友人との交流も行っている。
※本文は、第6回忘れられない中国滞在エピソード「『香香(シャンシャン)』と中国と私」(段躍中編、日本僑報社、2023年)より転載したものです。文中の表現は基本的に原文のまま記載しています。なお、作文は日本僑報社の許可を得て掲載しています。
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