トランプ氏はまだ台湾を中国との駆け引きのカードと見ているのか?―仏メディア
Record China / 2025年1月24日 5時0分
22日、仏RFIは、「トランプ氏は台湾を引き続き中国との交渉カードとみなすのか」と題した記事を掲載した。写真はトランプ陣営の帽子。
2025年1月22日、仏国際放送局RFI(ラジオ・フランス・アンテルナショナル)の中国語版サイトは、「トランプ氏は台湾を引き続き中国との交渉カードとみなすのか」と題した記事を掲載した。
記事は、香港の英字紙サウスチャイナ・モーニング・ポストはトランプ米大統領が就任した20日、米シンクタンク「ドイツ・マーシャル基金会」のインド太平洋プログラム主任であるボニー・グレイザー氏へのインタビューを掲載したと紹介。グレイザー氏がインタビューの中で、第2次トランプ政権が台湾を中国との交渉の切り札とするかどうかについて分析したことを伝えた。
記事によると、グレイザー氏がまず第1次政権時の経緯を振り返り、台湾を切り札として利用しようと試みたものの失敗に終わり、中国が米国との貿易交渉に応じるどころか、トランプとの距離を置く選択をしたと指摘。トランプ氏がほどなく「一つの中国政策」への支持を再確認し、習近平(シー・ジンピン)国家主席との会談の中で台湾総統との再会談の可能性を明確に否定し、習氏と「非常に良好な個人的関係」を築いていることをアピールしたと紹介した。その上で、トランプ氏が第1次政権期の教訓から第2次政権では自ら台湾を交渉材料として利用する可能性は低いとの見方を示した。
一方でグレイザー氏は、例えば習氏が「台湾独立への反対」を明確に表明するよう求めることがあれば、トランプ氏はその見返りとして貿易面での譲歩を得ようとするシナリオが考えられるとも指摘。ただ、中国経済の成長が鈍化し、外国からの投資が減少し、若年層の失業率が高止まりするなど多くの課題に直面している現状では、習氏が軍事行動を含めた台湾独立阻止に対する大々的な行動を起こす可能性は低いとの見方を示したと伝えている。
また、習氏が台湾に対して武力を行使する「レッドライン」について、「台湾が独立を宣言する」「米国が台湾との防衛条約を復活させる」「米国が台湾を主権国家として承認する」など、習氏の地位や中国共産党の正当性に深刻な脅威を与える行為だとし、台湾と米国がこれに抵触しないよう警戒し、「必然の戦争」を避けるべきだと警告した。
グレイザー氏はさらに、米国をはじめとする多くの国は、台湾海峡の現状維持と平和的な解決が自国の利益に合致すると考えているとし、現状では台湾海峡よりも南シナ海で米中間の軍事衝突が発生するリスクが高いとの認識を示した。(編集・翻訳/川尻)
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