台湾・頼清徳総統「自らの実力に頼る平和だけが真の平和」、専門家は国防予算引き上げ提言
Record China / 2025年1月25日 12時0分
台湾の頼清徳総統は陸海空軍の各部隊を視察し、「自らの実力に頼る平和だけが真の平和だ」と強調。国防専門家は国防予算の引き上げを提言した。写真は中華民国総統府ウェブサイトより。
20日に就任した米国のトランプ大統領の台湾政策が注目される中、台湾の頼清徳総統は21日、東部・台東県内の陸海空軍の各部隊を視察し、「自らの実力に頼る平和だけが真の平和だ」と強調した。台湾の国防専門家は米国からの武器購入のため、国防予算の引き上げを検討するよう提言した。
台湾・中央通信社によると、頼総統は「視察の目的は平時の訓練の様子を理解することだけでなく、さらに重要なのは持ち場を離れることなく国家の安全を守る国軍の兵士に対し、人々を代表して感謝することだ」とあいさつ。視察を通じて「陸海空軍の兵士に対して大きな信頼を寄せた」とも話した。
また「中国共産党は台湾に対する野心を諦めておらず、近年はさらに武力攻撃と判断しにくい手段で圧力を加える『グレーゾーン作戦』を強化しており、巨大な挑戦となっている」と言及。最近の権威主義国家の合流は国際秩序に重大な影響を及ぼしているとした上で、「台湾は地域の平和や安定の維持に力を注ぎ、世界の民主主義や平和、繁栄の守り手になる」と述べた。
一方、国防部(国防省)のシンクタンク、国防安全研究院国防戦略・資源研究所の蘇紫雲研究員兼所長は、台湾は米国から武器を購入するため、引き上げ可能な国防予算を現実的に見直すことが可能だと指摘。米共和党政権下では、台湾に大型艦を売却する傾向にあったとし、台湾の海軍で水上艦の更新が待たれている状況下では米国に対し、退役したタイコンデロガ級ミサイル巡洋艦やペリー級ミサイルフリゲートの台湾への売却を要請可能だとした。
新型対潜哨戒ヘリコプターやE2D早期警戒機、F35戦闘機などの購入についても取り上げた。
台湾大学政治学科の陳世民副教授(准教授)は、第一次トランプ政権終盤の2020年10月に米政府が高機動ロケット砲システム「ハイマース」や空対地ミサイル「SLAM‐ER」など中国本土を攻撃できる武器の台湾への売却を決定したことに触れた。
その上で「これは米国内法『台湾関係法』が定める『防御的な性格の武器を台湾に供給する』との制限を飛び越えるものだ」と説明。トランプ政権が再び、台湾関係法で定める範囲を超え、武器売却について台湾に対する中国の侵略を抑止する範囲に改め、台湾が中国本土を攻撃できる武器を売却する可能性があるとの見方を示した。(編集/日向)
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