米航空機事故で死亡、中華系フィギュア期待の少女が残した最後の投稿―香港メディア

ワシントンでの旅客機墜落事故で死亡した11歳の中華系女子フィギュアスケート選手のアンジェラ・ヤンさんは事故当日に動画投稿していた。写真は到着予定地だったロナルド・レーガン・ワシントン・ナショナル空港。

米国首都のワシントンで発生した旅客機と軍用ヘリコプターの空中衝突事故では、旅客機の乗員乗客64人とヘリコプターの搭乗員3人の、計67人全員が死亡した。旅客機には、全米フィギュアスケート強化合宿から戻る選手やコーチなども搭乗していた。犠牲者になった中華系女子選手のアンジェラ・ヤンさんは事故当日に、ペアを組んでいた男子選手のショーン・ケイさんと演技をする動画などをSNSに投稿していた。二人とも11歳だった。香港メディアの香港01などが報じた。

墜落した旅客機はアメリカン航空5342便で、米国中部のカンザス州ウィチタを出発してレーガン・ワシントン・ナショナル空港に到着する直前だった。ウィチタでは全米フィギュアスケート強化合宿が終了されたばかりで、5342便には選手やコーチなど関係者が多く搭乗していた。ヤン選手は事故当日に、インスタグラムに動画や画像を投稿し、「今年の合宿はとても楽しかった。来年もまた参加したいです」と書き添えていた。

ヤン選手は、デラウェア大学フィギュアスケートクラブ（UDFSC）に所属しており、2024年には同クラブの「11月のスター」にも選ばれた。UDFSCはヤン選手について、「兄と姉はアイスホッケーをしており、その試合を観戦するうちにスケートへの興味が芽生えた。最初はアイスホッケーをしていたが、時間が経つにつれ、アイスダンスに強く魅了され、自分には才能があると感じるようになった。最終的にフィギュアスケートに転向した」と紹介していた。

ヤン選手はまだ11歳で、「気分が落ち込んだ時には、家族がいつも励ましてくれます」と述べ、今シーズンの全米シングルフィギュアスケート選手権出場と、来年の全米フィギュアスケート選手権の決勝進出が目標と説明していた。

事故機には、ヤン選手とペアを組んでいでいて、ヤン選手が投稿した動画にも登場した同じ年齢のショーン・ケイ選手と、二人のコーチのアレクサンドル・キルサノフさんも搭乗していた。キルサノフさんは46歳だった。

ワシントンに滞在中のキルサノフさんの妻のナタリア・グディンさんは、いつもは4人全員で移動していたと説明し、「でも今回は、彼らだけが行って……。そして全員いなくなってしまいました」「この若いチーム、ショーン・ケイとアンジェラ・ヤンは、本当に素晴らしい選手でした」「審査員も皆、彼らを誇りに思っていて……。大きな未来があったのに」「私にとっては3倍の悲しみです」などと述べた。（翻訳・編集/如月隼人）