春節期の中国人の「経済行為」に4つの変化―中国メディア
Record China / 2025年2月4日 5時0分
中国ではこのところ、春節期になると人々が買い物や外食、観光などで「財布のひもを大いに緩める」現象が続いていた。しかし今年の春節期には、人々が費用対効果をより真剣に考えるようになった。
中国ではニュース掲載サイトの網易などが、2025年の春節期には中国人の経済行為にこれまでとは違う傾向が出現したと論じる記事を紹介した。中国では今年の場合、1月28日から2月4日までが春節(旧正月)連休で、春節連休とその前後の時期は、人々が買い物や飲食、観光などに金銭を投じる時期だ。
実質重視で「ぜいたく」にはこだわらない
中国ではこのところ、春節期になると人々が「財布のひもを大いに緩める」現象が続いていた。しかし今年の春節期には、人々が費用対効果をより真剣に考えるようになった。
変化が比較的顕著だった分野の一つに、旧暦の大晦日の夜に家族がそろって食べる年夜飯(ニエンイエファン)がある。中国では進学や就職のために実家を離れた家族も春節には帰省する習慣があるが、家族全員で飲食店で年夜飯のテーブルを囲むことが増えた。経済成長により人々に金銭面の余裕が生じたために発生した現象だが、飲食店での年夜飯はすでに伝統のように受け止められ、年越しの行事の一環という感覚も生じていた。
しかし現在では、自宅で年夜飯を食べる家庭が増えた。一つには、飲食店の年夜飯の価格が年々上昇して、1テーブル当たりで5000元(約11万円)から6000元(約13万円)もすることが多くなり、人々が二の足を踏むようになったことが原因だ。言い方を変えれば、人々はより手頃で費用対効果のよい生活方式を選択するようになった。また、自宅で食べる年夜飯は個人の好みに細かく合わせることができる点でも好都合で、年越しの温かさと団らんの雰囲気もよりよく味わうことができる。
もう一つの現象は高級果物市場の冷え込みだ。かつては、春節期間に差し掛かるとチェリー、イチゴ、ドリアンなどの高級果物が人気を集めた。しかし今年は高級果物がかつてほど売れず、価格も目に見えて下落している。多くの人がバナナやオレンジ、リンゴなど中低価格帯の果物を選んだほうがよいと判断するようになった。この現象もやはり日常生活においてますます費用対効果と実用性を重視している消費者の心理状態を反映している。
観光についての選択の変化
かつては春節になると、海外旅行に出かける人の多さが目立った。理由の一つは春節の長期連休が人々に十分な時間を提供したことだが、それ以外にも海外旅行が注目されるようになったことで、多くの人が「流行に乗り遅れるな」とばかりに海外に向かった状況もあった。しかしこの考え方は大きく変化しつつある。
まず、多くの人が国内旅行を選択するようになった。中国北部の人は中国南部に行き、南部の人は逆に北部を旅して、自分の出身地とは違う年越しの料理や風情を感じることを望むようになった。また、多くの人が「居住地の観光資源を発掘」するようになった。例えば自分が住む街にある公園、博物館、遺跡などだ。このような「近場での観光」は、短期間で文化や風情を体験することができ、しかも長距離旅行にはつきものの疲労も少なく、費用も節約することができる。人々は観光について、規模ではなく質と内容をより重視するようになったとも言える。
年越しに伴う「爆買い」が後退
中国では春節が近づくと、どの家庭も大量の商品を購入した。しかしこの習慣も微妙に変化している。人々の購買行動は、より理性的で節度あるものになりつつある。
かつては、春節が近づくと大型商業施設に行って、「深くは考えずにとにかく爆買い」というパターンがあった。しかし現在はネット通販を利用する人が増え、購入する品も数日内に必要なものだけにする人が増えた。その背景には、多くののスーパーが春節期にも営業するようになり、人々が「鮮度のよい食材を買った方がよい」と思うようになったこともある。
春節期の価格上昇が緩和
かつては、春節が近づくたびに、各種物価が上昇した。主な理由は、春節期には需要が大幅に上昇する一方で、商品を提供する側の企業の従業員が春節の休暇を取るために、供給力に制約が出たことだった。しかし今年の場合には春節が近づいても、物価はむしろ「安定しつつも下落傾向」という状況が出現した。
原因の一つは人々の所得水準の「調整」と消費需要の萎縮と考えられる。人々の購買行動の変化の背景には、やはり「不必要なものは買わない」という意識が強まったことがある。また販売側が厳しい競争に対応するために、より柔軟な価格戦略を採用した可能性もある。さらに技術の進歩と物流の進化に伴い、春節期の商品供給もよりスムーズで安定するようになった。このことも、市場の需給関係のバランスを安定させ、物価の大幅な変動を防ぐことに役立っている。(翻訳・編集/如月隼人)
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