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導入は意外と手軽!? 飲食業開業の選択で増えるキッチントレーラー

レスポンス / 2022年8月31日 10時15分

コロナ禍の影響もあり、ここ数年キッチンカーやフードデリバリーの存在が目立つようになる中、より大掛かりな「キッチントレーラー」がじわじわとその数を増やしている。その背景には導入のしやすさや見た目の良さ、拝領時のリスクの少なさなどがあるようだ。


全国にキッチントレーラーを販売するMMR(本社・鳥取市)によれば、現在は月に数台の契約がまとまり、同社が扱うメーカー・TKKXの月販は30台ほどだという。MMRは2022年6月に大阪府内に支店と工場を新たに構えたことからも、好調ぶりが窺える。


◆けん引免許の要らないモデルを中心に引き合い


トレーラーといえば、けん引免許が必要なイメージが持たれがちだが、750kgを下回れば、けん引免許は必要ない。このサイズであっても、複数のシンクや大きめの冷蔵庫、調理台、収納、換気扇など、飲食物の簡単な調理や販売に必要な装備を設けることができる。


駐車スペースの確保や移動時の操作性も比較的難しくないこともあって、週末だけ露店を出したいという人や軽食のフランチャイズチェーンなどからも引き合いがあるという。


◆車両価格は100万円台中盤から、補助金の後押しも


最も売れ筋のトレーラーの価格は147万~226万円(2022年8月時点)で、冷蔵庫などを含む装備費用などを合わせると200万円台~300万円台になるという。東京都や大阪府では現在行なっていないが、自治体によっては新規事業に対する補助金などが利用できる場合もあり、開業時の負担はそれほど大きくない。


10年ほど前、MMRがキッチントレーラーを製作しようと試みた際には、今よりも資材は安かったにもかかわらず、原価が200万円以上になったという。TKKXのトレーラーは中国製造(デザインはフランス、足回り部品は主にドイツ製)とはいえ、価格破壊のような値付けが急拡大の一番の理由と言って間違いないだろう。


そして、廃業することになった場合のリスクについても注目したい。キッチントレーラーは店舗を借りた時のようにスケルトンにする必要がなく、そのまま売却できる。キッチンカーのようにベースのクルマが壊れて使えなくなる、という心配もない。


キッチントレーラーの中古市場はまだ確立されていないが、購入する側からすれば、店舗でいう”居抜き”の状態で費用を安く抑えられることから、ネットなどで取引されても、すぐに買い手が付く状態にある。


◆SNSでも映えるオシャレ感


キッチントレーラーは、設計の自由度が高く、オールステンレスのものあり、ポップなカラーなものあり、とエクステリアを見ただけでも、トラックベースのキッチンカーなどとは雰囲気が異なる。


インテリアや装飾なども好みに合わせて変えやすく、オシャレな店にしたいと考える若者やSNS映えによる宣伝効果を見込む経営者に選ばれている。


グランピング場やサービスエリアなどでは、移動販売用ではなく、常設の形で使われているケースも出てきている。


また、イメージ戦略のため露店や移動販売者をすべて断っていたスペースで、「おしゃれなトレーラーならば」と出店許可が下りた例もあるという。


今後のキッチントレーラーの動向について、MMRの星宗治社長に尋ねると「新たに飲食業を始めようという人にとって、トレーラーは負担が少なくて済む選択肢。補助金による後押しが無くなったとしても、今後も安定的に伸びていくだろう」と話していた。

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