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スピーカーのスペックは気にしなくて良い!?…キーワードから読み解くカーオーディオ

レスポンス / 2022年10月3日 7時0分

カーオーディオに興味を持っていろいろと調べてみると、専門用語が頻出する。そしてそれらの意味が分からず気持ちが萎えた…。そんな思いをしたことのあるドライバーは少なくないに違いない。当連載ではそのようなことが少しでも減ることを願い、用語解説を展開している。


◆「定格入力」と「最大入力」は、音質性能とは比例しない!?


今回は、スピーカーの性能に関するスペックについて解説していく。


まずは、「定格入力」と「最大入力」について説明しよう。この2つの意味は以下のとおりだ。前者は、「連続して鳴らしてもスピーカーが壊れない最大のパワー(W)」で、後者は、「瞬間的に鳴らしても壊れない最大のパワー」を表す。


なおこれらのスペックは、スピーカーを選ぶ際にはほとんど気にしなくて大丈夫だ。組み合わせる「パワーアンプ」とのパワーバランスを考慮した方が良いとも言われるが、カー用の「パワーアンプ」であれば、適切なセッティングがされていてかつ常識的な音量で音楽を聴く分には、スピーカーが壊れることはまずない。そして、これらの数値の大小は、音質性能とは比例しない。これら数値と音の善し悪しは別モノだ。


次いでは、「再生周波数帯域」について説明したい。結論から入ると、これもあまり気にする必要のないスペックだ。


なおこれは、そのスピーカーが再生可能な周波数の範囲を示すものだ。となると、このスペックで表されている数値の範囲が広いスピーカーほど「ワイドレンジなスピーカー」だと判断できる。しかし…。


◆「再生周波数帯域」は参考にはなるものの、音の良し悪しとは別問題!


しかしながら、このスペックもやはり音が良いか否かとはあまり関係がない。例えば、「再生周波数帯域」が30Hzから20kHzのスピーカーAと、同スペックが50Hzから20kHzのスピーカーBとがあったとする。このスペックを見比べる限り、スピーカーAの方が優秀に思える。しかし同条件で聴き比べてみると、スピーカーBの方が確かにレンジ感は狭く感じられつつも50Hz付近までの低音はむしろ良質、なんてことも起こり得るのだ。


続いては、「インピーダンス」について説明する。これはこれまでのスペックとは打って変わって、チェックすべき項目だ。


で、まずこの名称の意味は以下のとおりだ。「スピーカー」はステレオシステムの回路上では電気抵抗ともなるのだが、「インピーダンス」とはその抵抗となる度合い、つまり「抵抗値」を表すスペックだ。で、なぜにこの数値をチェックすべきなのかというと、使用する「パワーアンプ」とバランスさせる必要があるからだ。パワーアンプには、接続するスピーカーの「インピーダンス」に制限がかかる場合が多いのだ。


◆「インビーダンス」が特殊なモデルは、組み合わせるパワーアンプのチョイスに注意!


ちなみに、カー用のスピーカーの多くは、「インピーダンス」は「4Ω(オーム)」だ。そしてカー用の「パワーアンプ」の多くも「4Ω」のスピーカーを鳴らす前提で設計されている。しかし一部、「2Ω」のスピーカーもある。またサブウーファーの中には「1Ω」の製品もある。そうであったら、組み合わせる「パワーアンプ」は「2Ω」や「1Ω」にも対応するモデルでないとNGだ。


さて最後は、「能率」について説明する。なおこれは、「出力音圧レベル」とか「感度」と言い換えられることもある。で、これは、スピーカーの音の大きさを示す目安となるものだ。例えばこの数値が90dB(デシベル)のスピーカーと88dBのスピーカーとがあったとすると、同じ大きさの信号を入力した時、90dBのスピーカーの方が大きい音を鳴らせる。


つまり「能率」の数値が大きいほど、非力なパワーアンプでもしっかり鳴る。なので、メインユニットの内蔵パワーアンプで鳴らす場合には、「能率」の大きなスピーカーの方が向いている。


とはいえ最近の内蔵パワーアンプは、かつてほど非力ではない。なのでこれについても大きくは気にする必要はない。ただ、極端に「能率」が低いモデルは、内蔵パワーアンプ向きではない。そうであることは、頭に入れておいても良いだろう。


今回は以上だ。次回以降も難解な用語の意味を1つ1つ説明していく。お楽しみに。

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