1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 経済
  4. 経済

インタークーラーって何に効果があるのか?~カスタムHOW TO~

レスポンス / 2022年10月4日 6時30分

ターボ車などの過給器とセットで装着されるインタークーラーはどんな効果を持つのか。強化する意味はどんなところにあるのか。パワーチューンパーツなのか、冷却パーツなのか!?


◆圧縮された空気を冷やすのが役割


インタークーラーはターボ車やスーパーチャージャーなど、過給器にセットされるパーツ。ターボ車を例に取ると、排気ガスの圧力でタービンを回し、その力で吸入する空気を圧縮する。この圧縮した空気を燃焼室に押し込むので、排気量以上の酸素が入る。すると、酸素に合わせてたくさんガソリンを噴射することができて、力強い爆発を得られるというのがターボ車がパワーをたくさん出せる仕組み。


スーパーチャージャーはその空気を圧縮する力を、エンジン自体の回転からもらうのでちょっとだけ馬力ロスが大きいのと、回転数と過給圧が比例するので低回転は過給圧が低い。ある程度エンジンを回さないと効果が薄い。


ここで問題になるのが、この空気を圧縮するということ。強烈に圧縮すると空気は熱を持つ。そうするとせっかく圧縮したのに熱で膨張してしまって、エンジンにたくさんの酸素を送り込むことができなくなってしまうのだ。


そこでインタークーラーで圧縮したあとに冷やすことで、少しでも温度を下げて体積を小さくしたい。そうするとたくさんの酸素をエンジンに送り込むことができ、エンジンパワーを引き出すことができる。そこで生まれたのが圧縮空気を冷やすインタークーラーだ。


◆圧縮された空気は200度近くにもなる!!


空気を圧縮したところでそんなに熱くならないでしょ、と言われそうだが、実はタービンで圧縮された空気は170度とか180度にもなる。インタークーラーで外気に当てるだけで温度が下がるわけである。ラジエーターで90~100度くらい。オイルクーラーで100~130度くらいなものなので、インタークーラーがもっとも高温になるのである。そして、インタークーラーでどれくらい冷えるかというと20~40度ほどが平均的。つまり170度の圧縮空気を140度くらいまで冷やしてエンジンに送り込んでいるのだ。


冷やして、といっても冷えていないような気もするが、それでもインタークーラーの性能に寄ってパワーやトルクは確実に左右されるのである。


◆近年の流行は水冷式インタークーラー


ハイパワーな輸入車では純正で水冷式インタークーラーの採用が増えている。エンジン冷却水でインタークーラーを冷やすというものが多い。「それで冷えるの?」と思われるが、先述のように圧縮された空気は200度近い温度になるので、100度くらいのクーラントなら十分に冷却する効果がある。また、空気よりも液体で冷却したほうが熱交換効率が圧倒的に良いので、インタークーラーを水冷化することで省スペースな熱交換器に置き換えることができる。そして、インタークーラーには風を当てなくては冷えない。水冷化すればラジエーターにだけ風を当てればい良いというのも大きなメリットなのだ。


◆インタークーラーは後方のラジエーターのことも考慮が必要


インタークーラーを空気で冷やすには風を当てなければならない。エンジンパワーに直結する部分だけに、できるだけ冷たい空気を当てたい。そうなるとラジエーターの前に置く、前置きレイアウトを採用することになる。となると問題はラジエーターだ。


ラジエーターにはインタークーラーで熱せられた空気しか当たらない。しかも、その勢いは弱くなっていてラジエーターを抜けにくくなっており、ラジエーターが冷えなくなってしまう。


そこでインタークーラーのフィンのピッチ(間隔)を広く設計すれば、ラジエーターまで走行風が流れやすくなる。しかし、今度はインタークーラーの冷却効率が落ちてしまうというスパイラルなのだ。スバルでは多くの場合、エンジンの上にインタークーラーを設置。ラジエーターと関わらない場所にインタークーラーを置くことを選んでいる。これはラジエーターには効率的だが、走行風が当てにくい、大型のインタークーラーは装着できないというデメリットもある。


そこで水冷式という選択肢が増えてきた。水冷式はクーラントで圧縮空気を冷やすので、走行風はラジエーターにだけ当てれば良い。冷却系の設計がシンプルにできるし、空力的にも有利。いろいろなところから空気を入れて排出すると、空力的な乱れも起きやすい。シンプルに設計できれば、ダウンフォースを出して、抵抗を減らす設計もしやすい。そういったメリットから、近年のハイパフォーマンスカーでは水冷式インタークーラーが増えているのだ。


インタークーラーをアフター品の大型のものに交換すれば、吸気温度を下げることができる。そうなるとECU側ではもっと燃料を噴いて、点火時期を理想的にしてということになり、結果としてエンジンパワーを向上させることができる。


逆に言えば、吸気温度が高いとエンジンがノッキングで壊れないように、どんどんパワーはセーブする方向にECUが自動的に制御していく。そういったパワーダウンにつながる原因を防ぐのがインタークーラーの役割でもある。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください