キャンピングカーの自作や改造を支援、「シェアガレージ」が横浜市に誕生
レスポンス / 2022年10月4日 18時0分
キャンピングカーレンタル・カーシェアなどの事業を展開するCarstayは10月2日、神奈川県横浜市にキャンピングカーを改造・自作するためのDIYスペースと、工具レンタルが可能なシェアガレージ施設『Mobi Lab.』を開設した。
Mobi Lab.は、ハイエース、キャラバン、エブリイなど自身のバン型車両を、キャンピングカーなどの車中泊・バンライフ仕様に自身で改造・自作するためのスペースで、利用料金は1日5000円、5日1万5000円、10日2万5000円、30日5万2000円(1日最大7時間、すべて税抜き)となっている。工具なども充実しており、キャンピングカーを改造するために必要な木工用工具、電装系工具なども使うことができる。
Mobi Lab.では6つのサービス展開を予定しており、ひとつ目はシェアガレージ事業。ふたつ目はキャンピングカーのメンテナンスや修理。3つ目は、車中泊向けのソーラーパネルや、蓄電池などの取り付けや電装工事など、各種パーツ類の取り付け、4つ目はキャンピングカーの体験や使用の予約。5つ目は、Carstayのキャンピングカーに特化したカーシェア登録や登録で必要となる写真撮影の代行作業。6つ目は、バンライファーやバンライフ体験をしたい人たち向けの交流会などの開催となっている。
6つ目のサービスに登場するバンライファーやバンライフという聞き慣れない言葉だが、バンライフとは車を通じた旅や暮らしにより「人生を豊かにする」ことを目的として、バンやキャンピングカーを家やオフィスのように改造し、車を旅行・働く・遊ぶ・暮らしの拠点とする新たなライフスタイルのこと。またそれらを実行する費人たちをバンライファーと呼んでいる。
◆バンライフへの強い思いがMobi Lab.開設のきっかけ
今回Mobi Lab.開設にあたり、お披露目会が開催され、Carstay宮下晃樹氏代表取締役Mobi Lab.のある横浜市の市会議員などの挨拶も行われた。
代表取締役の宮下晃樹氏は、「誰もが好きな時に好きな場所で好きの人と過ごせる世界をつくる」というのが会社のミッションだと述べ、Mobi Lab.を開設することで、未来の旅・暮らし・仕事といったバンライフを実際に体験するお手伝いがしたいと語った。バンライフに少しだけ興味がある人に遊びに来てもらうことで、自分もやってみたいという思いを強く持ってもらい、キャンピングカーを購入した人には、なにか不具合があったときもMobi Lab.があれば、いつでも持ち込めて問題も解決できる。そんなバンライファーをサポートできるような取り組みを進めていきたいとのこと。そしてこの取り組みを全国に広げていきたいと将来の展望も語っていた。
続いてMobi Lab.のマネージャー向田涼哉氏も登壇し、バンライフに触れたきっかけがオーストラリアに留学しているときだったと語った。サーフィンカルチャーだったり、車で生活している遊牧民的な方がいたりと、日本にはあまりなかった文化だったので、凄く衝撃を受けたとのこと。そこから日本のキャンピングカービルダーの会社で仕事をしていたが、バンライフの文化を、日本に広める仕事がしたいという思いが強くCarstayに入社。Mobi Lab.については1年ほどの準備期間を経てオープンすることになった。
Mobi Lab.については、DIYシェアガレージという位置づけだとのことで、自分で体験しながらキャンピングカーを作っていきたいという方はたくさんいるが、組み立てるための場所がないとか、工具がないという方のために、スペースを貸し出す。またスタッフによるアドバイスも受けられるので、課題を解決できるサービスになっている。ほかにもキャンピングカーの登録代行を請け負ったり、バンライファーの交流会などもあるので、Mobi Lab.がバンライフの裾野を広げるポイントになっていくとのこと。
そしていつかは、さらに大きな場所でサービスを展開し、Mobi Lab.によるキャンピングカー制作なども行いたいと希望を語っていた。
◆民連携の事業にCartstayも参加してもらいたい
Mobi Lab.がープンした横浜市旭区が地元となる衆議院青柳陽一郎議員、神奈川県議会須田幸平議員、横浜市議会大岩真善和議員も挨拶に訪れていた。
最初に衆議院議員 青柳氏が登壇し、新しい事業、若い事業、チャレンジングな事業が、地元の旭区からスタートするというのは、とてもワクワクしているし応援していきたいと率直な意見が述べられた。コロナ禍以降、産業の5Kである「環境」「教育」「子育て」「介護」、そして最後のひとつである「観光」はとくに大ダメージを受けて膠着している。そんな中、キャンプは最近流行でもあり、グランピングなどのカルチャーも生まれている。自分も初心者ながらグランピングを体験したらとても楽しかったし、子供もすごく喜んでくれたとのこと。このようにグランピングからバンライフに移り、本格的なキャンパーになっていくことは十分ありえるし、これからさらに市場が広がっていくのではないかと予測を語った。また自分の秘書はじつはバンライファーだったので、今後いろいろと教わって、国会議員初の「バンオヤジ政治家」になろうと思っている。とジョークを交えたコメントが飛び出していた。
次に須田氏が登壇し、もともと埼玉県で自動車ディーラー(フォルクスワーゲン正規ディーラー)を家族で経営していたと驚きの前職を公開。当時抱えていた社員数より、Carstayの社員の方が多く、しかも若い人が多いのはとてもうらやましい、と率直な感想を述べていた。ディーラーを経営していたときは、ドイツ車がある生活、暮らし、文化を売るんだとよく言われた。Carstayはまさにその先を提案していて、クルマの販売ということから解放され、時間と場所の制約を解き放つ新しい価値を提案するという事業に取り組んでいることは素晴らしいと感じるとコメント。そして青柳氏が目指すと宣言していた「バンオヤジ政治家」は、まだ青柳氏が実現したわけではないので、自分が先に名乗れるようにチャレンジしていきたいと、ライバル心を燃やしていた。
最後に横浜市議会議員 大岩氏が登壇。Carstayの皆さんの感じている夢とか希望とか、わくわくしたいことを、今まではネット上で実現してきたが、今度はMobi Lab.というリアルの場ができて、ここを中心にしてまた広がりが出ていく。そんなスタートに立ち会えたことは大変ありがたいと語った。横浜市には2700の公共公園があり、公共公園をもっと楽しくしていくというのが、横浜市として大きな課題になっている。そこで横浜市は公募設置管理制度(Park-PFI)という公民連携の事業に取り組み、山下公園や大通り公園は民間企業の皆さんに新規事業を提案をしてもらい、新しい事業の取り組みかたを進めている。たとえばだがMobi Lab.のある旭区には、ズーラシアという大きな動物園がある。ズーラシアでグランピングのような事業を始めれば、夜行性の動物たちの鳴き声が体験できるなど、シンガポールや海外では当たり前のように取り組まれているような事業もできそうだ。こういったアイデアをCarstayさんのような会社にどんどん提案してもらいたいと展望を述べていた。
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