注目のテスラ モデルY の静粛性をアップさせる『調音施工』実践レビュー
レスポンス / 2022年10月7日 22時0分
今や世界で最も売れているEV車と言われているテスラの『モデルY』が遂に日本へ上陸した。そのテスラの最新モデルに話題の「調音施工」を実施することで、モデルYはどう変わったのか?
結論を先に言うと、ワンランク上の乗り心地になった。えっ、「調音施工」ってロードノイズを低減する施工じゃないの?
◆モデル3からモデルYへの乗り換え。違いはどこに?
今回、モデルYを自社デモカーとして導入し、「調音施工」を実施したのは千葉県にあるフォーカル プラグ&プレイストア千葉北。早速、ショップに出かけてモデルYへの調音施工の内容、さらにはその実際の効果についてうかがった。
同ショップは以前『モデル3』をデモカーとして所有していたことから、その違いやテスラのクルマ作りの進化などもユーザー視点、プロ視点の両方から見ることができるショップでもある。
「テスラの各モデルは年々進化を続けているのを感じます。一般的なクルマのようにモデルチェンジを進化のタイミングにするのでは無く、短期間で市場からの意見を吸い上げクルマ作りにフィードバックし、グレードアップしていることが多々あります。その進化のひとつが静粛性のアップです。モデル3も初期型に対して現行モデルは静粛性がアップしたのを確認してきました」
そう語ってくれたのはフォーカル プラグ&プレイストア千葉北の越野さん。モデル3への調音施工の実績も多数ある同店だけに、モデルYへの施工でどのように効果を発揮するのかは越野さん自身も興味津々だったようだ。
「モデルYが納車されて各部をチェックしてみたところ、モデル3ではフロントのサイドウインドーに採用されていたペアガラスがモデルYではリアにも採用されていました。またラゲッジの床パネル面にはリブによる補強を加えてあったり、フロアパネルは強度のある樹脂製になっているなど、いかにも静粛性が高くなったことを感じさせる作りになっているのが見て取れます」
今回モデルYに使用したのは調音施工専用に新開発されたBEWITH(ビーウィズ)社製ADVANS(アドバンス)調音シート。吸音層(ニトリルゴム発泡体)をベースに、高い遮音性を備えた遮音層(アルミ)と不要振動を抑え込む強力粘着仕様の制振層(ブチルゴム)を持つ3層構造のシートで高いノイズ低減効果を期待できる部材だ。用いたのは9mm厚の「AD-8CS」。フロントはインナーカバー、リアはフェンダー内のボディ側にアドバンス調音シートを貼り付けるスタイルで施工を実施した。
◆元々静粛性が高いモデルYにも効果はあるのか?
施工が完了して、まずはオーナーである越野さんの施工前/施工後の感覚の違いから語ってもらうことにした。
「ペアガラスの効果もあり元々静かな純正状態でしたが、施工後はまず細かなノイズ、特に高周波ノイズが抑えられた印象です。もっとも大きな違いを感じるのは道路の段差等から受ける突き上げ音が圧倒的抑えられたことで、快適性がかなりアップしました。ただし、後席に座るとトノカバーが無いこともあり、ラゲッジ方向からのノイズが気になります。ラゲッジのフロア回りの調音施工はこのクルマには効果がありそうだと感じました。今後の課題です」
モデルYは「ギガ・プレス」ダイキャスト・アンダーボディの剛性が高いこともあり、かなり硬い乗り味と言われている(モデルYの各種試乗インプレッションでも語られることが多いので見聞きした読者も多いだろう)。実際に乗ってみると剛性感の高さゆえの「突き上げ音」が嫌でも気になる。特に後席は更に顕著にその傾向が高い。
しかし調音施工を実施すると、足回りからのノイズや微振動を抑制した効果か、まるでサスペンションをワングレード上質なものに交換したかのようなフィーリングを味わえる。もちろん物理的にサスペンションを交換したわけではないので、あくまでも聴感上の変化が走行フィーリングにも影響し、そのように感じられるのだろう。
調音施工前は、道路の継ぎ目の「ゴツゴツ、ゴトゴト」という音が、施工後は「コッコッ、コトコト」と上質な乗り心地になったという感じだ。
サスペンションを替えたわけではないのに、突き上げ感が減って乗り心地がよくなったように感じるまさに「音」を調える施工と書いて「調音施工」。
気になるユーザーはフォーカル プラグ&プレイストアで相談してみると良いだろう。
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