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【ホンダ RR-R vs ヤマハ R1】スーパースポーツは「永遠の片想い」を楽しめる? バイク女子が惹かれた意外なポイントは

レスポンス / 2022年10月8日 12時0分

ホンダのトップエンドモデル『CBR1000RR-R』と、ヤマハの『YZF-R1』。日本が誇る2台のスーパースポーツマシンを、プロレーサーの丸山浩氏とMOTOR STATION TVの美音響華氏が比較試乗。ハードルが高いと思われた


スーパースポーツでも思ったより楽?


丸山浩(以下、丸山):都内から街中~高速道路を使って、ここ箱根の峠まで自走で来るという一般的なワインディングツーリングを想定したコースでテストしたんだけど、実際のところリッタースーパースポーツで走るとなると、公道ではポジションや激しすぎるパワーとか大変じゃなかった?


美音響華(以下、美音):たしかに最初は大丈夫かなと緊張してたんですよ~。でも、憧れの最高峰クラスに乗れるという期待の方が勝ってたかも。免許を取ったときから、とにかくいつかは乗ってみたいと憧れてましたから。ところが乗ってみたら、どちらも心配していたほど大変では無かったんですよ。愛車として250~600と乗り継いできた私としてはあまり抵抗感なく乗れてしまったのが驚きでした。跨って引き起こすときもメチャ軽って感じで大型ネイキッドのようなズッシリ感とは無縁でしたしね。


「上手いポジション」のR1に対し、意外と実戦向けなRR-R


丸山:それでも乗る前と乗った後では、それぞれの感想がちょっと変わっていたよね。


美音:ポジションで言うとシート高はRR-Rの830mmに対してR1は855mmと25mmも高いし、ハンドルもR1の方が幅狭で伏せると身体がキュッと小さくまとまる感じでサーキット寄りなのかなと感じていました。RR-RはABSについてもサーキット用と公道用モードが明確に用意されていたりするので、公道寄りなのかなと。でも実際にはR1の方がポジション的には楽でした。足着きもなんとかなりましたし。


丸山:RR-Rの方がハンドル低い上にガッと横に開いているから実戦向けなんだよね。その代わりツーリングで長時間乗っていると腕に疲れが溜まりやすくなってしまってるんだ。一方、今のR1は2015年モデルから改良を続けてきた成果をしっかり感じさせてくれる。上手いポジションを見つけていると感じるな。


同じ直4エンジンでも、キャラクターが全然違う


丸山:エンジンについても同じ直4なのに大分違ったよね。


美音:どっちも迫力あるサウンドなんですけど、RR-Rはいかにも直4らしく6000rpmから吠えるように豹変する感じ。8000~9000rpmくらいまで回したんですけど、減速時のグオーッという物凄い音は非日常の極みでたまりませんでした。スタイルも含めてとにかくスゴイのに乗っているって所有感を満足させてくれるのがRR-Rです。


一方、R1はクロスプレーンでアイドリングからバラバラ~っと音がバラけてるのが独特。回してみてもRR-Rはやっぱり直4らしいスムーズさなのに、R1はドコドコ感がどこまでも付いてくる感じで直4なのに2気筒みたいな雰囲気もあるのが不思議でしたね。R1はとにかくこのエンジンが気に入りました。気がつくとビブラートの効いたバイブレーション音の一番心地よい回転数に合わせることばかり考えてたんです。


あっ、もちろん、どちらもパワーはありすぎて使い切ることはできなかったですよ。それでもスゴいバイクに乗ってるという充実感や達成感は感じさせてくれるので、とにかく楽しいんです。


丸山:開けなくてもスゴイぞというのを感じさせてくれるのは、さすがフラッグシップというところなのかな。


美音:パワーモードを切り替えるときは自分の気持ちも入れ替えるような感じで、『さあ行くぞっ!』ってハリきっちゃいました。


最初から相手の全部が分かってしまうと、恋が冷めてしまうから


丸山:僕たちからするとパワーを使い切れないとつまらないかな、なんて思ったりもするんだけど、まったくそんなことは無いの?


美音:パワーの全部を引き出せないところが逆に『私のことをもっと見て!』といった感じで、それって恋愛でも一番楽しい時間じゃないですか(笑)。


丸山:最初から相手の全部が分かってしまうと恋が冷めてしまうもんね(笑)。


美音:そうそう!だから時間をかけて楽しんで自分のものにしていって…。でも、100%のパワーなんて絶対に引き出せそうにないから片思いを永遠に楽しめちゃうかも!


丸山:僕はこれまで200psオーバーまでスペックの上がったリッタースーパースポーツは、もうサーキットでしか楽しめない乗り物になったと感じ始めていて、特に女の子にはなかなか勧められるものではないなと思っていたんだけど、美音ちゃんにこんなに喜んでもらえるとは、すっかり見方が変わってしまったよ。


美音:今日は足着きを良くするために厚底ブーツを履いてきたんですけど、そうしたちょっとした工夫をするだけで女の子でもリッタースーパースポーツは十分乗ることができると思います。なんたって憧れの最高峰が楽しめるんですから、これ以上はないですよ!


美音響華|愛称:きょんちゃん
音楽大学卒業後、音楽の仕事の傍ら、バイクに出会い大型二輪免許を取得。MOTOR STATION TVのオーディションを経て2輪、4輪、モータースポーツに関する情報を伝えるニュースキャスターを主に、ツーリングやサーキットイベントでも活躍。これからも様々なチャレンジを目指す女子ライダー。身長は163cm。


丸山浩|プロレーサー、テストライダー・ドライバー
1988年から2輪専門誌のテスターとして活動する傍ら、国際A級ライダーとして全日本ロード、鈴鹿8耐などに参戦。97年より4輪レースシーンにもチャレンジ。スーパー耐久シリーズで優勝を収めるなど、現在でも2輪4輪レースに参戦し続けている。また同時にサーキット走行会やレースイベントをプロデュース。地上波で放送された「MOTOR STATION TV」の放送製作を皮切りに、ビデオ、DVD、BS放送、そして現在はYouTubeでコンテンツを制作、放映している。また自ら興したレースメンテナンス会社、株式会社WITH MEの現会長として、自社製品、販売車両のテストライド、ドライブを日々行っている。身長は168cm。

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