【ホンダ シビックe:HEV 新型試乗】燃費重視で牙を抜かれたんじゃないの?…岩貞るみこ
レスポンス / 2022年10月9日 20時0分
今回のワンポイント確認は、「ハイブリッドは燃費重視で走りはオリコウさん状態。シビックも牙を抜かれたんじゃないの?」である。
ハイブリッド車=走りはオリコウ?
ハイブリッド車(以下HV)に期待するものは、燃費である。ただでさえ車両本体価格が高くなるものをわざわざ選ぶのは、燃費をよくして日々のガソリン代を安くし、多少なりとも環境負荷を下げている満足感を得ようと思うからだ。エコノミー&エコロジー。
しかし同時に、走りはある種、オリコウになる。少なくとも昭和な私はそう感じている。野性味あふれるワイルドさに心惹かれる身としては、HVに乗るたびに、ああ、牙を抜かれちゃったなあと時代の流れに遠い目をせざるを得ない。
そしてシビック、HVを追加したけれどどうなのよ。ときどきホンダはびっくりするくらいホンダファンの期待とかけ離れたことをやらかして、そのたびに打ちのめされるのだが。
ストレスフリーな減速具合はまさに真骨頂
さあ、試乗である。もともとシビックが持つ低重心。それが、HVシステムを積むことでさらに重心が低く感じられ、安定感が増している。この安定感に連動するように重いのは、ハンドルだ。しっかりとしたちょっとだけ太めの握り心地。そしてパワステが重い。じっとりと、路面のざらつきを感じながら摩擦に抵抗するようにハンドルをきる感覚。なるほど、まさに路面との対話。いい感じに渋い。
高速道路に行くと、この感覚がさらに強く感じられるのだが、面白いのは車線維持支援システムをオンにしたときだ。オフのままだと、まっすぐ走るために小刻みにハンドルを操作するときも、じんわりと重いのだが、オンにするとすっと軽くなるのである。正直なところオフ状態ではハンドルが重く、長距離を走ると負担になってくる。なんたって女性は腕力も握力も弱いことだし。けれど、オンにしたときの軽さと手軽さといったら、だんぜん気持ちいいのである。この味付け、うまいなあ。
HVのよさのひとつに加速のよさが挙げられるが、特に、ACC(アダプティブ・クルーズコントロール=前方との車間を維持しつつ一定速度で走る)で走行中、前方の遅い車両がいなくなったときに、自車の設定速度まで車速を上げる加速感が気持ちいい。抜け目なくすいっと反応していくので、ACCを積極的に使おうという気にさせてくれる。
今回、私的には、ハンドルわきにあるパドルシフトでシフトダウンしたときが一番、ツボにはまった。電気式無段変速機ゆえに、エンジンブレーキをかけるようにシフトダウンさせると、音もなくぐっとブレーキがかかるように速度が下がる。エンジン車の場合、シフトダウンさせるとエンジン回転数が上がり、エンジン音がギャンと上がるのがちょっと怖いしストレスだという女性は多いが、HVのこのストレスフリーな減速具合はまさに真骨頂というところだろう。
今回は、渋滞3:高速6:郊外1という割合で走って、インパネに表示された燃費は約22km/リットル。やはり燃費もよかった。
牙を抜かれていないどころか、牙を上手に使いこなしていた
結論。今回のワンポイント確認「ハイブリッドは、燃費重視で走りはオリコウさん状態。シビックも牙を抜かれたんじゃないの?」は、牙を抜かれていないどころか、牙を上手に使いこなしたスポーツマインドあふれるクルマだった。敢えてここは、シビックではなくCIVICと書こう。21世紀の今、世界戦略に堂々と打って出られる、めっちゃ走りのクルマだった。
追伸:ケチをつけるとしたら、シートの背もたれが猫背仕様になっていて背中が丸まってつらいことと、荷室は床が広くていいのだけれど、奥の後席ふきんがもっこりふくらんでいるので、角ばったクーラーボックスなどが入れにくいこと。一応、ご報告申し上げます。
■5つ星評価
パッケージング:★★★
インテリア/居住性:★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★★
岩貞るみこ|モータージャーナリスト/作家
イタリア在住経験があり、グローバルなユーザー視点から行政に対し積極的に発言を行っている。レスポンスでは、女性ユーザーの本音で語るインプレを執筆するほか、コラム『岩貞るみこの人道車医』を連載中。著書に「ハチ公物語」「しっぽをなくしたイルカ」「命をつなげ!ドクターヘリ」ほか多数。最新刊は「法律がわかる!桃太郎こども裁判」(すべて講談社)。
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