『CX-5』オーナーが『CX-60』に乗り換えた理由、最後の決め手となったのは?
レスポンス / 2022年10月12日 20時15分
マツダのラージ商品群第一弾として登場した新型SUV『CX-60』。6気筒エンジンの搭載や、後輪駆動(FR)の採用など、マツダの高級シフトをイメージづけるモデルとして話題となっている。そんなCX-60に、現『CX-5』オーナーであるモータージャーナリストの工藤貴宏氏が乗り換えを決めたという。その理由とは何だったのか、決め手となったのは?
動力性能と燃費だけでディーゼルを選んでもいい
4年乗ったマツダ『CX-5』を下取りに出して、『CX-60』へ乗り換えることにした。その理由はまず第一に、CX-5でディーゼルエンジンの魅力にハマったからに他ならない。
ディーゼルエンジンの長所といえば、低回転トルクが太いこと、そして燃費がいいことだ。CX-5ではじめてディーゼル車を愛車にしてみて、そのメリットは十分に伝わってきた。アクセルをちょっと踏むだけでググッと前へ出るか加速により運転は楽だし、燃費は走行環境としては非常に厳しい市街地のチョイ乗り中心でも12km/リットルくらい走り、高速道路を淡々と走れば20km/リットルを超える。そして燃料はレギュラーガソリンよりも単価の安い軽油だ。
確かに、ディーゼル車の車両価格はガソリン車よりも高い。しかし購入時の次世代エネルギー車補助金に加えて減税や免税(以前は購入翌年の自動車税や初回車検時の重量税が免税となった)、ガソリン車よりも高いリセールバリュー、そして給油のたびに実感できるお得感まで考えれば、燃料代の差額で元は取れないかもしれないが満足度は高い。CX-5購入時の60回残価設定ローン試算ではディーゼル車だとガソリンエンジンの同グレードに対して月々3000円ほど支払額が多かったが、その差額以上のメリットを感じている。
乗り換えるCX-60に関しては制度の変更により免税のメリットは減ってしまったが、今はコスパ抜きに純粋に動力性能と燃費だけでディーゼルを選んでもいいと思っている。
ちなみに、ネガティブに語られることの多い「煤(すす)問題」は、筆者の車両は全く無縁だった。筆者の所有するCX-5ではエンジンに改良が施された世代ということもあり、ディーゼルエンジンによくないと言われる街乗り中心の利用(妻が日常的に使うこともあり走行の8割は単距離の街乗り)でもまったくトラブルはなかったことは、記しておこう。
今はあえて「モーターなしを楽しむ」
なんだかディーゼルエンジンの良さを伝える記事みたいになってきたが、CX-5を通じてディーゼルエンジンの虜になった筆者が「新開発の6気筒ディーゼルを所有してみたい」と思うのは当然の成りゆき。だから、新開発のディーゼルエンジンを積んだCX-60を買うことにしたのだ。
CX-60のディーゼルには純粋なディーゼルエンジンとモーターを組み合わせたマイルドハイブリッドがあるけれど、選んだのは前者。なぜなら「モーター付きはこの先いくらでも所有する機会はある。でも、純粋な6気筒エンジンは今じゃないと味わえないかもしれない」という考えから。性能的にも、おそらくドライバビリティもモーター付きのほうがいいだろう。しかし、ここはあえて「モーターなしを楽しむ」という気持ちだ。
それにしても、CX-60のコストパフォーマンスは高い。600万円に迫る高価格仕様もあるが、一方でベーシックグレードを見ればDセグメントプラスの車格で6気筒エンジンを搭載するSUVが300万円台で買えるなんて信じられない。欧州車なら間違いなくその倍付け以上のプライスタグだ。
しかし実は、CX-60を買おうと決断した最大の理由は、CX-5の定期点検ついでに冷やかしでもらった見積書の毎月のローン支払い額にあることはここだけの内緒の話だ。ビックリするほど控えめだったのだ。そのカラクリは、中古車市場高騰の影響によりCX-5の下取り価格が想像以上に高かったからである。最後はそこに背中を押されたのだ。
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