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「補助金」は「ガソリン価格」を最大41.9円抑制!?【カーライフ 社会・経済学】

レスポンス / 2022年10月14日 15時0分

カーライフに直接リンクする「社会・経済」情報をランダムに配信している当コーナー。今回から数回にわたっては、「ガソリン価格」にまつわる“雑学講座”をお届けしていく。まずは「燃料油価格激変緩和補助金」の意義と効果を検証する。


さて、ご存知のとおりガソリン価格が高騰して久しい。まずは、その値上がりの推移を簡単に振り返ってみよう。コロナ禍が始まった2020年5月に、ガソリン価格は一旦下落した。そのときには、1リットルあたり120円台半ばまで下降した(資源エネルギー庁が週に1度発表している「給油所小売価格調査」の全国平均データ<税込>より。以下同様)。しかし、それ以降は値上がり傾向が継続してきた。2021年の10月には160円台に乗り、今年の1月24日にはついに170円を突破した。


ちなみに、このガソリン価格上昇の背景にあるのは産油国の減産だ。今後の需要の縮小もにらみ、稼げるときに稼いでおこうという思惑が働いているとも指摘されている。


で、このようなガソリン価格上昇への対策としてひねり出されたのがこの「燃料油価格激変緩和補助金」だ。ガソリンの小売価格(全国平均)が1リットルあたり170円を超えたときに、その超えた分を石油元売り各社へ「補助金」として供出し、ガソリン価格が170円を超えないようにする、というのがこの施策の概要だ。今年の1月27日に初めて発動されている。


ちなみに、当施策が実施された当初、これを行うよりも凍結されている「トリガー条項」を発動させるべきという声も上がった。「トリガー条項」とは、あらかじめ決められた一定条件を満たした際に発動される条項の総称だが、ガソリン価格においてのそれが2010年度税制改正時に制定されていた。もしもガソリンの1リットルあたりの全国平均価格が160円を超えその状態が3か月続いたら、ガソリン税のうちの25.1円の上乗せ分を停止するという内容となっている。


昨年末にまさしくその状況が現出したわけだが、この「トリガー条項」は2011年に、旧民主党政権により被災地の復興財源を確保すべく凍結されている(当時野党だった自民党は、廃止を主張)。


しかし政府は今回、その凍結解除は選択せず「補助金」を選んだ。その理由いくつかある。例えば、凍結解除には法改正が必要で実施に時間がかかるから、さらには凍結の解除では灯油や重油や航空機燃料には影響が及ばないから等が取り沙汰された。


なお当初補助金は、1リットルあたり5円が上限とされていたが、ウクライナ危機もありこの部分は大きく見直され、3月10日からは25円に、4月28日からは35円に引き上げられ、さらにそれでもガソリン平均価格が1リットル170円を超過したらその分の2分の1を支援することも発表されていた。


かくして、当施策はガソリン価格の上昇を抑制し続けてきた。3月14日には175.2円まで上がったものの、それをピークとして170円前後から175円未満の中での推移を続けている。ちなみに資源エネルギー庁が公開しているデータによると、6月20日には補助がなかったら215.8円まで上昇していたとのことだ。その日においては実に41.9円の抑制に成功していた。


さて、今後はどうなるのか。その見通しも含めて次回にはその他のポイントについて解説していく。お楽しみに。

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