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プジョー初の量産燃料電池車、航続400km…パリモーターショー2022出展へ

レスポンス / 2022年10月16日 14時30分

プジョーは10月11日、ブランド初の量産燃料電池車『eエキスパート・ハイドロジェン』(Peugeot e-Expert Hydrogen)を10月17日、フランスで開幕するパリモーターショー2022に出展すると発表した。会場周辺を30分試乗できる機会が設けられるという。


◆ベース車両のエキスパートはトヨタ向けにもOEM供給


eエキスパート・ハイドロジェンのベース車両は、プジョーの主力商用車のひとつ、『エキスパート』のEV、『eエキスパート』だ。プジョー・エキスパートは、兄弟車のシトロエン『ジャンピー』とともに、ステランティスのフランス・バランシエンヌ工場で生産されている。


また、プジョー・エキスパートは、2013年の半ばから、トヨタ向けに『プロエース』として、OEM供給されている。プロエースは前後にトヨタのエンブレムが装着されるほか、フロントバンパーやグリル、ヘッドライトのデザインも、プジョー・エキスパートとは異なる。プロエースには、EVの『プロエース・エレクトリック』も用意されている。


eエキスパート・ハイドロジェンによって、プジョーは内燃エンジン搭載車とEVに加えて、コンパクトユーティリティバンセグメントに量産燃料電池車をラインナップする最初の自動車メーカーのひとつになったという。


◆全長は標準ボディが4959mmでロングボディが5306mm


eエキスパート・ハイドロジェンには、内燃エンジン搭載のエキスパートやEVのeエキスパートと同じく、標準ボディとロングボディの2種類が用意される。


全長は標準ボディが4959mm、ロングボディが5306mm。ホイールベースは、どちらも3275mmとした。荷室の容量は標準ボディが5.3立法m 、ロングボディが6.1立法m。最大積載量は、標準ボディが1100kg、ロングボディが1000kgだ。


eエキスパート・ハイドロジェンは、フランスのバレンシエンヌ工場で生産されたeエキスパートを、ドイツ・リュッセルスハイムの水素技術専用コンピテンスセンターに輸送し、燃料電池車に仕立てる。


◆モーターは最大出力136hp


ベース車両のeエキスパートには、最大出力136hp、最大トルク26.5kgmを発生するモーターを搭載する。最高速は、リミッターによって130km/hに制限される。


バッテリーはリチウムイオンで、車両の床下にレイアウトされた。これにより、室内と積載スペースは内燃エンジン搭載車と同等とした。バッテリーの蓄電容量は50kWhと75kWhの2種類。1回の充電での航続は、50kWhバッテリー搭載車が230km、75kWhバッテリー搭載車が330km(いずれもWLTPサイクル)となる。


eエキスパート・ハイドロジェンにも、ベース車両のeエキスパートと同様のパワートレインを採用する。モーターは最大出力136hp、最大トルク26.5kgmを引き出し、最高速130km/h(リミッター作動)の性能を発揮する。


◆水素の充填は約3分


eエキスパート・ハイドロジェンには、「ミッドパワープラグイン水素燃料電池システム」を搭載する。バッテリーの蓄電容量は10.5kWh。燃料電池システムの出力は45kW。700バールの高圧水素タンクの容量は、4.4kgとした。動力性能は0~100km/h加速が15秒。水素満タン状態での航続は、最大400km(WLTPサイクル)に到達する。水素の充填は、およそ3分で済むという。


「スタックパックM」と呼ばれる水素システムは、ミシュランとフォルシアの合弁会社、シンビオ (Symbio)が手がけた。このスタックパックMをプジョー向けにカスタマイズし、プジョーの要求に対応することに成功したという。水素タンクは、フォルシアが開発している。

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