「ガソリン価格」は今後どうなる? 注目すべきは「補助金施策」の行方と「WTI原油先物価格」の動向!【カーライフ 社会・経済学】
レスポンス / 2022年10月21日 6時30分
カーライフに直結する「社会・経済」情報を横断的に発信している当コーナー。前回は「ガソリン価格」の抑制を目的とする「補助金施策」の内容と成果を検証した。それに続いて今回は、今後の見通しについての独自リポートをお届けする。
さて、前回の記事にてお伝えしたとおり、「ガソリン価格」の抑制を目的として発動された「燃料油価格激変緩和補助金」(石油元売り各社へ補助金を出し、ガソリン価格が170円、現在は168円程度を超えないようにしようとするもの)は、一定の成果を上げている。資源エネルギー庁では週に1度、「給油所小売価格調査」の結果を公表しているが(毎週月曜に調査し水曜に発表)、それによると「ガソリン価格」の全国平均は、1月27日に「補助金施策」が発動された以降3月14日の175.2円をピークとして、それ以下での推移が継続中だ。
そして最新の情報を見ると、10月17日の「ガソリン価格」は169.1円で、この日に抑制できた金額は37.5円とのことだ。
で、問題は今後だ。ちなみに「ガソリン価格」は、「WTI原油先物価格」の推移を見ていると大方の予測を立てられる。ちなみに「WTI」とは、「West Texas Intermediate」の略で、米国南部のテキサス州とニューメキシコ州を中心に産出される高品質な原油のことを指し、このニューヨーク商業取引所での「先物価格」は、原油価格の代表的な指標の1つとなっている。取引量と市場参加者が圧倒的に多いがゆえだ。
かくして日本の「ガソリン価格」は、「WTI原油先物価格」の値動きと概ね連動する。大体2週間からひと月遅れで「ガソリン価格」も同じように上下する。
実際「WTI原油先物価格」は昨年末から年初にかけて1バレルあたり60ドルの大台を超えた。それにリンクして、1月下旬に「ガソリン価格」は170円の大台に乗る。そして以後も「WTI原油先物価格」は値上がりを続け、3月には一時110ドル台に突入する局面も見られた。結果、「補助金」も上限の見直しを迫られた。
ちなみにこの半年の「WTI原油先物価格」の動きを見ると、もっとも高値をつけたのは6月10日前後で、再び1バレルあたり110円台に乗っている。つまりこのレベル以下に収まっていれば、「補助金施策」が発動している間なら、「ガソリン価格」はここ半年間の水準に収まると予測できる(円安の状況にもよるが…)。
逆に170円よりも安くなるには、「WTI原油先物価格」が少なくとも昨年末の水準以下までに下がる必要がある。しかしそれは今のところ、望み薄だ。9月下旬に一時70ドル台まで下がったものの、その後また上昇に転じ、この記事を書いている10月20日時点では80ドル台で推移している。
ところで「補助金施策」は現状12月末までとされているが、これが再度延長されるかどうかは今のところ見通せていない。なお、もしも「補助金施策」が終了し「WTI原油先物価格」が90ドルに迫るような場合には、「ガソリン価格」は200円を突破することも有り得てくる。果たして…。
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