タイヤ選び合ってる? 新ジャンル『スポーツラジアル』ってなに?~カスタムHOW TO~
レスポンス / 2022年10月25日 6時30分
スポーツラジアルタイヤはここ10年でもっとも進化し、その栄枯盛衰も激しいカテゴリー。どんな用途にはどんなスポーツタイヤを履けば楽しめるのか、最新カテゴリー分けを解説。
◆昔はラジアルとSタイヤだった
スポーツタイヤといえば、10年ほど前までは大きく分けて2つのカテゴリーに分かれていた。それがスポーツラジアルタイヤとSタイヤだ。スポーツラジアルタイヤはその名の通り、普通のタイヤでグリップの高さが特徴。普段乗りから使えて、そこそこグリップも高い。当時で言えばPOTENZA RE-01Rとか、ADVAN Neova AD07などがそのカテゴリー。さらにグリップを追求したSタイヤというものもある。ADVAN A048などがそれに当たるもので、現在でもADVAN A050が販売されている。
SタイヤのSはセミレーシングの頭文字だとか諸説あるが、とにかくグリップに特化したタイヤ。溝も最小限しか存在しないが、一応公道走行可能なので普段から履くこともできる。履いてもうるさいし、燃費も悪い、本格的な雨では滑りやすくあまり良いことはないが、サーキット走行会の日だけ家から履いていくということは可能。レースなどで使われるスリックタイヤは公道走行は禁止。家から履いていけるだけSタイヤは使い勝手が良いのだ。多くの人は現地で履き替えているが、ロードスターやS2000、フェアレディZなどそれが叶わない人もいて、そういった人には公道走行可能というのは魅力でもある。
そして、長らく主にこの2カテゴリーのタイヤが存在していたが、その間とも言えるタイヤが生まれて、その構図が大きく変わってきたのだ。
◆レーシングラジアルなのか、中間カテゴリーの誕生
近年、そのラジアルとSタイヤの中間的な存在のタイヤが増えている。呼び名はいくつかあるが、レーシングラジアルと呼ばれるカテゴリーだ。代表的なものがADVAN A052やPOTENZA RE-12Dといったモデル。新品時のグリップ力はひと世代前のSタイヤに匹敵するほど。それほどのグリップを持ちながら、耐摩耗性はそこそこあり、サーキット走行会なら1回あたり20分×2回くらいなら5~6回は使えるイメージ。大排気量大パワー車ではそうもいかないが、Sタイヤよりは長持ち。
もちろん公道走行も可能。普段乗りはSタイヤよりは遥かに快適。ステアリングインフォメーションを重視しているので、普通のラジアルタイヤよりも溝がもともと浅い。なので、荒天時の走行には不向きだが、そういった場面さえ気をつければ、普通に雨でも晴れでも使えるし、高速道路を走ってもそれほどうるさくはない。そのへんを走って減ってしまうほどでもない。
この中間的なカテゴリーが生まれたことでややこしくなっているのも事実。正直スポーツラジアルほどの耐摩耗性はない。普段乗りから何万キロも使えるほどではないのだ。しかし、サーキット数回でツルツルになってしまうほどのSタイヤのような減り方でもない。Sタイヤには勝てないが、スポーツラジアルには圧倒的なアドバンテージを持つのだ。
◆では、どんな使い方でどれを選べばいい!?
サーキットで究極のタイムを求めるならSタイヤの一択だ。スリックタイヤは一般に購入するには扱いも少なく、サイズも特殊なので結構ハードルが高い。また、スーパー耐久シリーズで使われているような耐久レース向けスリックタイヤだと、意外と対してグリップが高くない場合もある。総合的にはSタイヤを選ぶのがベストなチョイスだろう。走行会を楽しむなら、オススメはスポーツラジアルだ。DIREZZA ZlllやPOTENZA RE-71RS、ADVAN NEOVA AD09などのタイヤのこと。このカテゴリーなら普段から履きっぱなしで、ときどきサーキットを楽しむのにピッタリ。筆者の使い方で言えば、スイフトスポーツ(ZC32S)で年間サーキットを10回走行+普段乗り2万キロほど使うことができた。
普段乗りはあまりせず、サーキットでのタイムを求めたい。サーキットメインだけど、普段も少し乗るというならレーシングラジアルカテゴリーがオススメ。スポーツラジアルだと減らなすぎて、何年も使うことになり、その間に徐々に硬化してしまうこともある。ならばいっそのこと、そこそこ減るレーシングラジアルで存分にサーキットを楽しむのがオススメだ。
もっと普段乗りをメインにするならPOTENZA Adrenalin RE004などもある。これはもっとストリート向けのラジアルでグリップはスポーツラジアルよりも低いが普段乗りは快適。サーキットでもそこそこグリップしつつ、持ちが良いのでたっぷり練習できる。スキルアップ向けのタイヤなのだ。
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