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究極的な「マルチアンプ接続」とは?[外部パワーアンプ・ワールド]

レスポンス / 2022年10月30日 6時30分

カーオーディオ愛好家の多くは、「外部パワーアンプ」を敢えて使っている。当特集では、そうである理由からこの活用法までを多角的に解説してきた。今回はその最終回として、スペシャルな運用法を紹介していく。


◆特別な運用法とは、「モノラルパワーアンプ」にて実行する「マルチアンプ接続」!


前回は「外部パワーアンプ」による「マルチアンプ接続」の実際について解説したが、実はそこでは触れていなかった究極的な「マルチアンプ接続」がある。今回はこれについて説明していく。


結論から入ろう。それは、「モノラルパワーアンプ」にて行う「マルチアンプ接続」だ。


さて、まずは「マルチアンプ接続」とは何なのかを簡単におさらいしておこう。これはつまり、スピーカーユニットの1つ1つに「パワーアンプ」の1chずつの出力をあてがうという接続方法のことを指す。例えばフロントスピーカーがセパレート2ウェイの場合、フロントスピーカーは左右のツイーターと左右のミッドウーファーの計4つで構成されるが、「マルチアンプ接続」ではそれぞれを「パワーアンプ」の1chずつで鳴らすこととなる。なのでこの場合「パワーアンプ」は、4ch分の出力が必要となる。


なお、これを実行することで得られる利点は2つある。まず1つ目は、「スピーカーをトルクフルに駆動できること」だ。各スピーカーに「パワーアンプ」の1chずつをあてがうという豪勢な接続方法であるがゆえに、1chの出力でツイーターとミッドウーファーの両方を鳴らす場合と比べて余裕を持ってスピーカーを動かせる。


◆「マルチアンプ接続」を「モノラルパワーアンプ」にて行うことで得られる利点とは…


そしてもう1つの利点は、「詳細なサウンドコントロールを行えること」だ。「マルチアンプ接続」を行う場合には、「パワーアンプ」の前段に音楽信号の帯域分割を行うためのメカである「プロセッサー」が置かれることとなるが、これにより、分割された各信号に対して個別にサウンドチューニング機能を運用できるようになる。結果、よりきめ細やかなサウンド補正をかけられる。


で、「マルチアンプ接続」を実行するにあたり、「パワーアンプの1chずつを別体化させる」というやり方も存在している。それが「モノラルパワーアンプで行うマルチアンプ接続」だ。つまり例に上げたフロント2ウェイの場合には、「モノラルパワーアンプ」を4台用意され、これにて「マルチアンプ接続」が実行されることとなる。


かくしてこのようなやり方を実行すると、以下のような利点が得られる。利点とはズバリ、「chセパレーションが向上すること」だ。各chの回路が別々になるので、ch間での信号の干渉が起きにくくなる。ゆえに、S/Nが向上し解像度も高まる。干渉によるノイズの影響が減るからだ。


◆「モノラルパワーアンプ」にて行う「マルチアンプ接続」は難易度が高い!?


なので、音にこだわる愛好家に向けて高性能な「モノラルパワーアンプ」を開発・販売しているメーカーは少なくない。


ただし「モノラルパワーアンプ」にて行う「マルチアンプ接続」は、運用の難易度が上がる。まず、各「パワーアンプ」のゲイン設定をより厳密に行う必要性が生じる。つまり、扱いが難しくなるのだ。


そしてコストもかかりがちだ。そもそもフルレンジの「モノラルパワーアンプ」は高級品である場合が多く、また電源配線も個別に行わなければならずインストールの手間も増える。


しかし、それらハードルを乗り越えられると利点が活きてくる。


ところで、国産ハイエンドブランドである「ビーウィズ」は、長きわたってこの方法を推奨してきた。ゆえに同社は早くから、「モノラルパワーアンプ」を開発・販売してきた。そしてさらには、プロセッサーについても左右のchで別体化させたモデルと各chごとで別体化させたモデルも用意している。これらを使うと、信号制御の段階からchセパレーションを高められる。なおそのようなプロセッサーを用意しているのは「ビーウィズ」をおいて他にはない。超スペシャルな「マルチアンプ接続」に興味があれば、「ビーウィズ」のプロセッサーにもご注目を。


さて、「外部パワーアンプ」にてシステムを組む場合には、「モノラルパワーアンプ」にて「マルチアンプ接続」を行うという方法もある。音にこだわろうとするときは、このやり方があることも思い出すベシ。

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