新連載[低音強化・実践レクチャー]低音を増強すると楽しくなるのはなぜ?
レスポンス / 2022年10月31日 6時30分
カーオーディオでは低音再生のためのスペシャルスピーカー、「サブウーファー」が大活躍する。今回からスタートする当特集では、「低音強化」を行うと楽しくなるその理由から実践法までを、多彩に紹介していく。
◆「低音強化」は実は、クラシック音楽の再現性アップにも効く!?
今回は、「低音強化」を行うことの意義を説明していく。早速本題に入ろう。「低音強化」をすることで得られる利点は主には3つある。
まずは興味深い話から紹介したい。「低音強化」と聞くとビートの効いた音楽で効果が大きいと思われがちだが、それは事実ながらも実は、クラシック音楽でも聴こえ方がガラリと変わる。
どう変わるのかというと、「余韻が豊かに響くようになる」のだ。クラシック音楽は、ホールでのコンサートの模様が録音されて音源化されることが多いが、ホールでの生演奏を録音するときには当然ながら、ホールの中での残響音も録音される。
で、この残響音の成分は主には超低音だ。というのもホールでの残響音は、周波数の高い音ほど早く減衰する。なので響きとして最後まで残るのは超低音なのだ。
そしてその超低音は、ドアに装着したスピーカーでは十分に、そしてスムーズに再生できない。なので「サブウーファー」を導入していないシステムでクラシック音楽を聴くと、コンサート会場で聴いているかのような臨場感が乏しくなる。
![](https://response.jp/imgs/zoom1/1813604.jpg)
◆「サブウーファー」を導入すると、演奏のリアリティがぐっと向上!
しかし「サブウーファー」を追加して超低音がしっかり再生されるようになると、残響音が豊かに聴こえ、リアリティが一気に上がり質感も向上する。このように「サブウーファー」は、クラシック音楽好きにとっても魅力的なアイテムとなっている。
そしてもちろん、ビートの効いた音楽の再生においても「サブウーファー」は良い効果をもたらす。というのも「サブウーファー」にて再生されるバスドラムの音やベースの音は、ビートが効いた音楽ではとても重要な役割を担う。これらがパワフルかつレスポンス良く再現されると、ノリが良くなりついつい体を揺らしたくなる。つまり、楽曲の世界により深く没入できるようになるのだ。
そしてさらには、中音や高音の音色も豊かになる。そうであるメカニズムは以下のとおりだ。
音は、音程を決定づける成分である「基音」と音色を決定づける成分である「倍音」とでできている。例えばギターのチューニングで使われる「ラ」の音は周波数でいうと440Hzだが、その音をボロンと弾いたとき、440Hzの「基音とその周波数に対して整数倍の「倍音」(440Hzの2倍の880Hzの「倍音」、3倍の1.32kHzの「倍音」etc.)とが重なり合って、そのギターならではの音色を響かせる。
![](https://response.jp/imgs/zoom1/1813602.jpg)
◆「サブウーファー」の導入により、中音・高音も豊かに響く理由とは…
で、「サブウーファー」を導入して超低音がしっかり鳴るようになると、「倍音」がより豊かに響くようになる。土台がしっかりすることで「倍音」が乗りやすくなるからだ。もちろん、「基音」自体がある程度高い音階の音は「サブウーファー」にて再生されるわけではないのだが、しかし不思議とそういった中音や高音の響き方も変わってくる。この点は、「カーオーディオ・プロショップ」にてデモ機やデモカーで体験してほしい。聴けば分かる。
ところで、コンピューターや電子楽器でリズムトラックや伴奏が作られたいわゆる「打ち込み」系の音楽では、「サブウーファー」の効果が表れにくい場合がある。というのも電子楽器は録音機材に直で繋がれて録音されることが多く、そうであると録音データに部屋の響きが付加されない。ゆえに「サブウーファー」を導入しても響き方はあまり変わらない。なので「打ち込み」系の音楽をメインで楽しんでいる場合には、「低音強化」以外のことを実行した方が音の変化幅が大きくなることもある。
さて、今回は以上だ。次回も「低音強化」が必要な理由を解説していく。お楽しみに。
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