【ジープ グランドチェロキー 新型試乗】存在感薄い?2列シート版グラチェロの○と×…九島辰也
レスポンス / 2022年11月12日 12時0分
ひっそりと登場した「L」じゃないグラチェロ
![](https://response.jp/imgs/zoom1/1817933.jpg)
新型『グランドチェロキー』のスタンダードボディが登場したのをご存知だろうか。先にロングホイールベースの『グランドチェロキーL』(3列シートモデル)がリリースされているので、あまりニュースになっていない気がする。とはいえ、ジープブランドの主軸であることは間違いないし、ラージサイズSUVの中では売れ筋モデルとなる。
とはいえ、すでに同じ顔がカタログに載っているので新鮮さはあまりない。『ラングラー』系とは別の路線をいく、アーバンジープを代表する“顔”だ。よって、日本では『チェロキー』の後継となる『コマンダー』とアメリカで売られるトップエンドの『ワゴニア』と類似する。次世代ジープの特徴のひとつだ。
インテリアもそう。当然のことグランドチェロキーLと同じ。ただ、コマンダーと比べると高級感がありプレミアムSUVであることは一目瞭然。ウッドパネルの使い方は上品で、センスの良さが際立つ。きっとこの辺は同グループのヨーロピアンテイストが取り入れられた結果であろう。
![](https://response.jp/imgs/zoom1/1817930.jpg)
乗り心地はラグジュアリーSUV
では走らせた印象だが、グランドチェロキーLもそうだったが、ボディ剛性が高くカッチリしているのを感じる。大きなボディだが緩さはない。ステアリング操作に対する追従性は期待以上と言った感想だ。それに足を硬めすぎないのも好印象。ピッチングはしっかり抑えられ、乗り心地はラグジュアリーSUVに値する。特に高速道路ではフワフワせずに路面を捉えながらキャビンをフラットに保っていた。
と乗り味は高評価なのだが、エンジンに関しては少し違和感があった。2リットル直4ターボは踏み込めば速く走るが、そこまでの間にラグを感じたからだ。このサイズでこのエンジンは少しばかりバランスが良くないかもしれない。もう少し低速でトルクが前面に押し出された方が車格とのマッチングがいい気がする。
![](https://response.jp/imgs/zoom1/1817931.jpg)
それを鑑みると、このクルマの真骨頂は後で追加される「4xe」かもしれない。こちらは同じ2リットルエンジンを使いながらモーターでの走りをプラスするプラグインハイブリッド車。時としてモーターがエンジンをアシストすることで、より力強い走りを提供してくれるはずだ。当然バッテリーを積むので車両重量はかさむが、それを補うパワーを感じると予想される。ただし、デリバリーは来春まで待たなくてはならないが。
新型が欲しいなら「4xe」まで待つべき?
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というのが、今回のファーストインプレッション。以前乗ったグランドチェロキーLとはちょっと印象が異なった。あちらは3.6リットルV6を搭載していて、パワーソースとのマッチングはそれなりにいい印象だった。V6の最高出力は2リットル直4ユニットとあまり変わらず、トルクに関しては逆転されているが、やはりそもそもの特性が違うのであろう。なかなか言葉では伝えづらいが、ドライブフィーリングは明らかに別物だ。
グランドチェロキーLはともかく、プラグインハイブリッドよりも一足早く日本上陸したグランドチェロキーのガソリンエンジン車は、そんな印象だった。なので新型グランドチェロキーの購入を考えている方はプラグインハイブリッドを待ってみるといいだろう。両者の走りは想像以上に違うことが予想される。もちろん、価格もだけどね。
■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★
フットワーク:★★★
オススメ度:★★★★
九島辰也|モータージャーナリスト
外資系広告会社から転身、自動車雑誌業界へ。「Car EX(世界文化社 刊)」副編集長、「アメリカンSUV(エイ出版社 刊)」編集長などを経験しフリーランスへ。その後メンズ誌「LEON(主婦と生活社 刊)」副編集長なども経験する。現在はモータージャーナリスト活動を中心に、ファッション、旅、サーフィンといった分野のコラムなどを執筆。また、クリエイティブプロデューサーとしても様々な商品にも関わっている。趣味はサーフィンとゴルフの“サーフ&ターフ”。東京・自由が丘出身。
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