2022年の「歴史遺産車」は、トヨタ プリウス など5台…日本自動車殿堂歴史遺産車表彰式
レスポンス / 2022年11月17日 10時15分
日本自動車殿堂は、2022日本自動車殿堂歴史遺産車として、『筑波号』、日産『フェアレディZ』、スズキ『GSX1100Sカタナ』及び『GSX750S』、そしてトヨタ『プリウス』を登録し表彰した。
歴史遺産車とは日本自動車産業、そして自動車交通及び自動車文化の発展に貢献した歴史に残すべき自動車であり、また主にコンセプト、技術、スタイル、バリューフォーマネー等に優れた乗用車全般に加え、二輪者、三輪車、商用車、競技用車、特殊用途自動車などを対象としたものだ。
◆筑波号:1934年に国産車では初めての前輪駆動車として発表
筑波号は我が国最初の前輪駆小型乗用車として130台が製造された。前輪駆動車は、世界の乗用車の主流であり、筑波号はその先駆けとして日本の自動車工業が世界に羽ばたく先鞭となったことから歴史的名車であると認定された。
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現在このクルマを展示すべく、準備を進めているザ・ヒロサワ・シティアドバイザーの野口稔夫氏は、このザ・ヒロサワ・シティについて、「茨城県筑西市という場所にあり、100万平米の土地の中にゴルフ場はじめ、様々な施設がある。筑西市とは筑波山の西側と書いて筑西市というが、この筑波号にぴったりの場所。筑波号のマークも筑波山を描いたものだ」と述べる。
現在この施設内に“夢の間”というエリアを作っており、「航空機のYS11や南極大陸で活躍したヘリコプター、シコルスキーS58といったものを展示。同時にクラシックカーやクラシックバイクをはじめ消防自動車などを含め22台がレストアを待っている状態」だという。来年にはオープン予定で進んでおり、「ザ・ヒロサワ・シティは自然、健康、文化をテーマに進めているが、この筑波号も文化の花の一輪としてザ・ヒロサワ・シティの中で咲かせていきたい」とコメントしていた。
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◆日産フェアレディZ、ダットサン240Z(米名):国内外で高く評価されたスポーツカー
米国市場が求めるスポーツカーとして登場。国内外で高く評価され、モータースポーツでも活躍した。約9年間で世界販売52万台を記録した歴史的名車であることが選定理由とされた。
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日産グローバルエクスターナル広報部の大塚和明氏は、「1969年に誕生したフェアレディZは、その前身となる、ダットサンフェアレディと同じく、時代の先を行く美しいスタイリングと、スポーツカーだけが持つ真の操る喜び。そして従来のスポーツカーが用いなかった実用性を手ごろな価格で適用した画期的な商品だった」と振り返る。そして、「初代のZは、それまでのダットサンフェアレディ、ダットサン『スポーツ』のオーナー総数の約10倍以上に相当する52万人のお客様を魅了し、文字通りみんなのスポーツカーになった」とその実績をアピール。また、「Zの歴史は他がやらぬことをやるという日産のDNAの歩みそのもの。累計180万人以上のお客様にご愛顧いただいたZだが、昨年新モデルとして生まれ変わった。より多くのお客様を魅了しながら今後もより愛されていく存在になると確信している」と述べた。
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◆スズキGSX1100SカタナとGSX750S:スズキブランドの確立に貢献
日本刀をイメージしてデザインされたスズキGSX1100Sカタナ及びGSX750Sは、欧州市場を始め日本でも高く評価され、スズキブランドの確立とシェアを拡大に貢献した。世界の二輪車市場で新しいジャンルを切り開いたことが歴史遺産車の認定理由となった。
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スズキ二輪事業本部本部長常務役員の伊藤正義氏は、「(GSX1100Sカタナ)は、1980年のドイツのケルンショーに出品し、1981年に輸出を開始。日本刀をモチーフとした斬新なデザインで注目を集めた。その後、全世界で好評を博し、日本では1994年に発売された。2000年には生産を終了したものの、いまでも世界中で多くの方々に愛用してもらっている」と語る。そしてそのデザインを踏襲したGSX750Sは、「1982年から国内で販売し、本格的なロードスポーツモデルとしての道を切り開いていった。さらにカタナシリーズは650cc、400cc、250ccと幅広く展開し、多くのユーザーを獲得していった」という。
また、伊藤氏の個人的な感想として、「私が初めてこのカタナを見た時に、当時のデザインとして非常に斬新であり、非常にいい意味でショックを受けた」とコメント。2019年には、「現代的なスタイリングに往年のGSX1100Sカタナのエッセンスを取り込んだ新型カタナを販売。このモデルは、GSX1100Sカタナを知らない若い世代にも共感してもらえた。最新バイクの性能を持ち、オリジナルのカタナをアップデートしたデザインに仕上げている。今回の受賞をきっかけに、さらにカタナファンが増えることを期待している」と話した。
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◆トヨタプリウス:環境対応技術の先駆け
トヨタプリウスは、ハイブリッドシステムを搭載した世界初の量産乗用車として販売され、その後は環境対応技術の先駆けとなり、燃費の向上、二酸化炭素の排出削減において技術的方向性を差し示したことが評価された。
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トヨタ社会貢献推進部長兼企業・車文化室長の布垣直昭氏は、「プリウスは今年の12月で、四半世紀、25年目の節目を迎える。そのタイミングに歴史遺産車になった」と述べる。布垣氏は、「ハイブリットだが、このクルマは初め“G21”と呼ばれていた。これは次の時代、21世紀を目指してという意味で、その時代にはどういうクルマがいいのかを考え、そういうものを作るという非常に抽象的曖昧な使命で開発がスタートした。従ってハイブリッドを指定されていたわけではない」と当時の状況を明かす。しかし、ひとつだけ具体的な目標があった。それは、「燃費を一声半分に」。つまり当時のクルマの半分の燃費で走れるようにするという指示だった。その結果としてハイブリッドという答えに行き着いたのだ。
布垣氏はトヨタ博物館も担当されているが、その視点では、「このクルマの本当の意味は、このクルマ単体というよりは、その後の影響の幅広さにある」と述べる。それは、「トヨタは当然のことながら、その後、このクルマをトリガーとしていまやほぼ全ラインナップがハイブリッド化されている。これは自動車産業の中で、モーターとバッテリーを使って走るという構造のクルマを大量生産するという、大きなサプライチェーンにもその後繋がっていたのだ」とその意義を強調。
そして、「G21の志というものは決して終わったわけではなく、いま、まさにカーボンニュートラルといわれている時代だからこそ、力を入れていかなければいけない。燃費半分ではなく、限りなく温暖化排出ガスをゼロに近づけるという、業界全体の大きな目標に対してプリウスが最初の道を開いてくれた。その後に多くの開発者がさらにその上を行く。そして必ずやその目標を達成してくれることを本当に願ってやまない」と語った。
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