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【スズキ アドレス125 新型】“通勤快速”がグローバルモデルに成長して帰ってきた

レスポンス / 2022年11月26日 9時0分

スズキは、125ccの新型スクーター『アドレス125』と『アヴェニス125』の販売を開始した。その発表会が都内で行われ、開発を手掛けたエンジニアから話を聞くことができた。まずは、アドレス125から紹介していこう。


アドレスは、初代モデルが1987年に登場した。50ccから始まったその歴史は、「アドレス100」(1991年)、「アドレス110」(1998年)、「アドレス125」(2005年)……とラインナップを拡大。途中、エンジンの4サイクル化や、グローバルモデルとしての発展を経ながら今に至る。


今回の新型「アドレス125」は、インドにおいて「アクセス125」の名で人気を集めていたモデルがベースになっている。国内の排ガス規制や保安基準の改正にともない、日本向けに最適化されて新しく導入されることになった。


◆「通勤快速」からのスタイルチェンジ


従来のアドレスシリーズは、どちらかといえばシャープな外観が与えられ、「通勤快速」の異名にふさわしい高い機動性が支持されてきた。2017年にデビューした直近のモデルにもそのイメージが踏襲されていたわけだが、この新型は一転。丸みを帯びた、シンプルで親しみやすいデザインが与えられることになった。


開発コンセプトには「The Classic Commuter」、デザインコンセプトには「Timeless and Sophisticated」を掲げていることからも分かる通り、新型は普遍的なスタンダードスクーターとして生まれ変わり、街中に溶け込む上質さを持つ。


エンジンには、軽量コンパクトな空冷4サイクルSOHC単気筒を採用し、最高出力は6.4kW(8.7ps)/6750rpm。また、最大トルクの発生回転数を従来型エンジンよりも500rpm下げることによって、扱いやすさとスロットルレスポンスの向上が図られている。


また、日常の足として見逃せないポイントが燃費の良さだ。現実の走行場面に即したWMTCモードで53.8km/リットルを公称。燃料タンクは5.0Lの容量が確保されているため、計算上は満タンで270km近くを走れることになる。


◆インド仕込みの搭乗性と実用性


さて、アドレス125はスクーターゆえ、やはりユーティリティが気になるところだ。一見して優れていそうなのはシートだろう。その座面は前後に長く(全長は従来比でプラス62mm)、フラットな形状を持つことに加えて、大型のグラブバーを装備。メインマーケットのインドでは2人乗り(もしくはそれ以上)が当然のため、その時の乗降性や快適性は外せない要件だ。


また、給油口を車体後部に設けることによって、給油の際にシートを開ける必要がなく、燃料タンクがフロア下にない分、足つき性が犠牲にならない(シート高は770mm)など、さまざまな工夫が見られる。


もっとも、そのトレードオフとしてシート下収納スペースはやや圧迫され、形状や大きさによっては入らないヘルメットもあるとのこと。このあたりは要確認であり、使い方や求める機能の優先順位によって検討したい。ちなみに純正アクセサリーとして、トップケースの用意がある。


スマートフォンの充電に使えるUSBソケット、ペットボトルなどが収納可能なインナーラック、かばんや買い物袋が掛けられるフックなどはもちろん標準装備。また左ブレーキレバーを握ると、リアと連動してフロントブレーキも作動する「コンバインドブレーキ」の採用によって、安全性も引き上げられている。


◆これまで以上に親しみやすいモデルへ


「日本市場におけるアドレス125の年間販売予定台数は、9500台程度を見込んでいますが、すでに投入しているインドでは、50~60万台という規模で推移。文字通り、ケタ違いの台数で、多くのお客様にご好評を頂いております。」
「デザイン的にもこれまで以上に受け入れて頂きやすく、裾野をさらに広げられるモデルだと考えておりますので、年齢も男女も問わず、この機能と性能をお楽しみください。」と、チーフエンジニアの森井秀史さんは語る。


今回、会場には多数の実車が展示され、足つき性のよさや取り回しの軽さ、高い質感を確認することができた。実際に走っての印象は、またあらためてお届けしたい。アドレス125のカラーバリエーションは、ダークグリニッシュブルーメタリック、マットボルドーレッドメタリック、パールミラージュホワイト、マットブラックメタリックの4色。価格は27万3900円で、2022年10月18日から販売が始まっている。

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