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冬の車中泊にポータブル電源を利用する ~Weeklyメンテナンス~

レスポンス / 2022年12月1日 6時30分

近年はキャンプ同様、車中泊も人気だ。しかし冬場の車中泊は寒さとの戦いになる。そこで車内で暖を取る手軽な方法をチェックしてみた。キーワードになるのはポータブル電源の用意だ。


車中泊を暖かく過ごすには誰もがすぐに思い浮かぶのはエンジンを掛けてクルマのヒーターを起動させることだろう。しかし駐車スペースなどで車中泊をする場合、エンジンの掛けっぱなしはNGの場合が多い。そんな時にはどうすれば良いのだろう? キャンピングカーなどであればFFヒーターと呼ばれる軽油を使ったヒーターを車載することもある。しかし専門の業者にオーダーして取り付ける必要がありDIYでは難しいだろう。


そんな時に注目なのがポータブル電源+暖房機器の利用だ。クルマのメンテナンスとはちょっと離れてしまうのだが、クルマに装備しておきたい電気関連のアイテムとしてポータブル電源を中心とした機器類を紹介しておくこととしよう。


近年はアウトドアなどで利用するユーザーも多くなったポータブル電源は、さまざまなブランドのモデルが登場、容量も小さなものから大きなものまでさまざま用意されている(数百Wから1000Wオーバーまで容量のセレクトの幅も広い)。そんなポータブル電源を用いれば、車内で家庭と同じ100V電源が手軽に利用出来るようになるので家庭用の暖房機器を使うことができるのが便利だ。


とは言っても電気ストーブなどを持ち込むのは車内では危険だし消費電力的にも難しい。そこで車中泊ユーザーにオススメなのが電気毛布やパネルヒーターだ。電気毛布の消費電力は50W程度と意外に省電力なので小さな容量のポータブル電源でも十分に利用できる。50Wの電気毛布を想定すると500Wのポータブル電源を利用すれば計算上は10時間(500W=50W×10時間)連続で使用できる。


車内でくつろぐ際にはヒザ掛けとして使えばヒーターを掛けなくてもある程度の気温なら過ごせるだろうだろう。もちろん就寝時は電気毛布にくるまって、さらに封筒型の寝袋などを用いておけば万全。寒くて寝られないなんてことは起きないだろう。


もうひとつの注目アイテムはパネルヒーターと呼ばれる暖房機器。デスクに座る際に足元スペースを暖める目的で用意されている機器だ。これは150W程度の消費電力なのでポータブル電源で使うにも想定内の数値だろう。テーブルなどに毛布を掛けてこたつ状にアレンジして、内部にパネルヒーターを置くだけで暖かいこたつが車内に設置できる。アイデア次第でさまざまな方法で車内暖房に利用出来るので暖房スタイルに知恵を絞ってみるのも良いだろう。うまく利用すれば車中泊のイメージを良い意味で覆してくれる冬の車中泊に欠かせない装備になるだろう。


ところで、ポータブル電源を導入したらかなり多用途に使えるので車中泊のみならず便利に利用出来る。スマホの充電やライト、小型冷蔵庫、さらには電気コンロや炊飯器などの調理家電など、さまざまな100V仕様の機器を利用出来る(消費電力の限界値はある)ので、車中泊やオートキャンプをオール電化でこなすことも可能だ。


さらにポータブル電源のもうひとつ注目の使い方がクルマのアクセサリー電源の供給源として利用する方法だ。これには配線の加工が必要だが試してみる価値はありそうだ。配線キットのひとつがジェイクラブの電装くん(idea/アイデア)と呼ばれる配線キットを利用する方法。これを使えばポータブル電源のシガー出力(12V)を車内配線に割り込ませることができ、エンジンを止めた状態でも車載のナビやテレビ、オーディオ、ライト類などを利用出来るのだ。電源はスイッチ操作で車載バッテリーからポータブル電源に切り替えて供給できるので、停車中に車載テレビなどを使っていてもバッテリーが上がってエンジンが掛からなくなる心配も無いだろう。


近年アウトドアでもてはやされてるポータブル電源を車載のアイテムとして活用する方法を今回は探ってみた。冬の季節の車中泊も含めて車内のオール電化などにも可能性が広がることがわかった。汎用性も高いポータブル電源をフルに活用して、停車中の車内環境をより快適にする方法を考えてみると良いだろう。


土田康弘|ライター
デジタル音声に関わるエンジニアを経験した後に出版社の編集者に転職。バイク雑誌や4WD雑誌の編集部で勤務。独立後はカーオーディオ、クルマ、腕時計、モノ系、インテリア、アウトドア関連などのライティングを手がけ、カーオーディオ雑誌の編集長も請負。現在もカーオーディオをはじめとしたライティング中心に活動中。

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