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マフラー交換の効果はパワーアップだけじゃない!~カスタムHOW TO~

レスポンス / 2022年12月3日 6時30分

カスタムの代名詞的なマフラーの交換。付けるだけで20psもアップする! という時代は終わったが、ドライビングを楽しくする意味で今も効果は絶大なのだ!


◆排気抵抗を減らすメリットとは!?


マフラーは排気音を消音する装置。純正マフラーの内部は隔壁構造になっていることが多く、四畳半のアパートのような感じで、小さな部屋に排気を溜めて小さな扉から隣の部屋に排気を移す。これを繰り返すことで音量を下げている。そのメリットは経年劣化で音量が大きくなりにくく、ずっと安定した性能を発揮できる。逆にデメリットとしては排気抵抗が大きくなることだ。


対するチューニングパーツのマフラーは全く構造が異なる。多くの場合ストレート構造と呼ばれるもので、穴の開いたパイプが通り、その周囲をグラスウールで包んである。このグラスウールによって音の振動を吸って消す仕組みだ。


メリットは排気抵抗が少ないこと。隔壁構造のように壁にぶつかって進行方向を変えてを繰り返したりしないので抵抗が少なくパワーを出しやすい。デメリットはグラスウールが徐々に劣化していくこと。それによって徐々に排気音が大きくなることがある。これはすべての製品に関してではないが、数年使っていると「あれ、こんなにうるさかったっけ?」と感じるくらい音量が大きくなるマフラーがあるのも事実である。そんなときはグラスウール入れ替えのメンテナンスをすることもできるが、そこそこコストも掛かるのでいっそ買い替えてしまうのも手ではある。


◆排気抵抗を減らすとエンジン保護にもつながる


パワーアップだけでなく、排気抵抗を減らすのはクルマ側にも良いことがある。それがとくにターボの保護につながること。ターボは排ガスを受け止めてタービンを回転させ、その力で空気をエンジンに押し込んでいる。このターボから出た排ガスの圧力を二次排圧というが、これが低いほうがタービンへの負荷が少なくなる。


タービンは排ガスで押されて回るが、その排出先の抵抗が大きいと、排ガスには回されようと押されるが排出先の抵抗が大きくガスが抜けるに抜けないという板挟み状態になってしまう。すぐにそれで壊れるわけではないが、ずっと中間管理職状態になるので徐々にストレスが溜まっていき、いつかタービンブレード破損などのトラブルが起きてしまう。


そこでレーシングカーなどではできるだけタービンから排ガスを排出する先の抵抗を減らすことで、タービンは排ガスが当たる分だけクルクル回るようにしてあげる。そうなるとタービンへの負荷を抑えることができるのだ。ストリートカーではタービンの先を直管にすることはできないが、マフラーを変えたり少しでも排気抵抗を減らすことがタービンの延命につながる。そういった意味でマフラー交換はアリなのだ。


◆アクセルレスポンスは気持ち良さにつながる


90年代はマフラー交換だけど数十馬力も向上するとされていた。しかし、現在は正直ピークパワーの差は数馬力アップ程度。しかし、シャーシダイナモでは表せないレスポンスの部分が大きな違いとなる。


シャーシダイナモはエンジンパワーを計測できるが、それはアクセル全開時のパワーとトルクが測れるもので、アクセルに対する反応などは計測できない。そのアクセルレスポンスの部分がマフラー交換で大きく向上する。アクセルにエンジンが素早く付いてくるようになると空ぶかしが気持ち良いとかではなく、ちょっと加速したい時にタイムラグがなくクルマが前に進んでくれる。


それは交差点を曲がるときにも、ちょっと速度を上げる時にも、高速道路を走っているときにも大きな効果を持つ。クルマが軽くなったような感じさえ体感できる。そういった意味では現在でもマフラー交換の意味は大きいのだ。


ちなみにこれまではパワー的な部分の他に、社外マフラーによって軽量化できるといったメリットもあったが、現行車の場合はそれも厳しい。純正マフラーがかなり軽くなっていて、社外マフラーでもほぼ同じ重量のこともある。とはいえ、HKSではSPEC Lllという、薄肉パイプに肉抜きをしたフランジを使った軽量モデルをラインアップしていたり、適合車種は少ないが非常に軽量なチタンマフラーを販売しているメーカーやショップもある。そういったものでは十分に軽量化が可能で、マフラー交換によってクルマを軽くするということも可能なのだ。

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