【ホンダ ZR-V 新型試乗】“2度観”どころか何度でも観たくなる…島崎七生人
レスポンス / 2022年12月16日 12時0分
◆『CR-V』と『ヴェゼル』の間、ミドルSUVに新規参入
グローバルで実はホンダのSUVは多種多様で、ざっと10車種以上を数える。その中で北米で『HR-V』と呼ばれるモデルの日本版が今回登場の『ZR-V』だ。ちなみに別に試験に出るところではないが(!?)、欧州版『HR-V』は日本版の『ヴェゼル』であり、その中国市場向けは『XR-V』と呼ばれる(当然ながらエンジンなどは、仕向け地ごとの設定)。
ところで今回の『ZR-V』だが、1995年の初代以来日本市場に長く投入され先に生産を終了した『CR-V』とは、ザックリと言えば“シビック由来”という点は共通。とはいえ、どうやら直接の後継車種の位置づけではないらしい。
![](https://response.jp/imgs/zoom1/1830638.jpg)
たとえば直近の『CR-V』は3列シート/7人乗りがあったが『ZR-V』は5人乗り(2列シート)のみの設定。便宜上のポジションは『CR-V』と『ヴェゼル』の間ということになる。
「ミドルサイズのSUVとしては新規参入。国内外の群雄割拠の市場で埋没しないよう、とくに2度観させるデザインと神経直結の走りに(一体的に)仕上げた」(小野修一LPL)のだそう。
◆“2度観”どころか何度でも観たくなるルックス
![](https://response.jp/imgs/zoom1/1830651.jpg)
実車は言われなくても“2度観”どころか何度でも観てみたくなるルックス。あくまで個人的な見解だが、第一印象は大きめの開口部に縦桟が並ぶフロントグリルはメルセデスベンツ、マセラティ、キャビンまわりはポルシェ(『ケイマン』)など、コンパクトな部類ながらプレミアムカーの気配もある。言えるのは既存のどのホンダ車ともまた違う(ありふれた言い方だが)大人びた雰囲気を醸し出している点。
「Z」グレードであればホイールアーチプロテクターがボディ色になるほどで、いかにもSUVど真ん中のクロスオーバーでござい……の風ではなく、年齢、性別問わず、日常使いのクルマとしてさり気なく乗りこなせそうな雰囲気だ。エンジンフードがしっかりと視認でき取り回しは問題なく、高速走行時などの安心かも高いデザインだ。
◆上級車からの乗り換えユーザーも納得レベルのインテリア
![](https://response.jp/imgs/zoom1/1830641.jpg)
一方でインテリアも、かなり上質感にこだわった様子で、上級車からの乗り換えを考えているようなユーザーでも納得できる仕上げレベル。インパネ上半分やドアトリム、コンソールなど広範囲に密度感のあるソフトパッドを仕込んだトリムが使われ触感がよく、本革シートの革とステッチの落ち着いた色調も心地いい。心地いいといえば、ドアライニング下部やラゲッジルーム(ホイールハウス部)は表面が波状に仕上げられ、使用過程での傷付きに配慮するなど気配りが行き届く。
ステアリングホイールは『シビック』と共通だそうだが(表皮の切り換えしは異なっている)、『ZR-V』の場合、クルージング中は手に力を込めずに握っていられ、駐車時もスマートにステアリングさばきをしたいから、あと少し細身のグリップでもいいと思った。
◆気持ちに余裕を持って運転していられるクルマ
![](https://response.jp/imgs/zoom1/1830640.jpg)
走りはなるほど、ホンダの説明どおりコチラの意志と感覚に齟齬や違和感がない洗練されたマナーになっている。試乗したのはいずれも4WD車で、1.5リットルのVTECガソリンターボとe:HEV(新開発2リットル直噴のエンジン+2モーター)の2タイプ。ガソリンターボは『シビック』にも共通する爽快なパワーフィールが感じられ、SUVであることを忘れさせる身軽な走りっぷりが印象的。
一方のe:HEVも、これは褒め言葉だが、普通に快適でスムースな走りを味わうことができる。どの場面でもパワートレインが自然に仕事をし、動力性能はeconモードでも不満がないほどで、静粛性の高さも確保されている。総じて、気持ちに余裕を持って運転していられる(乗っていられる)クルマだと思う。
昨今の半導体影響などで発売は2023年4月21日となっているが、ディーラーへの試乗車はすでに配備されているという。
■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★★
島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト
1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
【ホンダ ヴェゼル 新型試乗】『WR-V』よりも“雰囲気”を求めたいユーザーに…島崎七生人
レスポンス / 2024年7月2日 12時0分
-
新型フリード「ただの正統派」ではない形の狙い 派手さはなくても感じるホンダのメッセージ
東洋経済オンライン / 2024年6月29日 7時0分
-
ホンダ、進化版の「ヴェゼル」が持つ2つの魅力 より静かに、価格アップも抑えた優等生SUVに
東洋経済オンライン / 2024年6月24日 10時0分
-
ホンダ「すごいSUV」まもなく発売! 24年夏に約2年ぶりに復活! 新型「CR-V」日本仕様に「RS」&「ハイブリッド」追加はある?
くるまのニュース / 2024年6月18日 16時10分
-
ホンダ「新型流麗コンパクトSUV」登場! 3年ぶり刷新で「クラス超えの上質さ」がすごい? 新型「ヴェゼル」 ガソリン&ハイブリッド各車の印象は?
くるまのニュース / 2024年6月11日 13時10分
ランキング
-
1事件や事故の報道でよく目にする「命に別条はない」と「意識はある」、「重傷」と「重体」…それぞれの違いとは?【元新聞記者が解説】
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年7月1日 15時0分
-
2訪日観光客がSNSには決して出さない「日本」への本音 「日本で暮らすことは不可能」「便利に見えて役立たない」と感じた理由
NEWSポストセブン / 2024年7月1日 16時15分
-
3トヨタ「人気ミニバン」が受注停止!? 「ノア・ヴォクシー」なぜ買えない? いますぐ手に入るミニバンはある?
くるまのニュース / 2024年7月1日 16時10分
-
4ロシア軍のミサイルを「機関銃」で撃墜!? “あわや着弾”ギリギリで回避 ウクライナ国防省が写真公開
乗りものニュース / 2024年7月2日 11時42分
-
5暑すぎる日は食べて冷やす アイスを食べるより健康的な体の熱冷まし食材10選
CREA WEB / 2024年7月2日 6時0分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
![](/pc/img/mission/mission_close_icon.png)
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
![](/pc/img/mission/point-loading.png)
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください
![](/pc/img/mission/mission_close_icon.png)