注目の新型車解体新書~シビックタイプR の+αを考察する~
レスポンス / 2022年12月29日 12時30分
新型ホンダ『シビックタイプR』は今から注文を入れても約3年待ちとも言われているが、初期ロットの納車が始まっていてチラホラ街中で見かけるようになってきた。そんな注目車種をアフターマーケット目線で見てみることで更に魅力を引き出してみる。
◆間違いなく必須アイテムとなるセキュリティの追加編
半導体不足の影響でクルマの市場価値が驚くほどに上がっている。それこそ注目車種ともなれば買った瞬間に売却することで利益が出てしまうほどに。そうなると価値が高いクルマほど盗難の被害に遭う機会が多くなってしまう。
純正装着されているセキュリティがあったとしても、自動車盗難のプロ達はあっという間に解析をしてわずか数分でその場から自動車を持って行ってしまうが、これを防ぐにはどうしたらいいのか、それは後付けのセキュリティを追加するのが最大の防御となるだろう。ただし、追加したところで確実に盗難は防げるのか? というとそれは違い、窃盗団はクルマが動く状態になるまで時間がかかればかかるほど諦める傾向があるので、簡単に動く状態に出来ないようにするのが最重要。
そしてオーナーが普段どういう状況でクルマを使用して、どういう環境に停めているかに合わせてセキュリティをカスタマイズすることで防御力は上がっていく。柔軟性の高い後付けセキュリティとして信頼度が高いのは日本製の『Grgo』でベーシックなモデルに環境に応じたオプションを追加していくので無駄がなく誤動作の少ない製品だ。
◆細部まで突き詰めるホイール選び編
タイヤサイズは265/30R19。驚愕のワイド&低扁平サイズだ。しかも、そこに組み合わせられるホイールは先代のFK8同様にPCD120の5穴。タイヤはもっとハイグリップなものや、コンフォートなものなど選ぶとすると純正サイズは選択肢が狭い。外径が643mm程度と考えると265/35R18に変えるのが妥当。サイズダウンにはなるが、20インチへのアップはもっと選択肢が狭いし、19インチのこのサイズも希少サイズなので、18インチ化がもっとも選択肢が広がる。
こちらは外径が645mm付近なので、安心して使える。ホイールサイズは19×9.5J 60。18インチ化とすると18×9.5J 45付近がツライチになると思われる。車高を落とせばキャンバー角が増えることもあり、もっとインセット少なめも選べるはず。先代のFK8用としてVolkracing TE37SAGAで18×9.5J 38が存在するが、この辺りが車高ダウン時のツラツラサイズになると思われる。
◆エンジンルームは期待のパーツが続々登場?編
気になるのはエンジン・コントロール・ユニット、つまりECUの書き換えができるかということ。現代のクルマではECU書き換えができなければ吸気系も排気系チューンも行えない可能性がある。ちょっと純正のバランスを崩しただけでエンジンチェックランプが点灯してしまう可能性がある。ECUチューンが行えれば、そういったチューニングパーツによる効果を引き出すこともできる。先代FK8についてはECUチューンが可能だったので、FL5もできる可能性が高いが現在のところはまだ解析中といったところで、ECU書き換えチューンはまだ販売されていない。エアクリーナーフィルターや、むき出し型エアクリーナー、それに付随するカバーなども鋭意開発中とのことで、近いうちにリリースされるだろう。
ターボ車だけに、タービン交換という大幅なパワーアップも期待できる。物理的なタービンの取り付け可否というよりも、こちらもECUが書き換えられないとビッグタービンに合わせたデータにできないので、ECUチューンが鍵を握っている。
◆バッチリ決まる足回り編
サスペンションはこの価格帯のクラスとしては相当なクオリティ。とくにリアのマルチリンク式サスはロアアームが長く、アライメント変化を起こしにくい。その設計思想の高さが現れている。各アーム類なども見るからに剛性が高そうで、いかにハンドリングにこだわっているかが伺い知れるポイントだ。
また、純正サスには室内から3つのモードを選べるようになっていて、最もスポーティな「R+」「SPORT」「COMFORT」の切り替えがあり、減衰力の調整によって動きのシャープさ、乗り心地を変えることができる。アフターパーツのサスペンションにする場合は、この純正サスペンションの減衰力調整機構をキャンセルする装置を付けないとチェックランプが点灯するので注意が必要。
フロア下を見ると、エキゾーストのセンターパイプがもっとも低い位置になっているので、大きく車高を落とすとここが最低地上高に抵触する可能性が高い。これから登場するであろう、最低地上高に配慮した排気系チューニングを行うのも対策のひとつになる。
◆さらにテンションをアゲるマフラー編
排気系チューニングは今の時代も絶大な効果を持つ。正確には昔ほどピークパワーは上がらないが、アクセルレスポンスの向上によるダイレクトなドライブフィールは排気系チューンならでは。
現在は排気系パーツは事前に騒音などに認証を受け、ISOの認可を受けた工場で製造された商品しか公道では使用できない。先代でも事前認証を受けたセンターパイプ&マフラーが各社からリリースされており、FL5でも登場が見込まれる。FK8ではトラストからスポーツ触媒も発売されていた。タービン直後の触媒は大きな排気抵抗になっている。これを浄化性能は保ったまま、セルの荒いものにすることで排気効率をアップさせる。マフラーと並んで大きな効果を持つチューニングだ。こちらも登場が期待されるパーツだ。
◆愛車を綺麗に保つためには“シートのコーティング”編
ボディーコーティングはかなり一般化してきたが、シートのコーティングはまだ認知度が低い。ボディーは洗車すれば綺麗に出来るが、シートは早々洗うことも無いだろう。そしていまはレザーシートだけではなく、ファブリックシートにも効果があるシートコーティングが登場している。レザーシートであれば油性マジックの汚れが付いたとしても水拭きで落とすことが出来たり、ファブリックシートだと撥水性を持たすことが出来たりするし、何度も乗り降りすることで起きてしまう擦れや色落ちを軽減してくれる。これからのスタンダードになるであろうコーティングだ。
◆エンタメ関連は発展方法が限られるかも編
Honda CONNECT装着車両なので市販ナビの装着は不可と言っていいだろう。それでも音を良くしたい!という場合にはHonda CONNECTの音声信号を入力できるアンプ内蔵DSP(デジタルシグナルプロセッサー)を追加するのが最も効果的。装着する事でスピーカーから出る音をコントロールして目の前で音が広がる音場を構築することが出来るし、純正より高品質なパワーアンプが内蔵されているのでスピーカーの性能をより発揮できるアイテムだ。
スピーカー交換を考えた場合、スピーカーバッフルを装着して16cmが装着可能。ただし、ホンダ車の純正スピーカーは鉄板部分がおにぎり型なのでスピーカー裏のマグネットが大きい製品だと当たってしまって装着出来ない恐れもある。当たるなら切ってしまえ!という場合もあるが、切ると純正スピーカーを固定する部分が無くなるので売却時の対処も同時に考えておこう。デッドニングに関しては正直DIYではオススメしない。ホンダ車のブチルは驚くほどに取りにくくて自分でやろうと思った事を恨んでしまうほどの大変さ。やり始めて涙目になる前にプロショップへお願いすることをオススメする。
◆ドライブレコーダーの装着は難度が高い!?編
今ではマストアイテムとなっているドライブレコーダーだが、このクルマに関しては“配線を見せずに”装着するのは難易度が高そう。フロントカメラは問題無いのだが、リアカメラに関しては配線を見えない様に装着するにはリアゲートをかなり分解しないとダメかもしれない。ディーラーオプションで前後ドライブレコーダーが掲載されているので、配線見えない様に装着出来ますか? の確認を取ってから追加する事をオススメする。
<取材協力ショップ:ルロワ>
いち早く注目車種のシビック タイプRをデモカーとして導入した愛知県岡崎市にあるカーオーディオプロショップのルロワ。全国13店舗のネットワークを構築しているサウンドステーショングループの一員で、カーオーディオはもちろんの事、新車を含む車両販売からコーティング、セキュリティや足回りなどアフターマーケット製品全般も扱っている。クルマに関する事であれば何でも相談に乗って貰えるプロショップだ。
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