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ディスプレイさえないBMW『i VISION Dee』はハービーやナイト2000を超えるか?…CES 2023

レスポンス / 2023年1月5日 20時45分

CES 2023プレスデーの1月4日夜(現地時間)、BMWの基調講演が開催された。CESにおける自動車メーカーの発表は各社のコンセプトカーのお披露目に注目が集まる。今年はBMWi Vision Deeという車。2025年には量産モデルが発売される見込みだ。


◆「リアルコンパニオン」であることを強調


Deeの外観はシンプルなセダンタイプの乗用車。フロントグリルやヘッドライトアイコンも平面的、というかライトやグリルの存在さえあるのかないのかわからないくらいフラットだ。コンセプトカーというより塗装だけ施したクレイモデルにさえ見える。


基調講演開始に先立ち、Consumer Technology Associationのゲーリー・シャピロCEOが「サーキュラー」「エレクトリック」「デシタル」の3つ新時代車両の柱として掲げた。とくにデジタル技術とBMWの車両技術の融合を実践する人材としてBMWグループのオリバー・ツィプセCEOを紹介した。マイクを受け取ったツィプセ氏は、「みなさんは現実を見たくてここにきているはずだ。我々はそのために“エース”をお届けする」として新モデル i Vision Dee を紹介した。


車両に使う「マーク」や「フラッグシップ」「モデル」という表現ではなく「エース」としたのは、DeeがAIエージェントを搭載し「リアルコンパニオン」であることを強調するためだ。あまねくスピーカーはDeeのことを「彼女」と表現していた。プレゼンテーションでは、おそらくDeeは人間のナレーションが代行していたか、プログラムされたシナリオで制御されていたが、コンパニオンであり「日を追うごとに愛着や信頼が深まる」(ツィプセ氏)というので、2年後の量産モデルでは、ChatGPTレベルのボットが搭載されることが期待できる。


Deeはグリルの存在さえわからないと表現したが、正確にはグリルやライトはボディに埋め込まれていて、液晶シャッターもしくはE-inkで意匠、デザインを表示する。キドニーグリルもホワイトボディに黒く現れる。


そしてDeeの本質的な特徴は、AIによるコンパニオン機能(原稿執筆時点、残念ながら基調講演では演出込みのデモでしか機能が確認できていない)とARなどデジタル技術を集約した運転体験機能、新しいUIだ。


◆ディスプレイを排除しフロントシールドに表示


外観同様にコクピットやインテリアもかなりシンプルだ。とくに運転席から助手席にかけて、他社コンセプトカーにありがちなディスプレイがいっさい排除されている。センターコンソールにも画面らしきものは見当たらない。ハンドルこそ普通にあるが、インパネ、ダッシュボードなどは内装と同じ素材が続いている。センターコンソール付近に「Mixed Reality Slider」というインジケーター兼スイッチが4つ見えるだけだ。


運転に必要な表示は、ヘッドアップディスプレイとしてフロントシールドに投影される。表示はコックピット正面の一部だけではなく、シールドの下側に横方向にさまざまな情報が表示される。通常、フロントフードが見える部分なので視界の妨げも最小限になる。


表示項目はMixed Reality Slideのレベルによって切り替える。レベルは1~4まであり、レベル1はインパネやナビゲーションに表示される基本情報だ。Deeエージェントに場所の詳細情報を訪ねることもできる。レベル2は主にコミュニケーション機能。メールや電話の音声操作に加えテキスト表示も可能だ。レベル3ではレベル1、2のデータが横方向に常時展開される。さらに、衝突警報など車両からのワーニングやメッセージなどもARのようにフロントシールドに表示される。レベル4はいわばエンタメモードだ。VR画像や映画・映像コンテンツなどを車内すべてのウィンドウで楽しむことができる。


基調講演の最後には、E-inkを使用した色が変わるボディがカラー対応したことも発表された。Deeに装着されたパネルが青、黄色、紫、赤などに変わるデモが行われた。


なお、基調講演で上映されたショートムービーは、俳優のアーノルド・シュワルツェネッガー氏やデビッド・ハッセルホフ氏、電子頭脳「K.I.T.T.」を搭載するナイト2000が登場するものだった。シュワルツェネッガー氏はゲストとしても登壇し、元知事としてBMWの新しい取り組み、リサイクル、温暖化対策を絶賛していた。


またプレゼンテーションにはDeeのほか「ハービー」やナイト2000が「世界の3大AIカー」として登場した。ハービーはディズニー映画『Herbie the love bug』に登場する意識を持ったVW『ビートル』だ。このショートムービーと基調講演の演出は秀逸で、全編にわたりBMWのデジタルへの取り組みやポリシーが込められていた。エンジン車でなければ車ではないという人ほど見てほしい。


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