ソニー・ホンダモビリティ「AFEELA」が示したモビリティの世界観…CES 2023
レスポンス / 2023年1月6日 11時30分
ソニー・ホンダモビリティは1月4日(現地時間)、米国ネバダ州ラスベガスでソニーが開催した「CES 2023」のプレスカンファレンスにおいて、新ブランド「AFEELA」(アフィーラ)を発表し、同時に新たなEVのプロトタイプも披露した。
◆「ブランド名はできるだけ早い時期に」(水野CEO)をいち早く具体化
“その時”は、ソニーのプレスカンファレンス後半で訪れた。ソニーグループの代表執行役会長兼社長CEOである吉田憲一郎氏が、同グループが展開するエンタテイメントの世界観が紹介された後、話の内容をモビリティへと転換。ここでひとしきりソニーが目指すモビリティについて紹介すると、ここでソニー・ホンダモビリティの代表取締役会長兼CEOの水野泰秀氏にバトンタッチした。
水野氏がまず語ったのは、ソニー・ホンダモビリティが目指す企業パーパスだ。それは「多様な知で革新を追求し、人を動かす」ことにあり、それは両社の合弁によって生まれた新たな知見から生み出されたものだという。その知見はやがて最先端の技術と感性を掛け合わせた、“Mobility Tech Company”へとつながっていく。ソニー・ホンダモビリティはそうした新たな企業文化の中で醸成されていくというわけだ。
そして、ソニー・ホンダモビリティが提供するEVのブランド名が「AFEELA(アフィーラ)」であることが発表された。
水野氏は2023年暮れに個別インタビューした際、「ソニーやホンダは誰でも知っているが、ソニー・ホンダモビリティと言っても誰れも“何の会社?”となる。クルマを多くの人に知ってもらうためにも、ブランド名はできるだけ早い時期に披露しなければならない」と語っていたが、それが早くも披露されたことになる。そして、そのブランド名は披露された新しいプロトタイプのフロントグリルとリアエンドにしっかりその名が記されていた。
「AFEELA」はどこかホンダが北米で展開するスペシャルブランド“ACURA(アキュラ)”の語感にも似ているが、それだけにむしろ多くの人には馴染みやすいと映るかもしれない。ただ、シンボルマーク的なものは今回の発表には含まれなかった。個人的にシンボルマークはクルマにとってブランドを表す重要なアイコンだと思っており、それがなかったのは少々残念だった。とはいえ、2025年の先行受注までにはまだ間があり、それまでにじっくりと決めていく段取りなのかもしれない。
◆搭載したセンサーは計45個。未曾有のセンシングで自動運転も視野
一方で披露された車両を見ていくと、その仕様はこれまでの『VISION-S』の基本コンセプトを受け継ぎ、それを仕様変更したものにも見えた。
ステアリングは自動運転を意識した形状に変更されていたが、インテリアは「まるで繭に包まれたような、無垢でやさしいラウンド基調のデザイン」とはVISION-Sでも使われていた表現だ。ダッシュボードに配置されるディスプレイのレイアウトも基本的にはVISION-Sとほぼ同じである可能性は高い。あくまでソニー・ホンダモビリティが市販モデルを展開するに当たって、その基本となるものを提示したものと見ていいだろう。
ただ、ソニーが手がけるセンサー類が数多く搭載されたことは確かなようだ。発表された内容によれば「車内外には計45個のカメラ、センサー等を搭載し、室内のインキャビンカメラやToFセンサーによって、ドライバーの運転状況や走行状態をモニタリングし、不慮の交通事故防止へ貢献する」としている。実際、ルーフにはLi-DARが収まりそうなセンサーボックスも見え、Bピラーにはカメラが備えられるなど、ソニーが提供する車載センサーが数多く搭載されたことも窺える。
また、搭載したエンタテイメントを存分に楽しむために、AFEELAでは自動運転の実現も追求される。発表によれば「特定条件下での自動運転機能、レベル 3 搭載を目指すと同時に、市街地等、より広い運転条件下での運転支援機能、レベル 2+の開発にも取り組む」としており、これはAFEELAによる移動する楽しみをさらに拡張していこうとする意図の表れに他ならない。
◆新たなパートナーとして協業する「Qualcomm」と「Epic Cames」
AFEELAでは、新たなコミュニケーションツールの搭載も明らかにされた。それが「Media Bar」である。「モビリティと人がインタラクティブなコミュニケーションをするため、知性を持ったモビリティがその意思を光で語りかける」仕組みだそうで、その目的として今後は「さまざまなパートナー、クリエイターと共に、可能性を幅広く模索していく」としており、今後のAFEELAが進む一つの形がここで示されていくのかもしれない。
こうした機能は、「最大 800TOPSの演算性能を持つハードウェア」の搭載によって実現され、それを司るのが「Qualcomm Snapdragon Digital ChassisのSoC」だ。
この日のカンファレンスではクアルコムテクノロジーズの社長 兼 CEOのクリスティアーノ・アモン氏が登壇。「自動車はますますコネクテッド化とインテリジェント化が進んでおり、自動車における体験も変化している。Snapdragon Digital Chassis は、次世代のソフトウェアデファインドな車両の基盤として、新しいモビリティ体験とサービスを実現する」と述べた。ソニー・ホンダモビリティではこの協業について、「次世代のモビリティ体験の実現に向けて、戦略的な技術パートナーシップを築いていく」としており、これによってAFEELAでは5Gネットワークを活用したスピーディなアップデートを展開していくことになるだろう。
それともう一つ、AFEELAが目指す世界観がゲームだ。この日のカンファレンスにはEpic GamesのCTOを努めるキム・レブレリ氏が登壇し、「ソニーとソニー・ホンダモビリティとともに、この革新的な新ジャンルで、新たなエンタテインメントをお届けすることを楽しみにしている」と述べた。そこではVRを活用したエンタテイメントを車内で楽しむ新たなモビリティの世界観を示すことにもなりそうだ。
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
ソニー・ホンダモビリティ、ドジャースと提携…EV『アフィーラ』が7月20日のイベント登場へ
レスポンス / 2024年6月30日 10時30分
-
ドジャース AFEELAとパートナーシップ契約締結 大谷&山本加入後11社目
スポニチアネックス / 2024年6月27日 1時31分
-
ドジャース 電気自動車ブランド「AFEELA」と契約 大谷効果で日系企業11社目
スポニチアネックス / 2024年6月26日 14時56分
-
ドジャース、AFEELAと契約 ソニーとホンダのEVブランド
共同通信 / 2024年6月26日 8時46分
-
ドジャース、自動車ブランド「AFEELA」と提携契約 日系企業11社目…球団発表
Full-Count / 2024年6月26日 2時22分
ランキング
-
1Q. 納豆をより健康的に食べるには、どのような食べ合わせがおすすめですか? 【管理栄養士が解説】
オールアバウト / 2024年7月2日 20時45分
-
2藤井聡太“八冠再独占”への道 最大の難関は伊藤匠・新叡王への挑戦権獲得、トーナメントでの4連勝が必須
NEWSポストセブン / 2024年7月3日 7時15分
-
3"ホワイト化"する企業で急増中…産業医が聞いた過剰なストレスを抱えてメンタル不調に陥る中間管理職の悲鳴
プレジデントオンライン / 2024年7月3日 9時15分
-
418÷0=?物議を醸した小3の宿題に東大生が反応。「教員の力不足」「思考力を磨く良問」などの声
日刊SPA! / 2024年6月30日 15時52分
-
5洗濯用洗剤、計量せず詰め替えパウチから注ぐ人がいるって本当!? メーカー「目分量はNG、原液こぼすと洗濯機が傷むことも」
まいどなニュース / 2024年7月1日 11時44分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
![](/pc/img/mission/mission_close_icon.png)
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
![](/pc/img/mission/point-loading.png)
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください
![](/pc/img/mission/mission_close_icon.png)