NTTデータが3Dプリンターで旧車パーツ製作「今や小ロット製造のための技術ではない」…東京オートサロン2023
レスポンス / 2023年1月14日 16時0分
NTTグループは2019年から北米のインディカーシリーズの冠スポンサーとなっている。もちろんそこにNTTデータという会社も含まれる。インディシリーズで何をやっているかというと、インディカーのモバイルアプリの機能拡充や、開発を進めるスマートプラットフォームなどをレースやサーキットに活用しているのだそうだ。
そもそもNTTデータは情報技術の会社。だから、てっきり通信関係専門の会社だと思っていたのだが、なんとモノ作りも始めている。それがNTTデータ ザムテクノロジーズという会社で、設立されたのは2020年と新しい。で、何をやっているかというと、従来工法の制約にとらわれることなく、新しい発想で製品設計ができるこれからの時代のモノづくりということで、これをAM(Additive Manufacturing)技術と呼ぶのだそうだが、こいつを使って先端産業のあらゆる分野で役立つ新しいモノづくりをしているのだという。
ただ、今回「東京オートサロン2023」に出品されていたものは、先端分野のものではなく、なんとレトロのもの。古いクルマに乗り続ける人が一番困るのはパーツがなくなること。しかもそれはおいそれと作れるものではないが、元になるパーツさえあれば3Dプリンターによってそれを再現することができる。そんなことは知っていたが、問題は形がまねをできてもそれを使える部品として適正な価格で販売できるレベルであるのかというところなのだが、依然として高額ではあるが、納得できるレベルまで下がってきているというのである。
この種の単品パーツはこれまでもレースの世界などでは3Dプリンターによる製作でワンオフ物が作られたりはしていた。しかしこの会社に言わせると「3Dプリンターは今や、プロトタイプ製造や少量小ロット製造のための技術ではありません」なのだそうである。
今回目を引いたのが、かつてのホンダ製グランプリモーターサイクル、『CR110』のシリンダーである。廃版部品もデジタルデータ化すれば動態保存できる品質でパーツ製造が可能なのだというところ。前述したように古いクルマを持っているがパーツがない…そんな顧客に対しても門戸が開かれているのだ。
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