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豊田章一郎さんを偲ぶ 笑顔がよく似合う敵を作らない“財界総理”[新聞ウォッチ]

レスポンス / 2023年2月15日 8時51分

決してつくり笑いではなく、心の底からうれしさがわき出るような笑顔が忘れられない。トヨタ自動車名誉会長の豊田章一郎さんの訃報に接して、まず思い浮かんだのが口元をゆるめながらの微笑みである。


どちらかといえば寡黙で物腰も柔らかく、ワンマンでカリスマ性の強いやり手の財界人のタイプではなかったが、養われた品性から人に嫌われることが少なく、敵を作らない人格者で、誰からも好かれる親しみやすい経営者であった。


豊田章一郎さんと初めて接したのは、1984年、40年近くも前である。財界誌で自動車業界を担当した時で、その2年前には工販合併で誕生した新生トヨタの初代社長で、2期3年目を迎える頃だったと思う。


当時のトヨタの決算は、売上高5兆円、経常利益5000億円という記録ずくめの好決算で、文字通り名実ともに“日本一”の巨大企業に成長していた。だが、豊田社長からは「依然として手放しで喜べない」と、飢餓感を漂させていた。一体何を危惧しているのかと問うと、「世界のビックスリーと互角に戦えるまでは一時でも気を抜くことはできない」と率直に答えてくれたことを思い出す。


きょうの各紙にも、豊田章一郎さんの訃報を伝える記事が多く紙面を飾っているが、その見出しにも「世界のトヨタ築く」(読売)、「ものづくり世界に発信」(朝日)、「品質管理徹底貫き」(毎日)や「世界のトヨタ土台づくり」(産経)。


さらに、「幾多の逆境、不動の人」(東京)。そして日経は「トヨタから『TOYOTA』へ、米工場建設を決断」として、経団連会長など、数えきれないほどの要職にも携わった業績についても詳しく伝えている。


最後に話す機会があったのは、コロナ前で、すでに90歳を過ぎていたが、運転免許証を更新するのに「高齢者試験になかなかパスしないで苦労した」と苦笑い。その後、実際にハンドルを握っていたかどうかは未確認だが、章一郎さんこそ、趣味のゴルフとともに、生涯クルマ大好き人間で、元祖「クルマ屋」と呼べるエンジニアだった。合掌。


2023年2月15日付


●豊田章一郎さん死去、トヨタ名誉会長、経団連元会長、97歳(読売・1面)


●EVハチ公バスお披露目、渋谷区来月から導入(読売・33面)


●楽天携帯不振で失速、通期巨額赤字、事業黒字化正念場(毎日・6面)


●インド乗用車販売17%増、1月の最高更新、消費者心理が改善(日経・12面)


●トヨタ新体制、副社長にベテラン2人「EVファースト」支える(日経・17面)


●米フォード、欧州で3800人削減(日経・17面)


●鉄道、3年ぶり全社黒字、18社の4~12月最終(日経・19面)


●いすゞ系元役員ら逮捕、架空発注、8000万円詐欺疑い、大阪府警(日経・42面)

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