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“見えない”手間が凄い! 学生の情熱がカスタムしたハイエース…大阪オートメッセ2023

レスポンス / 2023年2月25日 17時0分

近年はクルマのカスタムを実習テーマにする自動車専門学校も多いが、大阪オートメッセ2023に出展した日本工科大学校の製作車両である100系トヨタ『ハイエース』がひときわ目を引いた。


ハイエース(100系)がベースとは思えないトラック化のカスタムを施したのが日本工科大学校の学生達が作った車両だ。モチーフにしたのは昭和30年代のトヨペット・ルートトラック。現在のダイナの先祖にあたる車両であり、ハイエースとは遠い親戚関係にある車両。しかし100系との間にはパーツの互換性などはもちろん無く、すべてのパーツがワンオフでの製作になったのは言うまでもない。


各部の加工はアルミで基本的な造形を作り、仕上げはパテを使ってデザインするという手法。各部の3D形状を作るために型紙を作ってアルミ板をカットして曲げ加工していくという気の遠くなる作業を繰り返した結果がこのスタイリングに結実したのだ。


中でももっとも印象的なフェイスまわりを見ていくこととしよう。100系のフロントセクションを知っているユーザーなら分かると思われるが、かなりノーズが前に出ている。これは純正のライトをそのままにして上から新たなフェイスを被せるカスタム手法を採っているからだ。つまり純正のフェイスはこの中に内包しているのだ。アルミで基本的な造形を施した上で各部をパテ処理する入念な作り込み。滑らかなアールを描くボンネットラインも美しい。グリルやストレート形状のバンパーまでをアルミで製作し別体構造にするなど、手が込んだ作業となっている。他車から流用した丸型ヘッドライトやマーカーなどもルートトラックのイメージをうまく表現している。


さらにもうひとつの見どころは1BOXボディをカットして作った荷台。ベッドを新たに作ってトラック化するのはかなり大がかりなカスタムとなった。リアゲートは純正のハッチをカットして流用、開閉できるように下部にヒンジを新設している。ボディ上部はカットしてオープンデッキ化、荷台のフチ部分はウッドを使ったレトロ感漂う仕上げになっているのも年代を想像させる作り込みだ。


またスライドドアのレールを撤去すること無く荷台のサイドパネルに残しているのもアイデア。ルーフ側の純正スライドレールと合わせて純正のメカニズムを残しているため、トラック形状のクルマでありながらスライドドアを利用できる構造としたのも見どころだ。


さらにリアハッチのカットしたウインドウ面はベッド前方のキャビン隔壁へと移設しているのも大ワザ。ダブルキャビン+荷台というフォルムを作っている。移設したリアガラスは純正では外側に膨らむアールを持っているのだが、あえてガラス面を逆付けして内側に向けて膨らむアールに変更しているのもこだわり。隔壁の下部はスチールのリブを施したパネルで走行中の歪みを補う補強を実施。そんな入念な作り込みからも本気の仕様だというのがわかる。


さらにリアフェンダーはスカート形状にカスタムされているのも見どころ。こちらも純正フェンダーに対して造形を施したアルミパネルを接着した上でパテで最終的に成形している。ここのカスタム処理でもクラシカルな雰囲気を再現している。


元々は同校の送迎車に使っていた100系ハイエースを実習車両として利用して作り上げたこちらのカスタム。学生と学校関係者の工夫と技術を込めたレベルの高い処理が見どころとなった。多くの来場者が足を止めて見る注目のカスタムカーとなったのは製作者の熱意が伝わったからこそだろう。

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