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究極の「持続可能」目指す! ブリヂストンがモータースポーツにおける新計画を発表

レスポンス / 2023年3月13日 17時15分

ブリヂストンは3月10日、静岡県にある富士スピードウェイホテルにて、2023年のモータースポーツ活動計画を発表した。モータースポーツ活動開始から60周年になる今年は、モータースポーツへさらなる「極限への挑戦」を続け、ブリヂストンをサスティナブルなグローバルプレミアムブランドへ推し進めていくと宣言した。


◆石橋CEO「モータースポーツはまさに極限への挑戦」


はじめに、ブリヂストン取締役代表執行役Global CEOの石橋秀一氏が挨拶を行った。


「モータースポーツで磨かれた技術が、量産車の開発に反映されモビリティの進化に貢献してきた。そしてモータースポーツはクルマを鍛え進化させた。その歴史はブリヂストンにも重なり、3月1日に創立92周年を迎えたブリヂストンは日本とアジアのモータリゼーションを支え、1988年にファイアストンを買収したことでグローバルに事業を拡大。人々の安心安全な移動を支え続けてきた。さらにタイヤメーカーとしてパッション・技術力・総合力・ブランド力を磨いたのがモータースポーツだ」


「モータースポーツはまさに極限への挑戦で、クルマとドライバーが極限の状態で挑戦を繰り返す。レースではタイヤに命を乗せていることもあり、大原則の安全安心を守りクルマの動きを支えるための挑戦を繰り返してきた」と量産車開発の進化と共に、タイヤも共に進化し続けてきたと語った。


1963年の第1回日本グランプリからはじまったブリヂストンのモータースポーツ活動。1964年にはじまった本格レーシングタイヤの共同開発、1976年のF1日本グランプリ参戦、1981年ヨーロッパF2参戦、1991年DTM参戦などの60年の歴史を振り返った。


◆プレミアムブランド化にモータースポーツ活動が大きく貢献


一方で市販タイヤの歴史を振り返ると、1979年に「POTENZA(ポテンザ)」ブランドを誕生させ、1984年に「ポテンザRE71」を発売。1986年にポルシェ『959』に純正採用されたことで、グローバルなプレミアムタイヤブランドの第一歩を踏み出す。


さらに1983年に2輪用の「BATTLAX(バトラックス)」ブランドが誕生し、発売当初は誰からも見向きもされず悔しい思いもしたというが、1985年に鈴鹿4耐に参戦し表彰台を獲得。その後、1986年には初優勝を飾り、2輪業界でもブランド力を高めていく。


1990年代はファイアストンタイヤを買収し、1995年にはINDY500にファイアストンブランドを復活させる。その後もモータースポーツ活動ではF1、ル・マン24時間レース、INDY500への挑戦も行い、2輪においても2002年からMoto GPに参戦してきた。


「モータースポーツという極限への挑戦を続けてきて、我々に情熱をもたらした。極限での戦いは技術開発力を極限まで研ぎ澄ませ、世界中を転戦するなかでタイヤの供給、オペレーション、メンテナンスなどのビジネスの基盤となる総合力を磨き上げてきた」という。


「レースを通じて性能を証明したことでブランドのプレミアム化を押し上げ、信頼を獲得することでグローバルカンパニーとして世界中でビジネスを行っている」と現在に至る経緯を語った。


◆「電費」競う新たな競技にも参画予定、サスティナブルな活動を模索


石橋CEOは、さらに「モビリティは新たな転換期を迎えており、次世代モビリティに繋げるものづくりの新たな挑戦が始まっている。60年を迎えた今年は原点に立ち返って極限へのグローバルジャーニーを目指し、モータースポーツの発展を支え続け、リアルとデジタルを組合せたサスティナブルなグローバルモータースポーツ活動に進化して挑戦していく」と宣言した。


品質へのこだわり、現物現場、お客様に寄り添う、挑戦という4つのブリヂストンのDNA、技術力、総合力、ブランド力、人材育成を磨き、アジャイルでサスティナブルな経営を実現していくという。


具体的なサスティナビリティについては、2013年からタイトルスポンサーを務める、オーストラリアで開催されているソーラーカーレース「Bridgestone World Solar Challenge」を引き続きサポートする。この活動が評価され、国際自動車連盟(FIA)のグローバルのモータースポーツ、モビリティステークホルダーを対象とした環境マネジメントプログラム「FIA環境認証プログラム」において、最高位である3つ星を獲得した。


また今年からFIAのゼロエミッション車(BEV、FCV)の電費効率を競うラリー競技「ブリヂストンFIAエコラリー カップ」のオフィシャルパートーナーにも参画する。そこでブリヂストンがEV時代の新たなプレミアムとして位置付ける、環境性能と運動性能を両立するタイヤ基盤技術「ENLITEN」を採用した新タイヤを訴求していく。


さらにプロドライバーによるeモータースポーツのレッスンを提供する「ブリヂストンeモータースポーツ インスティチュート」や、サーキット初心者参加型走行イベントの「ポテンザ サーキット チャレンジ」を立ち上げ、デジタルとリアルを組合せてモータースポーツの魅力を広く伝えていく。


◆レース用タイヤも「3R」の時代、技術部門役員が解説


技術部門からは、ブリヂストン執行役員専務 技術・品質経営分掌Global CTOを努める坂野真人氏から解説が行われ、サステナビリティとして資源を減らす「リデュース」、資源を循環させる「リユース」「リサイクル」、再生可能資源を拡充そして多様化するという目標が掲げられた。


具体的にはリデュースでは「軽量・摩耗技術」を磨く。「リユース」「リサイクル」では使用済みレースタイヤを次のレースタイヤにする。資源の拡充・多様化は「天然ゴム・グアユール」を育て使用していく。グアユール由来のタイヤはすでにINDYで使用されている。


再生資源・再生可能資源比率70%を目指したレース用コンセプトタイヤの開発も行われており、ツーリングカーに装着した際の平均的なラップタイムや摩耗性能や耐久性能を確認。坂野氏によれば、今までのタイヤとも遜色はない。


しかし、レースタイヤの技術を量産タイヤに落とし込むのは簡単なことでない。レースタイヤは使われる環境や元のタイヤの素材などがある程度想定できるが、一般用タイヤではいつ作られたのか、どのように使用されてきたのかなどが千差万別で、それらを再生可能資源に分解し、改めてゴムの状態から練り直しても使いやすいところへの落とし所が難しいと坂野氏は説明する。ただし、モータースポーツという極限の状態で使われたタイヤを再生させて次のレースに使うタイヤを製造する技術や生産方法が確立していけば、そう遠くない時代に量産タイヤでも再生タイヤが使える可能性はでてくるという。

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