これがマフラー交換の真実! エンジンパワーの向上だけじゃない、アクセルレスポンスで変わるクルマの乗り心地~カスタムHOW TO~
レスポンス / 2023年3月21日 6時30分
チューニングの定番であるマフラー交換。音をうるさくするのが目的ではなく、加速にもハンドリングにも実は大きな効果を発揮してくれるパーツだ。
◆排気抵抗を少なくして加速力をアップ!!
マフラーはエンジンから排出される排気ガスの消音器のこと。爆音であるエンジンの爆発音を小さくするために様々な工夫がされている。ノーマルでは隔壁構造が多い。排気ガスを部屋に溜め、小さな出口からとなりの部屋に移す。こういったことを繰り返して音量を落としていく。
近年のノーマルマフラーは相当高効率になったが、それでも排気抵抗がある程度あった。そこでアフターパーツではストレート構造を採用したマフラーが多い。真っ直ぐなパイプに細かく穴を開け、その周囲をグラスウールで囲むことで音を吸収させている。ノーマルマフラーに比べて何十年のも耐久性は持たないが、ある程度音量を落としつつ排気抵抗を下げることができるのだ。その結果スムーズに排気されると自然とエンジンは吸気もしやすくなる。よりフレッシュな空気が燃焼室に入りやすくなるので、エンジンパワーも高まるのだ。
20年ほど前のクルマ、とくにターボ車ならマフラー交換だけで何十馬力もアップすることが普通だった。しかし、現代ではそうもいかない。マフラー交換だけだと数馬力アップといったところだ。しかし、それでも交換をオススメする理由が十分にある。それがアクセルレスポンス。
アクセルにエンジンが俊敏に反応してくれるようになる。踏み込んだときにレスポンスよく加速するようになるので、数値以上にパワーアップした感触が得られる。このレスポンス的な部分はパワーチェックする機械でも数値にならないので、なんとも表しにくい。しかし、アクセルにエンジンがすぐに反応するようになるとクルマも軽く感じられ、ハンドリングの爽快感も大幅に高まるのだ。
◆まずは合法モデルが大前提。買い方と適合車種にも注意
ではマフラー交換をしようと思うときに気をつけるポイントはまず合法であるか。2010年4月以降に生産されたクルマは事前認証を取得したマフラーしか公道では使用できない。これはどういうことかというと、それ以前の車両は手作りマフラーでもなんでもよくて、車検場で所定の音量検査に合格すれば合法だった。
しかし、2010年4月以降に生産された車両はそれではNG。ISO規格を取得した向上で製造され、事前に所定の機関でアイドリングだけでなく加速時の騒音も計測し、所定の音量に収まっているモデルだけが認証プレートをつけることが許され、そのプレートがないと車検が通過できない。公道では使用できないというルールになっているのだ。なのでどんなに静かでも自作マフラーや、知り合いのショップがワンオフしたマフラーでは公道を走ることはできないのだ。その代わり車検時には基本的に音量測定もなく、所定のプレートが付いているか確認して終了となる。
国内チューニングパーツメーカーではほとんどのモデルで事前認証を取得済み。安心して使用できる。しかし、この事前認証は車種も細かく決められているので、たとえばAT車用マフラーを同じ型式のMT車に使うことはできない。マイナーチェンジ前用のマフラーをマイナーチェンジ後のクルマに使えないこともある。中古でマフラーを購入したりする際はよく調べてからでないと意外と使えない場合も多いのだ。
また、マフラーとセンターパイプの関係も悩ましい。マフラーとセンターパイプのセット品を買えば合法だが、マフラーを先に買っていて、あとからセンターパイプを買って装着すると非合法になることがある。これはセットで事前認証を取っていて、マフラー単体販売の場合は単体で事前認証を取得しているので、あとから買い足すと認証が認められなくなってしまうのだ。
◆合法モデルはどれも静かだが
それでもシングル出しは勇ましい傾向
こういった厳しい騒音規制に合致しているので、合法爆音マフラーは存在しない。ひと昔前と比べてもずいぶん静かになっている。それでも同じ車種で2本出しレイアウトと1本出しレイアウトがある場合、1本出しモデルのほうが迫力ある音であることが多い。
なかには規制には上手く合致させていて、加速時はなかなかいい音がするモデルもある。逆に加速時は静かだがアイドリングは低音が響いて迫力があるモデルもある。そういった音はなかなか聞いてみないとわからない部分だが、レイアウトやストレート構造か隔壁構造かなどでも変わってくるので、スペックからでもある程度想像できる部分でもある。
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