ダウンサスvs車高調!コスパとカスタマイズ自由度の大きな違いを知る~カスタムHOW TO~
レスポンス / 2023年3月25日 6時30分
サスペンションチューニングの初歩でもあるダウンサスだが、近年再び見直されている。純正サスペンションの良さを活かしつつ、車高を下げてかっこよさを獲得できる。
◆スプリングだけを交換するのがダウンサス
車高を下げてカスタムするとき、その方法は大まかに2種類。ひとつは車高調に交換すること。スプリングもダンパーもゴッソリと交換することで、理想的な車高にできるし、それに合わせた減衰力を持つダンパーにすることもできる。多くの場合は減衰力も調整できて、ハンドリングや車高を詰めていくにはピッタリのパーツだ。
対するダウンサスは純正サスペンションをバラして、スプリングだけを交換する方式。ダンパーはノーマルのままなので減衰力調整機構はないことがほとんど。スプリング交換なので車高を調整できるわけでもなく、スプリングに合わせた車高になる。多くの場合はダウンサスというだけあって、少し車高が下がるように設計されている。
価格は数万円から高くても10万円以下。取付工賃は3万~5万円ほど。一旦、純正サスペンションをバラしてスプリングを交換し、スプリングコンプレッサーで縮めながら装着する手間が掛かるので意外と工賃は高い。車高調は10万円以下もあるが、20万円前後の商品が多く、こちらも取り付け工賃はアライメント調整が必須なので万5~6万円ほど。ざっくりいうと10万円以下のダウンサスと、20万円近い車高調といったところだ。
価格では圧倒的なメリットがダウンサスにあるが、これまでダウンサスというと「とりあえず車高を下げたい“だけ”の人にオススメの商品」といったイメージが多かったのも事実。実際、とりあえず車高が下がるだけでハンドリングは二の次。乗り心地はかなりハードになる商品もあった。
だが、最新のダウンサスはちょっと違う。スプリングの巻き方や材質、長さなど細かく調整することで車高が下がってストロークが下がりつつも、バネレートが高すぎずしなやかさを確保するものが増えている。さらに底付きから不快感を生む原因になるバンプラバーは純正品をカットして使うことが多いが、TANABEのようにわざわざ専用のショートバンプラバーをセットにしている場合もあるのだ。トヨタのGR 86の開発ドライバーとしても知られる佐々木雅弘選手は自身のブランドでダウンサスを開発。GR 86に組み込むことでサーキット走行も楽しめるようにセッティングし、実際筑波サーキットでは1分3秒台という車高調にも引けを取らないタイムをマークしている。走れるダウンサスが増えているのだ。
◆純正サスペンションを使う信頼感は高い
とはいえ、車高調にしたほうが自由度は圧倒的に高い。ダウンサスでは装着後に車高を変えたりもできないし、減衰力の調整もできない。その代わりに純正サスペンションという信頼性の高さがある。
車高調は少なからずトラブルが起きることがある。多いのは緩みから来る異音で、シートリングが緩んでコトコト音がしたりする。ほかにも内部パーツの摩耗で異音がすることもある。末永く使うには数万kmごとのオーバーホールの望ましく、長く使うと消耗パーツのダメージがひどくなる。ときにはシリンダー自体が摩耗してしまい、結局新品に交換するようなコストが掛かってしまうこともある。
その点ダウンサスでは純正サスペンションを使うのでタフで長く使える。純正サスペンションは10万kmくらいでも問題ないことがほとんど。多少ダンパーがやれているフィーリングになることはあるが、オイルが漏れたり異音が発生することは極めて少ない。そこにダウンサスを組み合わせているので、長い寿命が期待できるのだ。そういった点からやや車高を下げて見た目を引き締めたり、少し足まわりを締めてハンドリングをシャープにしたいというならダウンサスもアリ。とくに年間走行距離が長い人や、1台のクルマを長く乗る人にはオススメできるものなのだ。
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