自転車でもペットと一緒に、安全性と楽しさにこだわり…インターペット2023
レスポンス / 2023年4月4日 18時45分
国内最大級のペット関連イベント「インターペット ~人とペットの豊かな暮らしフェア~」(インターペット2023)が3月30日から4月2日までの4日間、東京ビッグサイトで開催された。
動物たちを“家族”と考える家庭が増えており、ちょっとした外出にも愛犬を伴う飼い主は多い。インターペット2023年では、ホンダアクセスが車載用ペットグッズの展示を行ったり、バス会社がペット同伴専用の観光バスを展示したりするなど、モビリティ分野でも動物好きを意識した企業が増えているようだ。今回は、毎日の生活に役立ちそうな愛犬家向けのモビリティアイテムを紹介する。
◆日本における自転車のパイオニア
自転車メーカーの丸石サイクルは、明治27年(1894年)に創業。当初はアメリカから輸入した自転車の販売を行っていたが、大正9年(1920年)から自社製造を開始した。昭和62年(1987年)には、日本で初めての子ども乗せ専用自転車『ふらっかーず』を発売した。来年には創立130年を迎える自転車のパイオニアと言える。
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発売当初、子ども乗せ自転車には「ハンドルの間に子どもを乗せる自転車なんて売れない」と社内から反対の声もあったそうだ。それがお母さん達の口コミで増えていき、今では日常風景の一部になっている。「当社は、“荷物を安全に乗せる”ということを大切にして自転車を開発してきました。そのノウハウを生かして作ったふらっかーずの安全性が、皆さんに受け入れていただけたのだと思います」と商品部の竹林宏樹部長は話す。
◆ペット乗せ専用自転車『ペットポーター』
ペット乗せ自転車も丸石サイクルが最初だという。ふらっかーずで培った知見を基に2004年に発売。2014年には全面改良を施した、『ペットポーター』がデビューした。2021年に追加した電動アシストモデル『ペットポーターアシスト』が好評だという。
駐車スペースに限りがある地域やクルマをもたない飼い主の場合、動物病院への行き帰りに便利との声を聞くという。また、夏は夕方に気温が下がってもアスファルト路面の熱が残るため、散歩や近所のドッグランへ出かけるのに自転車を使う飼い主も多いそうだ。安全面に関しては、「大切な家族であるペットを安心して乗せられる自転車として開発しました。動物だからと言って妥協せず、子ども乗せ自転車と同じ安全基準でつくっています」(竹林部長)とのことだ。
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ペットポーターおよびペットポーターアシストの主な特徴は以下の通り。
安定性の高い設計:重心がハンドルの真上にあり、ペットが動いても重心移動が少なくふらつきを抑える
駐輪時の安定性:スタンドを立てるとハンドルが真っすぐに固定される機構により転倒を防止。安定した状態でペットの乗せ降ろしが可能
脱着式バッグ:
・前後長43×幅25×高さ28cm。体重10kg程度まで使用可能
・飛び出し防止用リードフックを2本装備
・柔らかい内張と厚手のクッションで快適性を確保
・後方の開口部は広く作られており、ペットの乗せ降ろしがスムーズ
なお、この脱着式バッグを外せば大型カゴとして使用できるため、ペットを伴わない買い物にも便利に使えるだろう。
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◆自転車の楽しさも大切に
丸石サイクルでは安全性や利便性だけでなく、自転車を楽しく演出する工夫も凝らしているそうだ。脱着式バッグの正面には小窓が設けられており、ペットが顔を出して外を眺められるようになっている。
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「飼い主さんには、“可愛い”と喜んでいいただいています。わんちゃんも、楽しんでくれている様に見えます。安全は一番大切にしていますが、楽しさも忘れないようにしています」(同氏)とのことだ。現在はブラック一色の脱着式バッグだが、インターペットにはベージュ、カーキ、ネイビーの3色が展示されていた。イベントの4日間でアンケートをとり、最も人気のあったカラーを新色として追加する計画も、楽しさを忘れない同社の姿勢の表れだろう。
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◆特徴ある自転車メーカーとして
「特徴のある自転車メーカーでありたい」(同氏)という丸石サイクルでは、より大型のペットを乗せられる自転車も開発中だ。ブースには、カーゴバイクをベースに大型のクレートを搭載できるサイズ調整式のフレームを取り付けたプロトタイプが展示されていた。
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計画では、体重が20kg程度の動物まで乗せることができるそうだ。
さらに大型のペットのためには、ペット用モデルに改造した後ろ2輪の電動三輪車を開発中とのことだ。大型犬の場合、抱えてクルマに乗せるのが大変なこともある。
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体重30kgまで対応できるこのモデルであれば、そんな時も安心だろう。いずれの試作車も車体剛性やバランス構造は十分に考えられているそうで、安全面は問題なさそうだ。
世界的に二酸化炭素排出量の削減が叫ばれている現代。特にクルマを中心とするモビリティは、大きな変革を求められている。古くから親しまれている自転車だが、今後、新しい社会的な役割を担っていくことも考えられるだろう。
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