ロイヤルエンフィールドが戦略モデルに「650cc」を搭載する理由…東京モーターサイクルショー2023
レスポンス / 2023年4月4日 19時30分
現存するモーターサイクルカンパニーでもっとも長い歴史を誇るのがロイヤルエンフィールド。1893年に英国で生まれた同社は数々の名車を誕生させ、その名を世界に轟かせていたのであるが、その歴史のなかでは紆余曲折があり、倒産も経験している。しかし現在はインドを本拠地として年間60万台を生産する巨大カンパニーとなっている。
ここ数年で数多くのニューモデルが発表され、その存在感も急速に拡大している。今回、「東京モーターサイクルショー」では350、411、650とロイヤルエンフィールドが生産する3種の空冷エンジンを搭載したそれぞれのバリエーションも含むフルラインナップを展示し注目を集めた。
◆クルーザースタイルの『スーパーメテオ650』
東京モーターサイクルショーで国内初披露されたのはクルーザースタイルの車体に648ccの空冷2気筒エンジンを搭載した『スーパーメテオ650』。『コンチネンタルGT650』や「INT650」に搭載され世界中で高い評価を得ている270度並列2気筒エンジン本体は共通で、ギアレシオのみ変更されているとのこと。
また、車体はロイヤルエンフィールド傘下でもある名門フレームビルダー。ハリスパフォーマンスが設計を担当。ダウンチューブを廃しつつも剛性を確保し、車高およびシート高を下げることにも成功している。なお、前後サスペンションはショーワ製を採用。先行発売されている欧州ではすでに5~6か月待ちというほどの人気を博しているという。
◆「ツーリングも街中もイージーライドできるマシン」
今回は来日していたアジア太平洋市場担当事業責任者アヌージ・ドゥア氏からも話を伺うことが出来た。
「クルーザースタイルのマシンは世界的に人気ですね。しかし我々はクルーザーといったカテゴリーに縛られることなく、自由でイージーライドの出来るマシンを作りました。もちろんツーリングは得意ですが、市街地を走ることもタンデムで走ることも、それからスポーティな走りだっておろそかにはしていません。これはロイヤルエンフィールドのモデル全てに共通するものともいえますね」
クルーザーモデルは大排気量車が多いが、650ccを選んだ理由については、「我々の650のエンジンキャラクター、性能は素晴らしいものだと思います。大き過ぎず十分パワフル。そして手頃な大きさは日本という国においても非常にマッチングが良いと思います。どんなライダーにとっても扱えないようなマシンではなく、どこで走らせても楽しい。もちろん求めやすい価格設定というのも大きなポイントです」
◆「販売台数に捉われず、本質を見失わないモノづくりを」
日本市場において期待される250ccクラスなどの小排気量モデルの展開については。
「もし作ったとしたら売れることはわかっています。しかし販売台数に拘ってものを作るということは我々の求めるところではありません。そういった、ビジネス面だけに捉われて本質を見失わないようにしています。いつかは販売する可能性はあるかもしれませんが、近い将来にその計画はありませんね」
また、逆により大型のエンジンを搭載したマシンや、もっとスポーティなマシンの計画について聞くと、
「より大型のモデルも現時点で計画はありません。大型のマシンは魅力的ですが、全てのライダーが操れるわけではありません。それからスポーツモデルについてですが、例えば我々にとってのスポーティなマシンといえばコンチネンタルGT650ということになるでしょう。スポーツモデルでありながら、様々な用途に使うことが出来るキャラクター。それはスーパーメテオと同じポリシーですね。我々が出来ること。我々しか作れないモデルをこれからも作っていくことが大切だと考えています」
ロイヤルエンフィールドとしては独自に多くのライダーやジャーナリストと一緒に走る場や意見交換出来る機会を数多く作ることで、幅広いライダーに好まれるマシンづくりをモットーにしているとのことである。世界中に多くのファンを持ち、その声に耳を傾けながらもポリシーを持ち、オリジナリティ溢れるマシンを作る。紆余曲折の長い歴史のなかで導き出された方程式が現在の成功につながっていると感じられたのであった。
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
飾らないナチュラルさがカッコいい!ロイヤルエンフィールド「メテオ350」は自然体で楽しめる王道クルーザー
バイクのニュース / 2024年6月4日 12時10分
-
イケメン度高めなロイヤルエンフィールドのミドルクルーザー『スーパーメテオ650』にアクティブバイク女子、指出瑞貴が乗ってみました!!
バイクのニュース / 2024年6月2日 12時10分
-
きっかけは「SR400」!? 人気急騰の激戦区400cc単気筒マシンを比較
&GP / 2024年5月19日 7時0分
-
【2台でGO!!】同じエンジンを搭載する「INT650」と「スーパーメテオ650」に感じた、意外な共通点と相違点
バイクのニュース / 2024年5月16日 12時10分
-
バイクは今、400ccが熱い? 続々登場の新モデルについて考える
マイナビニュース / 2024年5月8日 11時30分
ランキング
-
1ユニクロ店員も愛用している「感謝祭でおトクに買っておくべき夏物ボトムス」3選
女子SPA! / 2024年5月29日 15時46分
-
2軽自動車の「勢力変化」10年データで浮き彫りに じわじわ進んだダウンサイジングの変遷の中身
東洋経済オンライン / 2024年6月4日 11時30分
-
3睡眠不足、渋滞、一人の時…運転中に眠くなったとき みんなが効果的と実践しているのは?
まいどなニュース / 2024年6月4日 12時20分
-
4「普通のクルマなのに」…なぜ洗車機NG? ミニバンは注意!? 車名名指しでNGも! “洗えないクルマ”の条件ってなに?
くるまのニュース / 2024年6月4日 14時10分
-
5リバウンド経験者に聞いたダイエット失敗の原因はストレス - 対処法は?
マイナビニュース / 2024年6月4日 15時28分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください