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オープンカントリー40周年! 空を仰いで走る? 過酷な「ミント400」レースを三浦昂選手が語る

レスポンス / 2023年4月8日 10時0分

ダカールラリーでの市販車部門での優勝など輝かしい成績を持つ「チームランドクルーザー・トヨタオートボデー(以下、TLC)」。同チームのドライバーかつトヨタ車体の社員でもあるの三浦昂さんが、2023年3月にトーヨータイヤのSUVタイヤブランドである「オープンカントリー」のアンバサダーに就任した。オフロードを知り尽くしたトップドライバーとコラボすることで、ますますオープンカントリーの魅力アップにつながる起用だ。


そこで先頃北米のオフロードレースであるミント400に参戦した三浦さんに、アンバサダーとなった思いや今後のレース活動、さらにはオープンカントリーを履いてミント400を走った感想を伺った。


◆“目指せダカールラリー”でトヨタ車体へ入社、自らの意思で社員ドライバーに


まずは三浦さんのデータから紹介する。ランドクルーザーなどを製造するトヨタ車体の社員である三浦さんは、同社が運営するTLCには社員ドライバーとして参加している。そもそも入社したきっかけがダカールラリーだったという。


「2004年に入社しているのですが、志望動機のひとつがダカールラリーに出ることでした。社員から公募でナビゲーターが選ばれることを知っていたので就職の際にトヨタ車体を選んだのです。入社後にあった公募でナビゲーターに応募し選ばれたのですが、自分では宝くじに当たった気分でした。ラリーレイドのことはまったくの素人、経験もありませんでしたから」


そこから目標を世界一に定めてトレーニングメニューなどを組立てていくのだが、いずれも自己流。先輩からのアドバイスはあるものの、基本的には全てを0から組み立てていくことになる。当然不足することも多かった。しかしダカールラリーではナビゲーターとして参加し、市販車部門の優勝を勝ち取ることになる。ダカールラリーでは最年少(23歳)でのタイトルホルダーとなるなど輝かしいデビューを飾ったのだ。


しかし三浦さんはこの結果に決して満足していなかった。優勝にどこまで自分が貢献できているのかに確信が持てなかったという。


「自分にできることは何だろうと考えたんです。プロの選手よりも社員選手の自分ができることがあるはずだと考えて、ひとつは社員としての仕事としてダカールラリーからのフィードバックを取り入れつつ懸命に取り組みました。また予算提案することも社員だからこそできることで、ここにも力を入れました。これらの作業は必要な情報を集めて生かしていくというナビゲーターにも通じる部分があったと今も感じています」


その後社内でダカールラリーのドライバーを選定する会議が開かれることになる。クロスカントリーを走るドライバーは世界的にも少ない。海外のトップドライバーを招聘するのか国内で育成するのかで意見が分かれる。この会議に参加していた三浦さんは突然手を上げ「ドライバーをやっても良いですか!」と切り出した。


◆困難を極めるダカールへの挑戦、手を差し伸べてくれたトーヨータイヤの存在


もちろんトヨタ車体としても社員がドライバーを務めるのは初。しかし三浦さんにとって夢だったダカールラリーをドライバーとして走ることに迷いはなかったという。しかし経験値がほとんど無いことからその後はかなりの困難に遭遇することになる。


「ドライバーに選ばれてからは練習車の用意やプロドライバーのインストラクターをお願いしたい、社内では評価ドライバー、安全関連の知識など、トレーニングメニューもひとつひとつ自分で作っていきました。しかしそれをサポートしてくれたのが社内/社外の私を応援してくれる人々でした。知人の知人がどんどん関わりの輪に入って来てくれてトレーニングのチームができ上がっていくんです。そんな時に関わりを持ったのがトーヨータイヤでした」


まずはドライビング技術を磨くための練習の場が国内にはない。そこでオフロードレースの実戦に出ることでトレーニングを実施することを計画。その中に北米でオフロードレースに力を入れているトーヨータイヤがあったのだ。


「トーヨータイヤとコンタクトを取ったところ、先方もダカールラリーに興味を持ってもらい、いきなり相思相愛の状態だったことを知ったんです。そこからはトントンと話を進んでいき、トーヨータイヤが関わるチームで北米のオフロードレースにも参戦することになり、クラス優勝を収めるまでになったのです」


トーヨータイヤとの関わりを築いていった三浦さん、ダカールラリーでもTLCのマシンにオープンカントリーを履かせて参戦するなど、ますますその密度は高くなっていく。そんな中、昨年から出場している北米のオフロードレースであるミント400への参戦前にオープンカントリーのアンバサダー就任の依頼がやって来る。


「この依頼はすごく嬉しかったです。これまではトヨタ車体の看板でやって来たレース活動でしたが、自分の実力で評価してもらえたことが何よりも嬉しかったです。しかもその時に知ったんですがオープンカントリーは40周年で自分も40歳、同じ年のタイヤブランドと一緒にやることに親近感を強く感じました」


◆超高速オフロードレースの「ミント400」、攻略のヒントはドリフト練習?!


ここからは3月9日から13日まで開催された「The MINT400(ミント400)」について話を伺った。まずミント400はアメリカ・ネバダ州で開催されるオフロードレースであり、三浦さんはUnlimited Truck SPECクラスに参戦。タイヤにはオープンカントリーM/T-Rを使用する。


「ダカールラリーが道なき道を行く冒険なのに対して、ミント400はトラックを周回するオフロードレースの側面が強いです。しかしそれだけにハードラリーであり学ぶことも多いレースです」


約160kmのトラックを4周するこのレース。硬いグラベル、岩山、巨大なウォッシュボードがコースにあるかなりの難コースだ。ラリーレイドに比べてスピードレンジも高くクルマやタイヤへの負担も想像以上のものになるという。マシンはトーヨータイヤがサポートしているチームが製作したトラックボディのレーシングマシン。大パワーを持ったパワートレーンを2WDで走らせるモンスターマシンだ。


「1年目のリタイヤの経験があったので2年目の今年は色々な準備をしました。ひとつがフィジカル面。ドライブ中に身体に掛かる入力は異次元に高いんです、それを支えるためにすべての筋肉を鍛えていては間に合いません。そこで腕に掛かる入力を身体の別の部分に分散させるなど、身体の効果的な使い方も学んでいきました」


「さらにドライビングではトーヨータイヤサポートのD1ドライバーから、ドリフトのドライビングレッスンを受けました。デザートレースで2WDマシンを操るにはドリフトのコントロール技術が求められます。尖った石のある場所で派手にドリフトするとパンクの危険があるからです」


「そこでドリフトとグリップの中間的な段階を複数コントロール(10段階以上)できることが求められます。このドリフトのコントロール性が自分にとっての引き出しになるので、舗装路面でのドリフトのレッスンを受けて操作感を憶えていきました」


◆過酷なオフロード環境で強烈なトラクションを支える「オープンカントリーM/T-R」


こうして勝つための準備を整えて望んだ今年のミント400、レースを通して感じたマシンの感触、さらにはオープンカントリーM/T-Rの印象を聞いた。


「オープンカントリーM/T-Rはダカールラリーですでに経験済みでしたが、ミント400では2WDでハイパワーのマシン、路面状況も異なることからタイヤの活用方法も少し変わりました」


「もともと縦方向のトラクションが強烈なM/T-Rですが、この性能を生かすためにサスペンションのストロークをうまく使って路面をうまくいなして、縦のトラクションを最大限に引き出してクルマを前に出すことが速く走るためのポイントだと感じました」


「一方M/T-Rを履くことでトラクションが強く掛かるためパワートレインなどクルマへの負担も大きくなります。これも計算に入れた上でマシンをコントールすることも求められました」


結果はトラックを3周(約480km)した時点でマシントラブルによるリタイヤとなったものの、ドライビング、マシンコントロール、タイヤのマネジメント、フィジカル面など、多くの面で収穫の多いレースとなったようだ。来年の参戦計画は白紙ではあるが、ダカールのトレーニングという意味も込めて準備だけは進める予定だという。


余談となるが、走行中マシンの姿勢が後傾となるので視界は空一面、さらにアクセルオフ=急ブレーキとなるので、基本的にはアクセル全開のままナビゲーターのアナウンスを信じてドライビングするという裏話を聞いて筆者も目を丸くして驚いた。


◆三浦さんも40歳&オープンカントリー40周年! アンバサダーとしての活動も楽しみ


今後のオープンカントリーのアンバサダーとしての三浦さんの活動予定だが、まずは次回のダカールラリーへの優勝が大きな目標になる。さらにイベントなどでも三浦さんと会う機会が設けられそうだ。


「オープンカントリーユーザーに直接会って同じユーザー同士だからこそ語れることを話していきたいです。それをトーヨータイヤにフィードバックするのもアンバサダーの仕事だと思っています」


「過去に参加したイベントではM/T-Rを履きたいというユーザーからの質問もありました。その時は硬さやノイズなどを説明して、それでも履きたいと思ってくれるユーザーがいることを実感しました。そんなユーザーのタイヤへの憧れも大切にして行きたいですね」


最後に三浦さんから読者にメッセージをもらった。


「オープンカントリーを履いてオフロードを走る楽しさを味わって欲しいです。ちょっとした砂利道を走るだけで普段走っている舗装路では感じないドキドキ感を味わえます。これはちょっと大げさですがダカールラリーの冒険に通じる部分なんです。タイヤでクルマの楽しみ方が広げられることにチャレンジしてみてください」


ダカールラリーを中心に、ミント400を筆頭として過酷なオフロード競技に挑戦を続ける三浦さん。オープンカントリーのアンバサダーとしても、ますます活動の幅を広げていくだろう。今後の活躍にますます目が離せなくなりそうだ。

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