「イコライザー」とは音を元どおりに戻すための機能!?…キーワードから読み解くカーオーディオ
レスポンス / 2023年4月14日 6時30分
カーオーディオでは、たくさんの専門用語が使われる。そしてそれらの存在がビギナーを惑わすこととなる。当連載はその払拭を目指して展開している。現在は、難解な用語が頻出する「プロセッサー」関連のワードについて説明している。
◆「イコライザー」には役割が2つある。1つは「音の味付けを変える役割」、もう1つは…
今回は、サウンドチューニング機能を搭載したメカである「プロセッサー」に積まれている機能の1つ、「イコライザー」に関連した用語を解説していく。
最初に「イコライザー」とは何かを説明しておこう。ちなみにこれのことを「サウンドの味付けを変える機能」だと思っているドライバーは少なくないはずだ。その認識は正しい。しかし実は、「イコライザー」の役割はそれにとどまらない。もう1つ大事な役割を負う。それは、「周波数特性の乱れを正す」というものだ。
ちなみに「イコライズ」という英単語には以下のような意味がある。「等しくする、平等にする、一様にする」、これらだ。よって「イコライザー」もその言葉の意味するとおり、「周波数特性を一様にする」、さらには「聴こえている音を元々の音と同じにする」機能でもある。つまり、「音を変える」機能というよりもむしろ、「正しい音に戻す」機能という性格が強い。
ただし「周波数特性の乱れを正す」という使い方をしたいと思ったときには、「イコライザー」はある程度高度な仕様になっている必要がある。なので簡易的なタイプの「イコライザー」では「正しい音に戻す」という使い方はし難い。
◆音の高低は、科学的な視点で見るときには「周波数」で言い表されることが多い!?
ところで、この機会に「周波数」というワードについても説明しておきたい。
ちなみに演奏する現場では、音の高低は「ドレミファソラシド」の「音階名」にて説明される場合がほとんどだ。しかしメカ的(科学的)な視点にて音を捉える場合には、音の高低は「周波数」で言い表されることが多くなる。なので「イコライザー」でも、各「バンド」にどの音域が割り振られているかは「周波数」にて表記されている。
で「周波数」とは、音や光や電波が1秒間に何回向きを変えるかというその数のことを指す。音は、静かな水面に石を投げ入れたときに発生する波紋のように、空気中を上下動を繰り返しながら進んで行くのだが、その上下動の大きさは音の高低によって変わってくる。すなわち、1秒間に何回上下動を繰り返すかも、音の高低によって変化する。低い音は1つの波が大きいので振幅数は少なく、高い音は「1波長」が短いので振幅数は多くなる。
なお音程が1オクターブ高くなると、「周波数」は2倍になる。なので「イコライザー」の各バンドに割り振られている周波数の数字は、音程が高いバンドほどかけ算で大きくなっていく。
◆「イコライザー」にはタイプ違いがある。より高性能なのは…
さて、「イコライザー」にはタイプ違いが2つある。1つが「グラフィックイコライザー」でもう1つが「パラメトリックイコライザー」だ。ちなみに一般的なのは前者だ。
それぞれがどのようなものなのかを説明していこう。まず「グラフィックイコライザー」とは、各「バンド」にあらかじめ周波数帯が割り振られていてそれぞれの音量を上下できるようになっている。そして設定が終わると、どのように設定したのかを見て取れる。ゆえに「グラフィック」という名称が付けられている。
一方「パラメトリックイコライザー」の「パラメーター」という言葉には、「媒介変数」とか「設定値」という意味がある。というわけで「パラメトリックイコライザー」とは、音量を変えたい周波数帯と影響が及ぶ範囲、つまりは「設定値」を任意に決められる仕様になっている。
なお、「グラフィックイコライザー」の方が一般的であるのは、こちらの方が仕組みがシンプルなので搭載しやすいからだ。ゆえに多くの機種がこちらを採用している。しかも扱いも比較的に平易だ。
しかし昨今の「外付けプロセッサー」は、ほとんどが「パラメトリック」イコライザーを搭載している。つまり今どきの「外付けプロセッサー」は高性能化が進んでいる、というわけだ。
今回は以上だ。次回以降も「プロセッサー」に関連したワードの意味を解説していく。お楽しみに。
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