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トヨタ 佐藤新社長も「嵐の中の船出」、子会社ダイハツでも不正問題発覚[新聞ウォッチ]

レスポンス / 2023年5月1日 8時54分

「トヨタ自動車の中核グループ企業で、また看過できない不正が見つかった。100%出資するダイハツ工業が海外向けに開発した車で、安全試験の認証手続きを欺いたという」。


こんな書き出しで取り上げていたのが、4月30日付けの日経の社説である。続けて「日本を代表するメーカーがグループ内にどんな病根を抱えているのか。原因究明を徹底した上で、トヨタはグループを挙げて再発防止に取り組まなければならない。日本企業全体の信用力にも関わる問題だ」とも。


トヨタグループでは、日野自動車のトラックの排ガスや燃費をごまかす悪質な不正や、トヨタの源流企業でもある豊田自動織機でのフォークリフトの排ガスデータの改ざんのほか、販売子会社の車検を巡る不正などが相次ぎ発覚。社説でも「いずれも耳を疑うような不祥事である」と手厳しい。


さらに、「原因の究明はこれからだが、ダイハツの奥平総一郎社長は現場に『かなりのプレッシャーがかかっていた可能性がある』と説明。衝突試験で不合格となれば車両の開発計画全体が停滞しかねない。そんな事態を避けなければならないという圧力が、現場を不正に走らせたのではないかと見る」と分析。


しかも、社説では「トヨタは経営陣を刷新したばかりだ。新任の佐藤恒治社長の責任は重い。これからグループ企業全体で開発現場に不正や隠蔽がなかったかを総点検するという。失った信頼を取り戻すためにも、不正の撲滅に不退転の覚悟を求める」とも指摘する。


振り返ると、13年ほど前、現会長の豊田章男氏が社長就任の直後にも米国に端を発した大規模リコール(回収・無償修理)などの難題に直面した。大型連休後に発表する2023年3月期決算こそは好調のようで、リーマンショックの影響で71年ぶりの営業赤字に陥った豊田社長の就任時の「どん底からのスタート」とは異なるが、佐藤社長も就任早々に品質管理や法令順守などの困難な問題を抱え込むことになる。


「いずれ菖蒲(あやめ)か杜若(かきつばた)」ということわざもあるが、わずか1か月で後継社長も「嵐の中の船出」という、よく似た境遇に置かれている。この試練を技術系の生え抜き社長が、どう乗り越えるのか、今のところは未知数でもある経営手腕をしっかりと見守りたい。


2023年5月1日付


●AI対応、G7温度差、デジタル相、統一ルール決められず(読売・3面)


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●ドローン配送最終実証、高精度「レベル4」解禁、物流業界効率化期待(毎日・2面)


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