【日産 セレナ 新型試乗】今のセレナってこんなに快適なのか!ストレスフリーな走りは期待以上…島崎七生人
レスポンス / 2023年6月6日 8時0分
キミは浦島太郎か!?と言われそうだが「今のMクラスのミニバン(=『セレナ』)ってこんなに快適で安心感が高いのか!」と改めて思った。実はe-POWERモデルが新型セレナとの初対面だったが、実力のほどが実感できた次第だ。
◆威圧感を与えないスマートなルックス
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実車はルックスからして好印象。縦に光源を並べたヘッドランプを一体化させたフロントマスクは、ユニークで存在感があるが、決して第三者に威圧感を与えないスマートさがいい。メッキの加飾パーツが“幅”を効かせ過ぎないのがいいのだろう。
サイドスカート部の“抉り”は前席への乗降性に配慮したもの(裾、踵を邪魔しない)形状だそうだが、パネル、部品同士の見切りも詰められ、全体にクリーンでスッキリとした佇まいだ。
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2トーンを含め全14色展開のボディカラーでは、茶室の塗り壁からインスピレーションを得たという“利休(リキュウ)”が注目。パールに青味を入れ深みを出した色だそうで、デザイン担当の入江慎一郎さん自身「個人的に好きな色」だという。アリアの“暁・サンライズカッパー”に続く和名のボディカラーだ。
なお専用のフロントグリル、メタル調フィニッシュパーツ、アルミホイール等を纏うAUTECHのクルマも、いつもどおり艶やかな味わいが印象に残る。おなじみの専用色、カスピアンブルー(M)は新型セレナにも似合っている。
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◆「操作感はいかに?」なシフトも案外すんなり
インテリアも居心地がいい。ウエストラインが低く視界が広いのは歴代セレナの特徴だが、新型もそれが踏襲されている。なので手狭な場所での取り回しでも心理的な不安感がまったくない。
D/M・N・R・Pのシフターは、今や電制で、センターパネルとツライチ(Rのみ小さな突起がある)のボタンが横1列に並び、それで操作を行なう方式。一応は物理ボタンで指先で押せばクゥン!とクリック感があり、「果たして操作感はいかに?」の先入観に対して、案外とすんなりと操作ができた。自宅のIHクッキングヒーターやオーブンレンジを使いこなす感覚と同列といったところか。
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一方で乗車定員は「LUXION」のみ7名で、それ以外はこのe-POWERでも8名の設定。ただし“スマートマルチセンターシート”が全車に標準装備され、これを前後にスライドして活用すれば、8名仕様ながら2列目をベンチシートからキャプテンシート風にアレンジしたり、1列目のセンターコンソールとして利用が可能に。さらにサードシートにはスライド機構が設けられ、居住スペースとラゲッジ空間を自在に調整しながら使うこともできる。
◆ストレスとは無縁、期待以上の走り
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走りも期待以上だった。e-POWERの車重はLUXIONで1850kg、「ハイウェイスターV」で181kgあり、もちろんスポーツカーのようにパワーウエイトレシオを競うようなクルマではない。実際の走行時には、当然、これに乗車人数分のウエイトが加算される。が、そこは基本的に163ps/32.1kgf・mの性能を発揮するモーターが(これも当然ながら)、街中から高速走行時まで無理なく自然にセレナを走らせてくれる。あくまでもストレスとは無縁なところが美点だ。
e-Pedalの操作感もぐっと自然なものとなり、とくにアクセルを抜いていった(減速していった)ときのやりやすさ、スムースさは馴染めた。それと注目のProPILOT2.0も、これまで以上に自然に作動し、高速走行時のハンズオフも、もともとクルマそのものが常に安定した姿勢を保つこともあり、まさに運転の一部をクルマに任せながらの快適なドライブを実現している。
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■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★★
島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト
1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。
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