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【日産 セレナ 新型】人気の理由はどこにある? 3人のキーマンが語る“推し”ポイントとは

レスポンス / 2023年6月9日 12時0分

4月に発売した日産の新型『セレナ』は、すでに2万台もの受注に達するという。第2世代e-POWERの搭載や、プロパイロット2.0を搭載する高級グレード「LUXION」の設定など話題の多い新型セレナだが、人気の理由はどこにあるのか。クルマづくりに携わった3人のキーマンへのインタビューから、その秘密に迫る。


◆新型セレナのコンセプトと推しのポイント


まず一人目は、チーフプロダクトスペシャリストの中村智志氏。新型セレナの開発コンセプトについて聞いた。


----:新型セレナの1番の売りは何ですか?


中村氏:“家族全員のクルマ”をコンセプトにしたことです。パパもママもお子様も平等に疲れにくく、酔わずに、楽しいクルマ。とくにお子様がクルマ酔いしてしまったら楽しくない。家族のみんなが平等で一緒に楽しめるクルマにしました。


----:それを実現するために、どんな“技”が入っていますか?


中村氏:走行中に頭ができるだけ動かないようにした「ゼロクラビティシート」の採用や、車体のロールのスピードを緩やかにしていることなど。それとe-Pedalも今回は進化させて、頭がカックンとならないよう、モーターの特性は活かしつつ違和感のないなめらかな特性にと、担当エンジニアが徹底的にやってくれました。


----:プロパイロット2.0もグンとよくなりましたね。


中村氏:ありがとうございます。『スカイライン』、『アリア』と、お客様の声や蓄積されたデータを反映させながら進化させました。


----:目を逸らした時に出る“前を向いてください”の警告も、今までのように性急過ぎず、諭されている風の人間的な間合いになったというか……。


中村氏:それも日々の進化の反映です。 


----:『エスティマ』、『オデッセイ』など、Lクラスミニバンからの乗り換える方も居るということですが。


中村氏:LUXIONはハイウェイスターよりも高く(479万8200円)、バジェットでいえばLクラスに入ります。Mクラスで400万円を超えるミニバンはありません。そこを見据えてクオリティや設えを価格に見合ったものにし、Lクラスで行き場のなくなったお客様がショッピングバスケットに入れていただけるよう用意しました。


----:縦型のヘッドランプが組み込まれたフロントマスクもスマートですね。


中村氏:先代は技術のイメージが高まり、セレナの強みになったので、今回は先進感をデザインに入れたものになっています。


----:セレナらしさのひとつである「デュアルバックドア」は残したのですね。


中村氏:日常の使い勝手がいいと好評をいただいていましたので。それとe-POWERで8人乗りを設定し、シートアレンジで7人乗り的にも使えるようにしたのもポイントです。


◆新型セレナの「走り」へのこだわり


続く2人目は、「走り」の仕上げに深く関わるダイナミックパフォーマンス実験技術開発担当の藤島幸平氏だ。


----:ご担当の中でとくに力を入れた部分はどこですか?


藤島氏:今回プロパイロット2.0適用のために、先代のコラムアシスト式からラックアシスト式に変えたパワーステアリングを採用しています。フロントサスペンションまわりは『エクストレイル』のそれを5ナンバーサイズに改めて適用しました。


----:e-POWERで8人乗りの設定ができましたが、ボディ剛性に関してはいかがですか?


藤島氏:設計上の目標を達成させた上で、フロントの回頭感、リヤのグリップ感、あとは振動系などを、試作車でいろいろ手を入れながら見ました。


----:身体が振られない乗り心地についても、かなりこだわったそうですね。


藤島氏:そこはだいぶ気を遣ったポイントでした。運転席だけではなく、とくに後席の乗員の方の身体の振られが少ないことを優先してダンパーの適合などさせ、“これがベストな解”というところで作り込んでいます。直接の担当ではありませんが、シートも座面の長さなどにセレナのアドバンテージがありますし、快適性、収納などちょうどいいバランスで作ってあります。


----:ステアリングをセンターに戻す時の感触がややスローに感じましたが。


藤島氏:戻りが早過ぎるとボディが振られてしまうので、そこを対策したセッティングです。それと主婦の方がメインで乗られると思うので、取り回しのしやすさを前提に、低速では軽くしながらもダンピングと戻しの制御でシッカリ感を持たせるようにし、高速では直進感を出したいのでN(ニュートラル、センター)付近を締めてクルマがちゃんと応答するようになるようにして、低速と高速のつながりも滑らかに違和感がないようにしました。 


◆これまでとは違うAUTECHの立ち位置


そして3人目は、今や日産車の一ブランドとしてその地位を確固たるものにしつつあるAUTECH(オーテック)のマーケティングを担う岡谷航平氏だ。オーテックといえば、スポーティなNISMOとは異なるラグジュアリー路線で上級グレードに位置付けられてきたが、新型セレナでは少し立ち位置が異なるようだ。


----:価格設定はオーテックよりもLUXIONのほうが上になるのですね。


岡谷氏:はい、e-POWERのベースの車体価格自体は415万300円です。前型のC27にはNISMO仕様があったのに対して、セレナオーテックの2世代目となる今回は、スポーティ含め、高級感も含め……と併せたところで、今は棲み分けはできていると考えています。


----:立ち位置がこれまでとは違う。


岡谷氏:今までのハイウェイスターGの上を行くLUXIONが出ましたので、オーテックをどう差別化するかがポイントでした。実は初期受注ではLUXIONよりも若い20代、30代の方に選んでいただいています。


----:想定よりもかなり若いということでしょうか。


岡谷氏:ええ。私たちなりに分析すると、昨今の若い方でも少し周りと違った外装、内装のクルマが好まれる傾向がありました。そこに“プレミアムスポーティ”を売りにしたオーテックの外装のトクベツ感がドンピシャに当てはまったのかなと。


----:その傾向は他のオーテックのクルマも同じですか? たとえばエクストレイルやノートとか。


岡谷氏:エクストレイルは40代、50代の方が多く、ノートはダウンサイジングで20代、30代の方が多いです。一方でファミリー層のセレナは、私たちの予想ではオーテックのブランドを知っていたり、デザインが好きな40代の方が来るのでは……と思っていたのですが、その世代はそのままに20代、30代の方にも予想以上に選んでいただいていて、少し驚いています。


----:ハイウェイスターと足回りに違いはあるのですか?


岡谷氏:足回り、タイヤはサイズも含めて同じです。ホイールも16インチでサイズは同じですが、もちろん専用デザインです。


----:当方の個人的見解ですが、マセラティのようなあのホイールのデザインや、キラキラとしたグリルのパターンはエレガントでいいですね。それとボディ色の“湘南茅ヶ崎ブルー”も。


岡谷氏:ありがとうございます。実はデザイナーは海外の高級ブランドのデザインなども参考にしています。


----:シート表皮の微妙な凹凸は身体をホールドしてくれていいですね。


岡谷:工場が茅ヶ崎なので“さざ波”といって海をイメージしたデザインで、今回は3D形状にし、お客様からもご評価いただいています。


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