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ボルボ最小のBEVは500万円前半に、日本市場への本気度がスゴい『EX30』先取りレビュー

レスポンス / 2023年6月15日 8時0分

ボルボ最小のSUVで、かつBEV(バッテリー式EV)でありながらエントリーモデルとなる新型『EX30』。日本でも注目のこのEX30、その実車をイタリア・ミラノでのワールドプレミアからわずか1週間というタイミングで日本で見ることができた。7月末の発表・発売を前に、撮り下ろしの写真とともにインプレッションする。


◆529万円のXC40と同等かそれ以下でBEVを


EX30は、2030年に新車ラインアップの100%をBEVにするボルボにとって最も重要なモデルの一台といえる。「30」という数字の通り、ラインアップの中でもエントリーモデル(入門車)に位置づけられており、すなわち価格的にもボルボ車の最廉価帯ということになる。日本での価格は未発表だが、欧州では約3万6000ユーロ(約540万円)。価格が高くなりがちなBEVだが、内燃エンジン搭載車両と同等の価格を実現する。


ボルボの中ではコンパクトSUVの『XC40』が529万円からだが、EX30はそれと同等、もしくはそれ以下になる可能性もある。


すでに日本の公式サイトでもEX30に関する情報が公開されているが、コンパクトなボディに69kWhのバッテリーを搭載し、1回の充電による航続距離は最大480kmを実現する。ボルボラインアップの中だけでなく、輸入車ブランドであることを考えてもコストパフォーマンスが非常に高いと言って良さそうだ。


ボルボ・カー・ジャパンのマーティン・パーソン社長は「一部の人しか買うことができないBEVでは意味がない。EX30は量販モデル。多くの人に乗っていただけるボルボになる」と語る。


◆「日本にちょうど良さそう」なサイズのボルボ


今回、一部メディアに公開されたのは、欧州仕様のEX30。「わずかな時間であればお見せできる」ということで急遽、青山のボルボスタジオ東京に向かった。一般公開されるものではなく、日本仕様でもないとはいえ、そもそもワールドプレミアからわずか1週間後のタイミングで実車が日本にあることが異例なのだとか。パーソン社長は「それだけボルボ(本社)が日本を重要視しているということ」と話す。


EX30を目の当たりにした率直な感想は「日本にちょうど良さそう」。全長4233×全幅1837×全高1549mmというサイズは、輸入車でいうとアウディ『Q2』が近く、国産車だと全幅以外はトヨタ『ヤリスクロス』に近いといえばイメージしやすいだろうか。フラッグシップとして登場する『EX90』とデザイン上の共通点が多いだけに写真ではサイズ感がわかりづらいが、実車は想像するよりはるかにコンパクトだ。


グリルのないフロントマスクは『C40リチャージ』からの流れを汲むものだが、よりスッキリとしている。ヘッドライトはボルボのデザインアイコンとなっている“トールハンマー”LEDが採用されているが、その形状、発光パターンは最新のEX90に倣っていて、新たなボルボフェイスを作り上げている。前後フェンダーの力強い張り出しやドアパネルの直線的な抑揚、そしてオプションとなる20インチのタイヤを履いていることも、サイズを超えた存在感を生み出す要因となっているようだ。


外観上で最も新しさを感じさせるのがリヤセクション。特にテールランプだ。C40やXC40ではひとつなぎだったLEDのラインがEX30では分断され、ウインドウ部分にI字、その下にVOLVOのロゴを囲むようにC字のLEDが配置されている。夜道などではかなりの存在感を発揮しそうだ。


◆ウール素材のシートに再生プラスチック、でもオシャレ


今回はドアを開けてインテリアを撮影することは叶わなかったが、ウインドウ越しに見るインパネやシートは、先進感を与えるものながらボルボらしさに溢れていると感じた。発表されている通り、ドライバーの目の前にはメーターパネルやディスプレイがなく、情報系はセンターにあるタブレットPCのような縦型ディスプレイに集約されている。シフトレバーもコラムタイプで、最新のBEVらしいミニマリズムを感じさせる。


ここまではある意味トレンド的デザインだが、ボルボらしさはシートやダッシュボード、ドアパネルにより現れている。「ボルボ史上最もカーボン・フットプリント(ライフサイクルを通じたCO2排出量)が小さいクルマ」をうたうように、自然由来の素材をシート表皮に使ったり、再生プラスチックをダッシュボードなどに取り入れるなど、カーボンニュートラルへの取り組みとデザインを高次元で両立させているところにその特徴がある。


今回のEX30は、ウールがブレンドされたシート表皮を採用したもののようで、見るからに優しさを感じさせる。プラスチックの部分も、あえて“混ぜ物感”が見える使い方でありながら、安っぽく見えないデザインに落とし込んでいるのはさすが。月並みな表現だが、これこそスカンジナビアデザイン、北欧家具のようなスマートさと温かさを感じさせるものとなっていた。


シート素材にはウール以外にもリサイクルデニムを取り入れたものや、亜麻仁由来の再生可能な繊維の亜麻、再生プラスチックを含む3D編みニットと、合計4種類のインテリアを選ぶことができるそうだ。


◆発表は7月末、デリバリーは年内に


実車を前に入手できた情報はここまで。あとは写真や公式サイトから気になるポイントを見つけて欲しい。日本での正式発表は7月末。ワールドプレミアから約2か月での日本導入となる。また、デリバリーについても「2023年末までに開始したい」とパーソン社長は意気込む。「EX30は、C40やXC40とは違い、新開発のBEV専用プラットフォームを採用している。走りの良さにも期待して欲しい」とのこと。まずは価格や日本仕様のスペックが発表されるその日を楽しみに待ちたい。


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