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コストとパフォーマンスのトレードオフ? キャリパー交換の真実に迫る!~カスタムHOW TO~

レスポンス / 2023年6月24日 6時30分

ブレーキパッドを押す装置であるキャリパー。アフターパーツでは数十万円から100万円以上と高価だが、それに見合ったリターンがある。ではキャリパー交換にはどんなメリットがあるのだろうか。


一般的な油圧ディスクブレーキはブレーキペダルを踏むことでフルードを圧送して、その圧力でブレーキキャリパー内のピストンが押し出されてパッドをローターに押し付ける仕組み。


そこで重要な役割を持つのがブレーキキャリパーだ。キャリパーはペダルからの圧力を受けてピストンを押し出すので、大きな力が掛かる。ここに剛性がないとペダルタッチがふにゃふにゃしたり、同じように踏んでも効きが安定しないなどブレーキに不安を感じてしまう。


また、いかに均一にパッドを押し付けられるかでもペダルタッチや効きが変わってくる。純正キャリパーで多いのは片押しタイプ。片側にピストンが1つか2つあって、ピストンを押し出してパッドを擦り付けると反対側のパッドもローターに押し付けられる。


放熱性には優れているが、内側と外側のパッドのどちらも均一にローターに押し付けるという意味では左右にピストンのある対向式キャリパーのほうが有利。なので、アフターパーツメーカーのキャリパーはその多くが対向式になっているのだ。


また、ピストン数を増やすこともメリットがある。小さなピストンにして数を増やすことでパッドの形状をローターの外側寄りにすることができる。ローターは少しでも外側を摩擦したほうが効きが良くなるので、ローター径を大きく使ったほうが有利なのだ。


メリットとしてはキャリパーの剛性アップによるペダルタッチの改善、効きの安定化など。また、同時にローターを大きくする場合も多いので、放熱性がアップしてブレーキシステムのキャパシティがアップするメリットもある。


このメリットは大きく、たとえば全体のキャパシティが増えるので同じようにサーキットを走ってもパッドの減りが改善される。これまでよりもストリート寄りの摩材を使うことができるので、ダストも少なく、鳴きにくくなる。パッド自体が安価になる、などメリットが多数ある。


◆デメリットは重さと価格、そこも考慮して選択したい


だがもちろんデメリットもある。まずは重さだ。ブレーキは運動性能やハンドリングに大きく関わると言われるバネ下に配置されている。バネ下とはサスペンションのスプリングよりもタイヤに近い部分のことで、ここの重さはサスペンションの上下動に関わるので運動性能への影響が大きい。同じ重量でもバネ下の軽量化はボディの軽量化の10倍効くなんて言われる部分である。


そんなバネ下なのでキャリパーキットを導入してビッグローターにすると重量は増えやすい。正確には純正のスチール製キャリパーから、アフターのアルミ製キャリパーにした場合、重量的にはそう変わらないかもしれないがローター径が大きくなると多くの場合で重くなる。


そこでローター側も2ピース構造のものはベルハウジングをアルミ製にして軽量化を図ることもあるが、それでも純正サイズのローターより軽くするのはなかなか難しいのだ。


そうなるとブレーキの効きは良くなるが、ハンドリングがもっさりするとか、サスペンションの路面追従性が落ちる可能性も出てくるのだ。


なので、無闇にキャリパーキット導入&ビッグローター化が良いとは限らない。適切なサイズのローターを選ぶようにしたい。ブレーキシステムに余裕のある車種では、あえて純正と同サイズのローターをチョイスして、重量増を抑えつつ、ブレーキタッチを改善するのも手なのだ。


価格面でも負担は大きい。リーズナブルなキットでもフロントのみで30万円くらいからが相場。鍛造アルミモノブロックキャリパーとなるとフロントだけで70~80万円。前後で150万円オーバーということもある。その代わりに圧倒的な剛性感のあるペダルタッチとタフな効きが手に入る。


とはいえ、いかんせんコストが掛かる。しかし、車種によっては早めのチョイスがトータルコストを抑えることもある。たとえば先代86/BRZの場合、サーキットを走るとキャリパーがダメージを受けやすい。キャパシティ的にミニサーキット走行がギリギリなので、毎年オーバーホールと頻繁なパッド交換が必要になる。


早めにキャリパーキットを投入するとパッドは長持ちし、キャリパーオーバーホールも数年に1度で十分になる。毎月サーキットを走るような人なら4~5年でキャリパーキットのコストの方が安くなることもある。


もちろん、コスト面に加えて圧倒的なタッチと効きのブレーキが手に入るわけだ。そういった面でトータルで見ると意外とメリットが大きいのがキャリパー交換なのだ。

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