【マツダ2 BD 新型試乗】これが最後の改良か? ドル箱車種の「次」が気になる熟成度…中村孝仁
レスポンス / 2023年6月24日 12時0分
2023年1月、マツダは現行『マツダ2』の大幅商品改良を発表した。もっとも機械的な改良はなされていなので、大幅…は少々大袈裟に聞こえる。
現行マツダ2は元々『デミオ』の名を持って登場した。しかし、海外では2代目のデミオからマツダ2を名乗っているので、マツダ2としては3代目。デミオの時代を含めると現行モデルは4代目ということになる。
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因みにライフスパンを見てみると初代デミオが6年、海外でマツダ2と呼ばれるようになった2代目は5年。3代目が7年、そして現行モデルは今年で9年目を迎え、ライフスパンが伸びていることがわかる。日本でマツダ2と呼ばれるようになったのは2019年の商品改良からで、グローバルでマツダ2と呼ばれるようになった。
今回の商品改良はデザインの変更、ボディカラーの見直し、それに車種体系の見直しと新機種の投入で、今回お借りした「BD」と呼ばれるモデルはその新機種の1台であると同時に、塗装色エアストリームブルーメタリックは新色の一つである。
◆200万円で買える、というバリューフォーマネー
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もっとも目を引くのはホワイトの樹脂で覆われたグリルであろう。さらに前後バンパーのデザインも変えられているそうだが、そのあたりになると余程詳しい人でないと一目で見分けることはできない。室内のダッシュボードもボディカラー同色の薄いブルーで覆われていたが、この部分は植物由来の材料「バイオエンプラ」という素材で作られていて、従来よりも高い質感を出しているそうだ。因みにダッシュのカラーはボディ同色以外も選べる。
今回お借りしたモデルは新しいBDの中でもその名を「ルーキードライブ」と名付けられた商品パッケージを備えたモデル。なんとなくルーキーなどと呼ばれると気恥ずかしい年ごろではあるが、レーシングオレンジというカラーをサイドミラーをはじめとしてそこかしこにちりばめたかなり派手目の外観に仕上がっている。
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因みにルーキードライブはショップオプションの設定で、これまた派手目なホイールキャップの塗装やレーシングオレンジのルーフスポイラー、ドアミラーなどを含むが基本的にはデカールセットが中心。価格は17万2590円と結構高価である。
とはいえこのBDそのものが非常にバリューフォーマネーである。車両本体価格は税込みで164万7800円。メーカーのセットオプションとルーキードライブのオプションを込みにしても201万690円が総額である。
つまり、重要と思われるメーカーオプションを残して、少し装備を落とせば200万円を切る価格で手に入るということだから、先日試乗した某メーカーのプレミアム価格帯の軽自動車と比べても100万円近く安い。実にお買い得感が高い。
◆デビュー9年目、熟成の極み
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流石にデビューから9年目を迎えて、クルマ自体は熟成の極みと言ってよい状況だから、走りの新鮮味はない。しかし代わりに安心感はすこぶる高い。1.5リットルのガソリンエンジンと6ATの組み合わせにしても縦置き横置きの違いはあれど、基本的には『ロードスター』の組み合わせと一緒である。おまけに車両重量だって1090kgしかないから、決して韋駄天の速さは持ち合わせていないが、キビキビと走らせるには十分なポテンシャルを持っている。
このエンジン、前回の商品改良で投入されたガソリンのSKYACTIVユニットであるが、その圧縮比、実に14.0という超高圧縮仕様である。ターボディーゼルの方が14.8であるから如何にガソリン仕様の圧縮比が高いかわかる。そしてこの高圧縮比は燃費にも環境性能にも効果をもたらしているそうだ。
まあ、実際に走って高圧縮費が実感できるわけではないけれど、このモデル末期になっても突き詰めた改良を重ねているから、古さは感じさせないし、今回のリフレッシュは基本的に見た目のリフレッシュ。元々コンパクトで好ましいデザインの外観に加えて少し派手目にしたことで十分に新鮮さを味わえる。
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◆ドル箱車種なだけに「次」も期待
まあ、すでに9年が経つし、今回も機構的変化はないところに持ってきて車種体系の見直しと称する車種整理も行われたから、恐らく最後の商品改良となるだろう。現在このクルマはアメリカ市場では販売されていないが、2024年にニューモデルが登場すると書いているところもある。マツダ2はマツダブランドでは『CX-5』に次ぐ販売を今も続けるいわばドル箱車種なだけに次も期待したい。
■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★★
おすすめ度:★★★★★
中村孝仁(なかむらたかひと)AJAJ会員
1952年生まれ、4歳にしてモーターマガジンの誌面を飾るクルマ好き。その後スーパーカーショップのバイトに始まり、ノバエンジニアリングの丁稚メカを経験し、さらにドイツでクルマ修行。1977年にジャーナリズム業界に入り、以来45年間、フリージャーナリストとして活動を続けている。また、現在は企業やシニア向け運転講習の会社、ショーファデプト代表取締役も務める。
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