タイヤ選びの重要性と外径アップがもたらす驚きの効果~カスタムHOW TO~
レスポンス / 2023年7月18日 6時30分
インチアップした際にはタイヤ外径は元のサイズに揃えるのが基本だが、外径が大きくなるサイズにするメリットもある。どんなメリットがあり、車検はどうなるのか!?
◆そもそもインチアップとは
![](https://response.jp/imgs/zoom1/1909095.jpg)
ドレスアップの定番であるインチアップ。ホイールの径を大きくすることのことで、ホイールが大きくなるとスタイリッシュに見えやすい。それに合わせてタイヤサイズも変更となる。
17インチで255/40を履いていて、18インチにしたら255/35Rになるという具合だ。POTENZA RE-71RSの場合だと、255/40R17の外径は636mm。255/35Rの外径は637mmとほぼ同じ外径になる。
◆タイヤサイズは変えても問題ない?
![](https://response.jp/imgs/zoom1/1909097.jpg)
この外径が車検に関係あるのでちょっと面倒な存在。速度計はギアのセンサーの回転数からその時の速度を算出しているが、タイヤ外径が変わると実際の速度が変わってしまうのだ。
そこで車検時では実際の速度と速度計の誤差が定められている。プラス6%~マイナス22.5%というもの。例えば40km/hを速度計が指していたとしたら、実際の速度は約42~31km/hでなければいけない。
インチアップではホイールが大きくなるので、タイヤ外径も大きくなることが多い。そうなると速度計以上にスピードが出やすいので車検NGになりやすいのだ。
とくに実際の速度より高く表示される方向では許容範囲が大きいが、実際よりも速度が低く表示され、思った以上に速度が出てしまう方向へは6%しか許容範囲がない。すなわち外径アップも元の外径の数%アップまでに留めなければならないのだ。
◆チューニングの世界では大きければ大きいほどいい!?
ところがチューニングカーのタイムアタックの世界ではタイヤ外径は大きくする方向がトレンド。究極のグリップ力を求める激しいチューニングカーでは295/30R18サイズが多かったが、今や主流は295/35R18サイズに変わった。
295/30R18の外径は635mm。295/35R18の外径は663mm。28mmも外径が大きくなっている。その理由を聞くとグリップ力だという。
これまでタイヤのグリップ力を上げるというと横方向の幅を広げるのが一般的。215から235、235から255とどんどん幅を広げ、それに合わせてホイールのリム幅も広げてきていた。
外径を大きくするとタイヤの前後方向の接地面積を大きくすることができる。ゴーカートの小さなタイヤよりも、トラックのタイヤの方がタイヤが大きく、進行方向への接地面積が大きく取れるのと同じことなのだ。
◆扁平率が高いとどうなるか
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また扁平率が大きくなるメリットもある。タイヤのハイトと言われるサイドウォールが分厚くなるので、その分タイヤがたわみやすくなる。
このたわみがハンドリングをグニャグニャとさせ、シャープさに欠くことからインチアップして扁平率を下げることもあるが、究極のグリップを得ようとするとある程度タイヤが潰れやすい方がこれまたタイヤの接地面積を増やすことができ、グリップ力を得やすいのだ。
そういった理由からタイムアタックの世界ではタイヤ外形をアップさせ、扁平率もアップさせる方向にチューニングがシフトしてきているのだ。
◆目的に合わせたタイヤ選びが大事
ただ問題はある。先述のように速度計問題があり、公道での使用は難しい。また、タイヤハウス内の問題もある。大きくストロークしたり、ステアリングを大きく切った時にインナーフェンダーやフェンダーなどに当たりやすくなってしまう。それどころかボディ自体やフレームなどにもタイヤが接触してしまうこともあるのだ。
それでもメリットがあるのでフェンダー内を大きく加工したりして、外径の大きなタイヤを収める工夫をしているのだ。
公道では使えないができるだけ外径が大きなタイヤを使うのは、速く走る上ではメリットがある。そういう意味ではサーキットだけ外径の大きなタイヤに履き替えるという手もある。
これまではサーキットではSタイヤと呼ばれるセミスリックタイヤを使う人がいたが、最近ではそれほど使っている人は多くない。現在はそれに近いグリップ力を持つ公道で普通に使えるラジアルタイヤが多数発売されているから。
しかし、タイヤ銘柄を変えるという意味ではなく、外径の大きなタイヤを履かせるという意味で、サーキットでは専用の外径の大きなタイヤを履かせて、普段乗りは純正タイヤサイズの外径に従ったものを使うという選択肢もあるのだ。
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