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【ハーレーダビッドソン CVO 海外試乗】この“グライド感”はキング・オブ・ハーレーでしか味わえない…佐川健太郎

レスポンス / 2023年7月29日 20時0分

誕生120周年記念を迎えたハーレーダビッドソンが満を持してリリースした最新にして今年最大の目玉が『CVOロードグライド』と『CVOストリートグライド』である。ハーレーの本拠地、米国・ミルウォーキーでさっそく試乗してきたのでレポートしたい。


◆エンジンはハーレー史上最大排気量


CVO(カスタム・ビークル・オペレーション)とは最高級グレードの装備が与えられた限定生産モデルのことで、いわばハーレー自らがカスタマイズした究極のハーレーである。


その新型CVOだがすべてが進化した。LEDヘッドライトが埋め込まれた新型フェアリングにボディと一体化したサドルバッグ、新型ホイールを装備するなどデザインを一新。特に注目はエンジンで、ハーレー史上最大排気量 1977cc を誇る空冷 V ツイン「ミルウォーキーエイトVVT 121」は可変バルブ(VVT)を搭載、一部水冷化システムを導入するなど歴代最強のハイパフォーマンスを実現している。


足まわりも強化され、サスペンションも新型のSHOWA製となり快適性を飛躍的に向上。ブレーキもブレンボ製ダブルディスク&ラジアルマウントキャリパーを採用するなど走りの性能にもこだわっている。


また、3種類のライドモードと最新の安全強化パッケージにより、あらゆるシチュエーションで安全性を担保。全く新しいインフォテインメントを導入したスマホ連動機能や高品質オーディオシステムも刷新された。これらのデバイスはタッチスクリーン式の12.3 インチTFT大型ディスプレイを通じて操作可能とするなど一気に先進化されている。


◆独特の“グライド感”はハーレーでしか味わえない


まずは特徴的なシャークノーズ型の大型フェアリングを装備した「CVOロードグライド」から試乗。威風堂々たる装いはまさにハーレーの王様だ。排気量2リットルに迫る新型エンジンは元来の分厚いトルクがVVTによってさらにワイドレンジ化され燃費も向上。どこまでも続くフリーウェイを1500rpmという信じられない低回転域で6速巡行できてしまう。円やかでヘビーな鼓動とともに路面を滑るように走る独特の“グライド感”はハーレーでしか味わえないものだ。


400kg近い車体はたしかに重いが従来型からは35ポンド(約16kg)軽くなり、重心もより低くなったことでパーキングでも取り回しやすくなった。そして、一旦走り出してしまえばどっしりとした安定感で街中の交差点も普通に曲がっていく。


ワインディングも走ったが想像していた以上に軽快でスポーティ。「スポーツモード」に切り替えるとスロットル反応が機敏になって積極的に車体のモーションを作りやすく、ちょっとしたキッカケを与えてやるだけで狙ったラインを正確にトレースすることができた。


また、SHOWA製の倒立フォークは剛性が高く乗り心地重視でありながらしっかりダンパーも効いたタイプ。コーナリングでもしっかり踏ん張ってくれるしバンク角にも余裕が生まれ、強力でコントロールもしやすいブレンボ製ブレーキはヘビー級の巨体を余裕で減速させてくれた。ちなみにシート形状も見直されてよりスポーティな乗り心地になっている。ちょっと驚きの進化ぶりである。


◆成熟した大人のライダーにこそ乗ってもらいたい


「CVOロードグライド」で少しだけ気になったのは、ハンドル位置が従来モデルより高くワイドになったこと。ロングライドに最適化したそうだが、体格によってはちょっと大柄に感じるかも。その点で言えば、「CVOストリートグライド」のほうが身近に感じるだろう。


エンジンもシャーシも共有する双子の兄弟で、外観上の大きな違いはハーレー伝統のバッドウイング型フェアリングを装着していることぐらいだが、実際に乗ってみるとハンドルがより低く手前にあるためライポジもよりコンパクトに感じるはずだ。車重も若干だが軽くシートも5mm低い。ロードグライドが高速クルーズ向きとすれば、ストリートグライドはさらにローカルでも守備範囲を広げられそうだ。


ちなみに車体前後にライダーを取り囲むように配置された4つの大出力スピーカーは高速走行中でもクリアなサウンドを届けてくれた。CVOはたしかに高価なバイクだが、そこにはハーレーの頂上モデルでしか成しえない感動がある。成熟した大人のライダーにこそ乗ってもらいたいモデルである。


■5つ星評価
パワーソース:★★★★★
ハンドリング:★★★★★
扱いやすさ:★★★
快適性:★★★★★
オススメ度:★★★★★


佐川健太郎|モーターサイクルジャーナリスト
早稲田大学教育学部卒業後、出版・販促コンサルタント会社を経て独立。編集者を経て現在はジャーナリストとして2輪専門誌やWEBメディアで活躍する傍ら、「ライディングアカデミー東京」校長を務めるなど、セーフティライディングの普及にも注力。(株)モト・マニアックス代表。バイク動画ジャーナル『MOTOCOM』編集長。日本交通心理学会員。MFJ公認インストラクター。

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