マツダ「GR86とBRZをぶっちぎる」カーボンニュートラル燃料ロードスターで勝利宣言? S耐参戦のねらい
レスポンス / 2023年7月31日 15時0分
スーパー耐久シリーズに参戦しているマツダ(MAZDA SPIRIT RACING)は、メーカー開発車両がしのぎを削るST-Qクラスに新たにカーボンニュートラル燃料に対応した『ロードスター』を投入。同じクラスを戦うトヨタとスバルに対し「ぶっちりぎりで勝ちたい」と目標を掲げた。
◆バイオディーゼルに加えカーボンニュートラルの可能性も模索
7月29日~30日にかけて、大分県のオートポリスでENEOSスーパー耐久シリーズ2023 Supported by BRIDGESTONE第4戦『スーパー耐久レース in オートポリス』が開催。その中でS.T.O(スーパー耐久機構)が認めたメーカーの開発車両が走るST-Qクラスに、12号車「MAZDA SPIRIT RACING ROADSTER CNF concept」が参戦すると発表された。
ST-Qクラスには、液体水素で走る32号車「ORC ROOKIE GR Corolla H2 concept」、カーボンニュートラル燃料で走る28号車「ORC ROOKIE GR86 CNF Concept」、同じ燃料で走る61号車「Team SDA Engineering BRZ CNF Concept」、ホンダの271号車「CIVIC TYPE R CNF-R」や55号車「MAZDA SPIRIT RACING MAZDA3 Bio concept」が参戦している
28号車GR86で参戦するトヨタと61号車BRZで参戦するスバルは、当初より技術交流を重ねカーボンニュートラル燃料の問題点や市販車への転用技術などを共同で模索している。マツダはスーパー耐久の同じカテゴリーで切磋琢磨している姿をみているなかで、同じ土俵で戦うことを望んだ。
マツダは2021年の最終戦でST-Qクラスに「MAZDA SPIRIT RACING Bio concept DEMIO」としてバイオディーゼルで走るデミオを投入。1.5リットルのSKYACTIV-Dで経験を積み、2022年の最終戦にMAZDA SPIRIT RACING MAZDA3 Bio conceptとして、2.2リットルディーゼルエンジンを搭載したマツダ3を投入していた。
ディーゼルエンジンとバイオディーゼルの可能性を探るためのテストとしてMAZDA SPIRIT RACING MAZDA3 Bio conceptは参戦しているなかで、新たにトヨタ、スバルと同じカーボンニュートラル燃料を使用する2.0リットルエンジンのロードスターを登場させた。
◆「GR86とBRZをぶっちぎる速さを手に入れる」
ドライバーにはマツダのデザイナーでMAZDA SPIRIT RACINGのチーム代表を努める前田育男に、ロードスターとの関わり合いが深い、坂口良平、堤優威のプロドライバーを起用する。
会見の中で前田氏は「GR86とBRZの戦いが羨ましいと思っていた。そこのなかに割って入りたい。今は車も出来上がったばかりなので、速さも無いですがいつかは3ワイドで走ってみたい。そしてGR86とBRZをぶっちぎる速さを手に入れて前を走りたい」と目標を掲げた。
会見ではGAZOO Racing パワトレ開発の小川輝氏や、SUBARUの本井雅人監督も出席し、共同開発に関わる部分の説明も行われた。
GR86は1.4リットル直列3気筒直噴ターボエンジン、BRZは2.4リットル水平対向4気筒自然吸気エンジン、ロードスターは2.0リットル直列4気筒自然吸気エンジンと、排気量やエンジンレイアウトの違いがある。その分様々なデータが多く集まることになり、同じカーボンニュートラル燃料を使うことでどのような症状が起きるのかなどの研究開発でも3社にとってもメリットがあるという。
30日に行われた5時間という長い耐久レースのなかで、MAZDA SPIRIT RACING ROADSTER CNF conceptは問題なく走行を続け、ラップタイムもトップを走った28号車のGR86より2秒落ち程度のタイムで走行ができていた。
決勝を終えてチーム代表兼ドライバーの前田氏は「完成したばかりのマシンで、走行に関しては大きなトラブルもなく走り切れた。ポテンシャルはあることは分かった。2リットルエンジンのパワーアップや車体の軽量化など、一気に行うことは難しいけれど徐々に開発を行っていきたい」と語った。
新たなメーカー同士の戦いが始まったスーパー耐久ST-Qクラス。次戦は9月2日~3日、栃木県のモビリティリゾートもてぎで5時間レースが行われる。どのような戦いが見られるのか楽しみだ。
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