【トライトン vs ハイラックス 比較】注目集まるピックアップトラック
レスポンス / 2023年8月30日 11時30分
2023年、タイのバンコクにおいて発表された三菱の『トライトン』は、2024年には日本での発売も予定されている。同じくタイで作られるピックアップトラックのトヨタ『ハイラックス』とのライバル比較を行った。なお、トライトンはタイ仕様のデータである。
◆全長はともに5320mm、ホイールベースは3m超
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・トライトン主要外寸(mm)
全長:5320
全幅:1865
全高:1795
ホイールベース:3130
最低地上高:222
・ハイラックス主要外寸(mm)
全長:5320~5340
全幅:1855~1900
全高:1800~1840
ホイールベース:3085
最低地上高:215
トライトンの先代モデルは2014年のデビューで、おおよそ9年の月日を経てフルモデルチェンジした。フレームから新設計としホイールベースは従来モデルよりも130mmも延長した3130mmとなった。ボディ外寸についても全長で110mm、全幅で45mmの拡大が行われている。
対するハイラックスは2015年のデビューであるから、世代的には先代のトライトンに近い。とはいえ、ホイールベースはすでに3mを超える3085mm、基準仕様の全長は5320mmでトライトンと同一、基準仕様の全幅はトライトンより10mmナローな1855mmとなる。
◆日本向けは、ともにダブルキャブ仕様の4WDモデルか
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トライトン、ハイラックスともに日本に輸入されるモデル(トライトンは予定)のボディタイプはダブルキャブである。一般的にピックアップトラックにはシングルキャブをはじめとして、さまざまなボディタイプが用意されるが、日本での需要を考えると2列シートで5名が乗車できるダブルキャブに絞られるというわけだ。当然シングルキャブと比べると荷台の寸法は小さくなるが、それでもトライトンの場合で最大長×最大幅は1555×1545(mm)、ハイラックスでは最大長×開口部幅で1565×1380(mm)を確保している。
シャシはいずれもラダーフレームをベースにしたもの。フロントサスペンションはコイル式のダブルウィッシュボーン、リヤサスペンションはリーフリジッドで左右のショックアブソーバーはリヤアクスルの前後に取り付けられる“ちどり配置”となる。
日本で販売されているハイラックスは4WDのみだが、現地やほかの仕向地ではFRの2WD仕様も用意される。トライトンも同様だが、日本に輸入されるモデルは4WDとなるとみていいだろう。トライトンの4WDシステムはシンプルなイージーセレクト4WDと、高機能なスーパーセレクト4WD-IIがあるが、日本仕様はおそらくはスーパーセレクト4WD-IIモデルが導入されることになりそうだ。
ハイラックスの4WDシステムはパートタイム4WDで、リヤアクスルのみを駆動する「H2」、前後直結4WDの「H4」、前後直結4WDで減速比を落としたローモードとなる「L4」の3モードを用意。切り替えはロータリースイッチによって行う。Z GR SPORTとZにはアクティブトラクションコントロールを装備。アクティブトラクションコントロールは、「H4」もしくは「L4」モードで走っている際に空転したタイヤを4輪独立制御するブレーキで制御することによって、接地しているタイヤにトラクションを伝達するもの。ハイラックスはATの制御に、ノーマル、エコ、パワーの3モードを備える。
一方、トライトンが採用するスーパーセレクト4WD-IIは、後輪駆動の「2H」、フルタイム4WD(前後トルク配分が変化する)となる「4H」、センターデフを直結状態とする「4HLc」、センターデフ直結で減速比を下げる「4LLc」の4モードを持つ。「4H」では前後駆動力配分を適切に調整しながらの走行が可能。「4HLc」と「4LLc」ではセンターデフをロックした直結4WDとしてヘビーデューティな路面にも対応する。ドライブモードは多彩で、「ノーマル」、「エコ」、「グラベル」、「スノー」、「マッド」、「サンド」、「ロック」の7種を設定。「ノーマル」はすべての4WDモードで適用となる。「エコ」は2Hのみ選択可能、4Hでは「グラベル」と「スノー」が選択可能、4HLcでは「マッド」と「サンド」が選択可能、4LLcでは「ロック」が選択できる。
ハイラックスのアクティブトラクションコントロールに相当するのがトライトンのアクティブLSDで、同様にタイヤが空転した際には空転している車輪に対して独立してブレーキを作動させる装置。またトライトンには三菱が誇る車両安定化システムであるクティブヨーコントロール(AYC)も搭載される。AYCはコーナリング中にフロント内側のブレーキを作動させることで旋回性能を向上する装置である。
◆SUV並みに快適装備や安全装備も充実
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東南アジアやオセアニア地区ではまさにトラックとして使われることが多いが、日本におけるピックアップトラックはヘビーデューティなクロスカントリー4WD、もしくはSUV的な使われ方となる。このため、快適装備や各種安全性能も重要になってくる。ハイラックスはACC、プリクラッシュセーフティ、レーンデパーチャーアラート、ロードサインアシスト、クリアランスソナー、バックソナー、先行車発進告知、ドライブスタートコントロールを装備。トライトンのタイ仕様はACC、衝突被害軽減ブレーキシステム、後側方車両検知警報システム(レーンチェンジアシスト機能付)、後退時交差車両検知警報システムを装備するとのこと。
ハイラックスはT-コネクトナビを装着することで、地図を最新版に更新可能なマップオンデマンド、オペレーターサービスが可能。AppleCarPlayやAndroid Autoを使ったスマホ連動では、音声操作、電話応対、メッセージ送信なども可能となる。
トライトンは三菱コネクトを採用。エアバッグが展開した際、コールセンターに自動通報するSOS エマージェンシーサービスを搭載。スマートフォンと連携した操作では、駐車位置をスマートフォンアプリの地図に表示させて自車位置の確認ができるカーファインダー、燃料の量やオイルの状態、ドライブ履歴などの確認が可能。リモート操作で乗車前にエアコンを作動させることや、ヘッドライトやホーンを操作することも可能。スマートフォンの連携は電話回線を使用するので、電波受信できる範囲であれば遠く離れていても通信が可能となっている。もちろん、これらの装備は日本導入時にブラッシュアップまたは採用見直しが行われることを前提としたい。
◆トライトンはエンジンの詳細不明もパワフルな内容に期待集まる
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ハイラックスのパワーユニットは2GD-FTV型の直列4気筒ディーゼルで、最高出力は110kW/3400rpm、最大トルクは400Nm/1600~2000rpmの1種のみ。トライトンのパワーユニットは4N16型で、ハイラックス同様に直列4気筒ディーゼル。スペックは3種あり、もっともパワフルな仕様が150kW/3500rpm、470Nm/1500~2750rpm。中間の仕様が135kW/3500rpm、430Nm/2250~2500rpm。もっともおとなしい仕様が110kW/3500rpm、330Nm/1500~3000rpm。どの仕様が日本に導入されるかは不明だが、中間仕様でもハイラックスよりも力強いエンジンが搭載されることになる。
ハイラックスのグレード展開はベーシックのSと上級のZで、Zにはスポーツイメージを強調したGR SPORTも設定される。一方、日本に導入されるトライトンのグレードは不明。タイ仕様のカタログには135kWモデルしか掲載されておらず、150kw仕様はまだ未掲載である。しかしながら、トヨタにGRがあるように、三菱にも復活したラリーアートが存在するのだから、パワフルなイメージリーダーモデルに期待が集まるのは言うまでもない。
ハイラックスの価格はXが352万7000円、Zが388万2000円、Z GR SPORTが431万2000円となる。トライトンのタイでの現地価格は82万バーツ~102.7万バーツ。円安傾向はタイバーツに対しても同様で、執筆時のデータで1バーツは4.12円。車両価格を換算すると約338万円~423万円でほぼ同一である。
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