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[外部パワーアンプで良音を満喫] 「動作方式」の違いで音が変わる! 選ぶべきはどれ?

レスポンス / 2023年9月24日 13時30分

純正・市販を問わずカーオーディオの「メインユニット」には「パワーアンプ」が内蔵されている。しかし愛好家の多くは敢えてそれを使わずに、「外部パワーアンプ」をシステムに組み込む。当特集では、そうする理由からこれを使うコツまでを解説しようと試みている。


◆カー用の「外部パワーアンプ」にて採用されている「動作方式」は、3タイプ!


今回は、「外部パワーアンプ」には仕組み的なタイプ違いがあることを説明していく。仕組み的なタイプ違いとはつまり、「動作方式」の違いだ。「パワーアンプ」は、音楽信号をスピーカーを駆動できるレベルにまで増幅するためのメカだが、その増幅の仕方に違いがあるのだ。


とはいえその種類は多くはない。カーオーディオ用の「外部パワーアンプ」では、以下の3タイプがあるのみだ。「A級」、「AB級」、「D級」、この3つだ。


ところでこれらアルファベットは、グレードや優劣を表すものではない。単なる名称だ。発明された順にそれぞれアルファベットが割り振られた。つまり「A級」がもっとも古くからある方式で、「D級」がもっとも新しい。


なので「B級」と「C級」も存在しているのだが、カー用の機器で「B級」と「C級」の「動作方式」が採用されたモデルはない。言うなればこの2つは、あまり実用的ではないのだ。


ただし、「B級」の仕組みは「AB級」にて活かされている。


◆「A級」と「B級」の“良いとこ取り”をして「AB級」が誕生!


ところで「A級」と「B級」は仕組み的に正反対だ。結果、特長も真逆だ。「A級」は小出力ながら音は高品位で、対して「B級」は効率が良く大出力を取り出せるものの音質性能的にはあまり良くない。なのでそれぞれの“良いとこ取り”をして「AB級」が作られた。かくしてカー用の「外部パワーアンプ」では、「A級」よりも「AB級」の方がスタンダードだ。


しかしながら、「A級」が採用されたモデルも脈々と作られ続けてきた。消費電力が大きくなりがちでかつ発熱量も多いので(音楽信号を増幅する際には電気がある程度熱に変わってしまうので、どんな「パワーアンプ」でも少なからず発熱する)カーでは使いにくくなる傾向があるが、音質性能的に優れていることから敢えてこれが採用されたモデルも根強く支持されてきた。


ちなみに最新の「A級モデル」は、不利点が目立ちにくいような工夫が凝らされている場合が多い。使いにくい「A級モデル」は減りつつある。


とはいえ、「AB級」の「動作方式」が採用されたハイエンド機もさまざまある。つまり、音質性能的に「A級」が絶対的な存在ではない。使いやすさと音の良さを両立させた「AB級モデル」も多々ある。


というわけなので、「A級」と「AB級」のどちらが優れているかは一概には言い切れない。なので、特長に違いがあることは事実ながらも機種の選定においては「動作方式」の違いは参考程度に見るにとどめ、最終的には各機の音を聴き比べて選びたい。


◆「D級」はカーオーディオ向き!? コスパの高い優秀機が多数存在!


次いで、「D級」について説明していこう。なおこの「D」はデジタルの「D」だと思われがちだが、これは先述したとおり発明された順番で付けられたもので、「デジタル」の「D」ではない。しかし仕組み的には偶然にも、「デジタル方式」と言って良い。


というのも「D級」は、ざっくり説明すると音楽信号を「0」と「1」に置き換えた上で増幅する。ゆえに「A級」や「AB級」とは仕組みが大きく異なっている。そして特長も異なる。「D級」は効率がとても良く大出力を取り出しやすい。しかしその割に、消費電力は少なく発熱量も少ない。そして小型化も効く。カー用の「パワーアンプ」として実は、案外向いている。


しかし、音的には不利だと言われていた時代もあった。だが近年は、この不利点は払拭されている。今は、音の良い「D級パワーアンプ」がざらにある。


ただ、「D級」の超高級モデルはほぼない。「D級」は、コストをかけてもそれに比例して性能が上がりにくいからだ。逆に、かけるコストが限定的でも高性能なモデルを作れるので、リーズナブルなのに音が良いモデルが多くある。ここも「D級」ならではの特長だ。


今回は以上だ。次回以降も「外部パワーアンプ」について深掘りしていく。乞うご期待。

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