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メルセデスベンツ GLCクーペ 新型に頂点「AMG 63」、電動ターボのPHEVで680馬力

レスポンス / 2023年9月29日 7時30分

メルセデスベンツは9月26日、SUVクーペ『GLCクーペ』新型の高性能電動モデル、メルセデスAMGGLC 63 S Eパフォーマンス・クーペ』(Mercedes-AMG GLC 63 S E PERFORMANCE Coupe)を欧州で発表した。


◆0~100km/h加速3.5秒で最高速は275km/h


従来型の4.0リットルV8から大幅にダウンサイズした2.0リットルの直列4気筒ガソリンエンジンをフロントに搭載する。新エンジンには、電動ターボチャージャーが装着され、最大出力は量産4気筒エンジンで世界最強の476hp/6725rpmを発生する。最大トルクは55.6kgm/5250~5500rpmを引き出す。リアアクスルには、最大出力204hpの電気モーターを搭載した。プラグインハイブリッド(PHEV)システム全体で、680hpのパワーと104kgmのトルクを獲得する。


トランスミッションには、9速の「AMGスピードシフトMCT 9G」を採用した。トルクコンバーターの代わりに湿式多板クラッチを搭載し、ダイレクト感のある素早いシフトチェンジと高い伝達効率を追求する。レーススタート機能も付く。よりスポーティなドライビングが楽しめる「Sport」「Sport+」、さまざまなパラメーターを個別に設定できる「Individual」などのモードを採用した。0~100km/h加速は3.5秒、最高速は275km/h(リミッター作動)だ。


システム全体の出力とトルクは、V8エンジンを搭載した従来型「GLC 63 Sクーペ」(最大出力510hp、最大トルク71.4kgm)を170hp、32.6kgm上回る。さらに、蓄電容量6.1kWhのリチウムイオンバッテリーを搭載しており、最大12kmをゼロエミッション走行できる。


◆F1譲りの「Eパフォーマンス」テクノロジー


排気量2.0リットルの直列4気筒エンジンで、従来型を上回る性能を実現するために、メルセデスAMGはF1譲りの「Eパフォーマンス」テクノロジーを導入した。「AMGパフォーマンスハイブリッド」を、電動ターボ付きの4気筒ガソリンエンジンに組み合わせる。


この2.0リットルエンジンは、メルセデスAMGの横置きエンジンのコンパクトパフォーマンスモデル、「45」シリーズに搭載されている「M139」型エンジンがベースとなる。メルセデスAMGは、このエンジンに設計変更を加えて、縦置きに搭載した上で、パフォーマンスを大幅に向上させている。


新しいエンジンの特長は、電動ターボチャージャーだ。この技術はF1からのフィードバックで、「MGU-H(モータージェネレーターユニットヒート)」と呼ばれる。同じシステムが、メルセデスAMGのハイパーカー、『ワン』にも採用される。電動ターボチャージャーは、低いピークパワーの小型ターボチャージャーと、ピークパワーが高い大型ターボチャージャーの弱点を解消するシステムだ。


◆低回転域でより高いトルクを引き出す電動ターボ


この電動ターボチャージャーシステムでは、厚さ40mmの小型の電気モーターが、排気ガス側のタービンホイールと外気のコンプレッサーホイールの間に位置するターボチャージャーシャフトに装着されている。モーターは電子制御によって、ターボチャージャーシャフトを駆動し、コンプレッサーホイールを回転させる。ターボチャージャーの電動化によって、アイドリング領域でのレスポンスが大幅に向上し、エンジン回転全域でのレスポンスも高まる。


その結果、エンジンはアクセルペダルにさらに素早く反応し、ドライビングフィールは大幅にダイナミックで機敏になるという。さらに、ターボチャージャーの電動化により、低回転域でより高いトルクが可能になり、俊敏性が向上し、停止状態からの加速性能がアップする、と自負する。


また、ドライバーがアクセルペダルから足を離したり、ブレーキペダルを踏んだりしても、電動ターボチャージャーは常にブースト圧を維持できるため、ダイレクトなレスポンスが維持される。この電動ターボチャージャーは車載の48V電気システムを電源とし、最大17万5000rpmで回転し、空気の流れを速める、としている。

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